今回はENDGAME GEAR(エンドゲームギア)のゲーミングマウス「XM1r」をレビューしていきます。
XM1rの特徴
- XM1のフォルムと握り心地はそのままに、基幹部分を改善したリニューアルモデル
- つかみ持ち・つまみ持ちに適した左右対称形状
- 約70gの軽量かつ剛性の高いシェル構造
- XM1を上回る性能の「PixArt PAW3370センサー」搭載
- 快適かつ高速なクリックを実現した「Kailh GM 8.0スイッチ」
- XM1と同等の柔軟性で耐久性を向上させた「Flex Cord 2.0」
- PTFE製マウスソール大・小付属
性能(スペック)
本体 | ボタン | 6箇所(左右クリックボタン、左サイド×2、ホイールボタン、底面×1) |
---|---|---|
長さ | 122.14mm | |
幅 | 65.81mm | |
高さ | 38.26mm | |
重量 | 約70g(ケーブル除く) | |
ケーブル | ケーブル名 | Flex Cord 2.0 |
ケーブルタイプ | 布巻きタイプ | |
ケーブル長 | 1.85m | |
センサー | センサー名 | PixArt PAW3370 |
DPI | 50~19000(50~10000(50刻み)、10000~19000(100刻み))、プリセット:400/800(デフォルト)/1600/3200 | |
ポーリングレート | 125/500/1000 | |
最大認識速度(IPS) | 400 | |
最大加速度(G) | 50 | |
スイッチ | スイッチ名 | Kailh GM 8.0スイッチ |
耐クリック回数 | 8000万クリック | |
ソフトウェア | XM1r |
パッケージ内容
梱包状態
パッケージ内容
XM1r本体、PTFE製マウスソール(大)、取扱説明書等。
形状・外観
大きさ(サイズ)
形状、大きさは前作の「XM1」と全く同じ。
形状は左右対称マウス。
サイズは左右対称マウスの中では標準的。基本的に左右対称と左右非対称では、左右対称のほうが小さめな傾向にあります。
高さは左右対称マウスの中では少し低めです。高さに関しても左右対称と左右非対称では、左右対称のほうが低めな傾向にあります。
左サイドの形状
前方から中央、後方から中央を窪む形状。後方の膨らみは前方より大きく、洋梨のような形状をしています。
後方の膨らみが大きいことで指でマウスを後方に引き付けやすく、つかみ持ちとの相性がよさそうです。
逆に膨らみが大きいことで指を後方側に置いておきたい場合、特につまみ持ちのような持ち方の場合はいやでも指が中央から前方側に持ってかれるので好みが別れそうです。
垂直方向の形状は下部から上部へ広がる形状をしており、指が引っかかりやすい形状をしています。
右サイドの形状
左右対称形状なので、左サイドと同じ形状をしています。
小指と薬指は立てた状態、倒した状態でも違和感なく保持できますが、立てた状態だと少し窮屈に感じられるかもしれないです。
サイドの滑り止め
滑り止めは張られていません。
しかし垂直方向の形状は下部から上部へ広がる形状をしているため、指が引っかかりやすくグリップ面では問題ない印象。
表面の形状と質感
表面の山の位置が前後は後部寄り、左右は中央の位置にあります。
表面の山の位置が後部にある分、手のひら後部とのフィット感が強め。
表面の質感はサラサラとした触感。
ソール
ソールはPTFE製。四隅に1枚づつ小さなソールが張られています。
上下1枚づつ張れる大きめのソールも付属しています。
滑りやすさについては下のほうで解説しています。
重さ
重量は公称値は約70g(ケーブル除く)と軽量です。
前作の「XM1」も70gだったので、この辺は違い無し。
ケーブル
ケーブルは布巻きタイプの「Flex Cord 2.0」。前作の「XM1」のケーブルと同等の柔軟性で耐久性が向上しています。
実際に触ってみると若干「XM1」より硬くなっているようにも感じられますが、十分柔らかく低摩擦です。
接合部はやや上向きで、地面から浮いた位置にあり地面に擦れる心配もありません。
ボタンとクリックについて
左右クリックボタン
前作の「XM1」ではオムロンスイッチでしたが、「XM1r」では「Kailh GM 8.0スイッチ」を搭載しています。
「XM1」と比べると押下圧はやや軽めでストロークは同じで標準的です。とても軽快なクリック感といった感じでクリック時には僅かにカチカチ感があります。
クリック音は高めで軽快な音。音の大きさは普通といった感じ。
ボタンの形状は手前から奥まで凸状になっています。
サイドボタン
そこそこな大きさがあり、表面は丸い形状をしています。
位置的には親指の真上に来る位置にあります。結構高い位置にあり指が干渉することはありません。
表面からの突出もしっかりあり親指をずらすだけで簡単に押すことができます。
前作の「XM1」と比べるとクリック感に違いがあり、「XM1」は少しグニっとした押し心地で少し重めです。
「XM1r」はより軽めでサクッと押せるようになっています。
スクロールホイール
ホイールは滑り止めラバーが巻かれており、ラバーにはライン状に溝が切られており指が引っかかりやすくなっています。
前作の「XM1」と比べるとホイールは軽めになっており、ホイールボタンの押下圧も軽めになっています。
底面
底面にボタンが1つ備わっています。
ソフトウェア(XM1r)
専用ソフトウェアは近日公開予定とのこと。
そのため現状では底面にあるボタンでDPIとポーリングレートの変更を行います。
DPIは底面ボタンを短く押し、ポーリングレートは長く押すことで変更可能。
●DPI
- 青:400DPI
- 緑:800DPI
- 黄:1600DPI
- 赤:3200DPI
⇓DPIについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ⇓
●ポーリングレート
- ●〇:125Hz
- 〇●:500Hz
- ●●:1000Hz
⇓ポーリングレートについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ⇓
ゲームでの使用感
次はマウスの持ち方ごとの使用感です。実際にゲームをしてみて感じた使用感をまとめていきます。
プレイしたゲームは「Apex Legends」と「Valorant」です。
ちなみに私の手のサイズは中指の先端から手首までで約18.5cmです。
かぶせ持ちでの使用感
使えるには使えるといった感じです。
指は倒した状態でもフィット感はそこまで悪くなく、上手く指の関節に引っかかって保持しやすいです。
マウス後部が高めなので手のひら後部にフィットしやすく、手のひらでもそれなりに固定されます。
手のひら全体はフィットしないものの、かぶせ持ちの形でそれなりに安定したグリップをすることができました。
とは言えほとんど指で保持する感じになるため、フィット感は指:7、手のひら:3といった感じです。
かぶせ持ちユーザーが使うメリットはあまりない印象です。
つかみ持ちでの使用感
とても使いやすいです。
左右対称でかつ後部が大きく膨らむ形状で指で後方に引き付けやすく、マウス上部の高さが高いため手のひら後部にしっかりフィットします。
まさにつかみ持ちが求める理想の形状と言った印象です。
サイドの窪みの位置もちょうど良く自然と指がマウスを引き付けやすい位置にくるので、自然でかつ安定したグリップをすることができます。
左右対称なので上下のエイムを指だけで操作する場合も問題なくできるので、つかみ持ち向けでは完成形なのでは。
つまみ持ちでの使用感
普通に使いやすいです。
左右対称なので指のグリップ感に左右で違いが少なく違和感なく保持することが出来ます。
垂直方向の形状は下部から上部へ広がる形状をしており、指が引っかかりやすい形状をしているので指だけでも持ち上げやすいです。
気になった点は「XM1r」は後部が大きく膨らむ形状をしているので、嫌でも中央から前方側を保持するようになります。
なのでつまみ持ちで後部側を保持したいという人には少し不向きかもしれません。
補足
マウスを真横に動かしてカーソルが斜めに上がったり下がったりすることもなく、体感に合ったAIMをすることができました。
センサーテスト
『MouseTester』というソフトを使ってテストを行いました。
- 波線が綺麗に続いているほど、カーソルが飛んでしまうなどのおかしな挙動がない。
- ラインの動きドットの動きが一致しているほど、マウスの移動距離に対してのカーソルの移動距離が正確。
悪い例
FPSをプレイ中よくAIMが飛んでしまうマウスでのテストです。
○テスト環境
- DPI:400
- ポーリングレート:1000
- マウスパッド:SteelSeries QcK+
波線が途中で乱れているのは実際にカーソルが飛んでしまっている部分です。こういった波の乱れがあるものは良好なセンサーとは言えないです。
XM1rのセンサーテスト
○テスト環境
- DPI:400/800/1600/3200
- ポーリングレート:1000
- マウスパッド:SteelSeries QcK+
少し波線が乱れていますが、ゲームで使ってみた感じでは飛んでしまったり違和感が出ることはありませんでした。
リフトオフレンジ(リフトオフディスタンス)
- 検証用マウスパッド:SteelSeries QcK+
「XM1r」のリフトオフレンジは0.6mmでした。
ちょうど良い長さでFPSでも違和感なく使用できると思います。
ソフトウェアでリフトオフレンジの設定ができるようになるようです。
⇓その他ゲーミングマウスのリフトオフレンジ(リフトオフディスタンス)や詳細については下の記事で確認できます。⇓
滑りやすさ
滑りやすさ比較のやり方は、マウスパッドに角度をつけてその上の滑り方を比較するやり方を行いました。
- マウス:ENDGAME GEAR XM1r、ENDGAME GEAR XM1、Logicool G PRO X SUPERLIGHT、Logicool G703 HERO
- マウスパッド:Logicool G640、ARTISAN 飛燕 MID L、Xtrfy GP3
重さの関係もあるので一概には言い切れませんが、斜面を滑らせた感じでは普通に滑りやすい印象でした。
多少マウスパッドとの相性があり、ザラザラとした表面のマウスパッドに引っかかりやすいように感じられました。
使っていくうちにマウスソールが丸まってくると思うので、その辺は良くなるんじゃないかと思います。
応答速度(反応速度)
次はマウスのクリック応答速度(反応速度)を計っていきます※純粋なマウスの応答速度を計っているわけではないので参考程度にお考え下さい。
このテストで分かることは”露骨な遅延が無いこと””ボタンを素早く押せるか”程度のものです。
100回やった結果はこのようになりました。
最速 | 0.139 |
---|---|
最遅 | 0.188 |
平均 | 0.17076 |
全ゲーミングマウスの平均タイムが0.18390なので、そこそこ速く反応することが出来ました。
クリックボタンが軽く素早く押し込むことができ、速く反応できた印象でした。
反応が遅れたかと感じるときでも案外早く反応できていたり遅延も一切感じられず、FPSでも全く問題なく使用できると思います。
⇓測定の仕方、その他ゲーミングマウスの応答速度(反応速度)以下の記事で確認できます。⇓
まとめ
つまみ持ちとつかみ持ちと相性が良いですが、特につかみ持ち特化の形状でした。
つかみ持ちには理想的な形状で、つかみ持ち向けには完成形と言ってもいいくらいだと思います。
メリット
- つかみ持ちの理想形
- XM1からの変更点は全て好印象
- 約70gの軽量かつ強く握っても一切軋まない頑丈さ
デメリット
- マウスパッドによってはソールが引っかかる。丸まるまである程度使い込む必要がありそう
⇓その他のゲーミングマウスのレビュー記事は以下で確認できます⇓
⇓おすすめのゲーミングマウスと選び方を以下で解説しています⇓