当記事ではApple(アップル)のワイヤレスイヤホン「AirPods Pro」をレビューしていきます。
AirPods Proの特徴
- カナル型(密閉型)ワイヤレスイヤホン
- 周囲の雑音を消すことができる「アクティブノイズキャンセリング」
- 周囲の音を拾うことができる「外部取り込みモード」
- 3つのサイズのシリコン製で装着感をカスタマイズ可能
- ワイヤレス充電対応(Qi規格)
AirPods Proのパッケージ内容
梱包状態
パッケージ内容
AirPods Pro本体、Wireless Charging Case、シリコーン製イヤーチップ(3サイズ)、Lightning – USB-Cケーブル、製品情報ガイド等。
スペック
接続方法 | ワイヤレス接続(Bluetooth) | |
---|---|---|
イヤホン | タイプ | カナル型(密閉型) |
ドライバー | 高偏位Appleドライバ | |
周波数 | – | |
インピーダンス | – | |
感度 | – | |
マイク | 極性パターン | – |
周波数 | – | |
重量 | イヤホン本体 | 5.4g |
充電ケース | 45.6g | |
ワイヤレス接続 | Bluetoothバージョン | Bluetooth5.0 |
対応コーデック | SBC、AAC | |
対応プロファイル | – | |
通信距離 | – | |
バッテリー | バッテリー寿命 | イヤホン本体:4.5時間(アクティブノイズキャンセリングと外部音取り込みモードをオフにした場合は最大5時間) / 1回の充電で最大3.5時間の連続通話時間、充電ケース:24時間以上の再生時間 / 18時間以上の連続通話時間 |
充電時間 | 充電ケースでの5分間の充電で約1時間の再生時間、または約1時間の連続通話時間 | |
耐汗耐水性能 | IPX4 | |
付属イヤーピース | シリコーン製イヤーチップ(3サイズ) |
外観・仕様
デザイン
カラーは全体的にホワイト一色でシンプルな色使い、全体的に丸みのある形状で角が無くアップル感のあるデザインといった印象。
派手すぎずごつ過ぎずで、外でも使いやすいデザインになっています。
外側と内側の黒い部分には外部の音を集音するマイクが備わっています。
細い部分に左右がわかるようにL/Rの文字が描かれているので、どちらか間違える心配もありません。
イヤーピース(イヤーチップ)
「AirPods Pro」は耳栓のように使用するカナル型(密閉型)イヤホンです。前モデルの「AirPod」はインナーイヤー型(開放型)だったようなので、最大の違いかと思います。
カナル型は耳の穴に差し込むので全ての音を逃さず拾うことができます。遮音性に優れているため音抜けし辛く、通勤時などにも使いやすいです。しかしその分耳への圧迫感が強く長時間の使用に向いていません。
「AirPods Pro」がカナル型になったのも、この遮音性をより高めるためです。
インナーイヤー型は耳の穴に差し込むのではなく、耳の輪郭に引っ掛ける様に固定するタイプです。
耳への圧迫感が少なく長時間の使用に向いています。耳が密閉されていないので外の音(インターホンなど)を聞き逃しにくいです。
しかしその分カナル型と比べると音の拾いやすさは劣ります。音が抜けやすいため、通勤時などには不向きです。
両タイプで使用感に結構違いがあり、好き嫌いが別れやすいです。「AirPods Pro」を選ぶか「AirPod」を選ぶかが最も別れる部分かと思います。
イヤーピースはシリコーン製イヤーチップのスモール/ミディアム/ラージの3種類が備わっています。出荷時はミディアムが装着されています。
またイヤーチップは一般的なイヤホンの突起の嵌めるようなものではなく、AirPods Pro独自のイヤーチップなので他のイヤホンと使いまわしなどは出来ません。
AirPods Proのイヤーチップは取りづらい、付けづらいということがなくどちらもかなり簡単に取り換えできます。
装着感については下のほうで解説します。
感圧センサー
イヤホン本体の細長い部分に感圧センサーが備わっています(装着時に前側に来る位置)。
この感圧センサーでメディアコントロール、電話応答、ノイズキャンセリングなどの操作を行うことが出来ます。
●操作方法
1回タップ | 再生/一時停止、電話応答/終了 |
---|---|
2回タップ | 次の曲へ |
3回タップ | 前の曲へ |
長押し | アクティブノイズキャンセリングと外部音取り込みのモード切替 |
充電ケース
充電ケースは小ぶりな長方形型のケースで角が丸まっており可愛らしい形状をしています。
質感はツルツルとしており、少し指紋が付きやすい印象。
充電ケースのふたはマグネット式でパカッと開けることが出来ます。
蓋を開けるとイヤホン本体を収納できるスペースがあり、イヤホンはマグネットで簡単に収納できるようになっています。
充電ケースの背面には設定ボタンがあり、「ペアリング」「デバイスの登録を解除」「充電状態の確認」などに使用します。
底面にはLightningポートがあります。
またワイヤレス充電(Qi規格)にも対応しています。
バッテリー寿命
バッテリー寿命はイヤホン本体は最大4.5時間(アクティブノイズキャンセリングと外部音取り込みモードをオフにした場合は最大5時間) / 1回の充電で最大3.5時間の連続通話時間となっています。
充電ケース24時間以上の再生時間分 / 18時間以上の連続通話時間分となっています。
イヤホン本体の充電は充電ケースに収納することでできます。
充電ケースでの5分間の充電で約1時間の再生時間、または約1時間の連続通話時間が可能です。
また充電ケース正面にはステータスランプがあり、バッテリー残量を見ることが出来ます。
オレンジ | イヤホン充電中 |
---|---|
緑 | イヤホン充電完了 |
オレンジ(ケース充電時) | ケース充電中 |
緑(ケース充電時) | ケース充電完了 |
重量
重量は片側5.4gとなっています。(実測:11g(片方5.5g))。
ケーブル
充電ケースの充電に使うLightning – USB-Cケーブルも付属。
耐汗耐水性能
耐汗耐水性能はIPX4となっています。
「IPX4」は雨などの水滴がかかっても問題ないレベルのようです。
どっぷり水に漬けるのはNG。
ペアリング方法
iPhoneとの接続
①iPhoneのBluetoothをオンにする
②充電ケースの蓋を開ける
③接続画面が出るので、接続をタップ
PCとの接続
【PCとの接続に使用したBluetoothアダプタ】
①右下のBluetoothアイコンをクリック⇒Bluetoothデバイスを追加
②Bluetoothまたはその他のデバイスを追加するをクリック
③Bluetoothをクリック
④充電ケース背面の設定ボタンを押す
⑤AirPods Proが表示されたら選択
装着感
イヤーチップ装着状態テスト
AirPods Proにはイヤーチップの装着状態を確認して、どのサイズで最も密閉され最高の音響性能を得られるか判断する「イヤーチップ装着状態テスト」機能が備わっています。
「イヤーチップ装着状態テスト」はiPhoneとペアリング後、”設定⇒Bluetooth⇒AirPods Pro”の画面から選択できます。
せっかくなので装着感はこの「イヤーチップ装着状態テスト」を行ってベストなサイズなもので確認しようと思います。
「イヤーチップ装着状態テスト」を行った結果、どのサイズでも良好になりました。(笑)
なので感覚的に一番緩すぎず窮屈感のない”ミディアム”を使うことにしました。
装着感
まずAirPods Pro耳栓のように使用するカナル型(密閉型)イヤホンですが、一般的なカナル型よりもかなり窮屈感や圧迫感の少ない印象でした。
というのも一般的なカナル型はイヤーチップ部分を耳の穴にねじ込んで、イヤーチップ部分のみで支えるタイプがほとんどです。
しかしAirPods Proはイヤーチップ部分をねじ込むのではなく、イヤーチップ部分+イヤホンボディー部分が耳の穴周辺の輪郭にフィットするようになっています。
またAirPods Proはイヤーチップ部分の出っ張りが一般的なカナル型よりも少なくなっています。
なので物理的に奥までイヤーチップが入らず、イヤーチップ部分+耳の穴周辺の輪郭でバランスよく固定されます。
そのため耳の圧迫感がそこまで無いにも関わらず、しっかり密閉されます。
また特に凄いのが左右で装着に違いが出づらいというところです。
耳の形は左右で違う場合があり、同じサイズのイヤーチップでも装着感に違いがでることがあります。
しかしAirPods Proは奥まで入れないので、そこまで左右で違いが出づらい印象を受けました。
今までいろいろなカナル型イヤホンをレビューしてきましたが、装着感は今まで最もよく窮屈感が少ない印象です。
正直イヤホンは装着感が一番大切だと思っているので、コレだけでかなり優秀に見えます。
機能(アプリ)
iPhoneの場合、専用アプリなどをインストールしなくても設定画面から操作することが出来ます。
設定画面は設定⇒Bluetooth⇒AirPods Proのiで行けます。
AirPods Proの主な機能は以下になります。
ノイズキャンセリング
イヤホン本体の外向きと内向きのマイクで周囲の音を集音し、アンチノイズ機能で周囲のノイズを消してくれます。
耳栓をするのとはわけが違い、耳栓ほどの耳の圧迫感が無いにも関わらず、それ以上の静けさを再現してくれます。
自分の話す声も耳栓だと頭の中で響くように聴こえると思いますが、ノイズキャンセリングだとそれすらも小さくなります。
またイヤホンで音楽を聴きながらランニングをするという人は経験があると思いますが、風の音がゴォゴォ煩いと感じることがあると思いますがそのような音も静かになるため快適に音楽を聴くことが出来ます。
ノイズキャンセリングだけでは完全にノイズを消すことは出来ませんが、音楽を聴きながらノイズキャンセリングを使うとほぼ外の音は聴こえないレベルになります。
外部音取り込み
ノイズキャンセリングとは逆で、周囲の音を集音しイヤホンに再生してくれる機能です。
この外部音取り込みもまたとても優秀で、PCのファンのような小さな音も鮮明に再生してくれるにも関わらず、スピーカーの音楽のような大きな音もうるさすぎず自然でイヤホンを付けていない状態のような聴こえ方をします。
自分の話し声も普通のイヤホンだと頭に響くように聴こえてしまうと思いますが、外部音取り込みをオンにしておけば自然な聴こえ方にかなり近くなります。
私生活での使い道はあまり思いつかないですが、買い物をするときにレジ前でいちいちイヤホンを外すのが面倒と言う際に外部音取り込みを使うというのが便利そうですね。
ちなみにノイズキャンセリングと外部音取り込みは感圧センサーを長押しすることで簡単に切り替えることができます。(長押し時の操作は設定を変えることもできます)
イヤーチップ装着状態テスト
AirPodsのイヤーチップの装着状態を確認して、どのサイズで最も密閉され最高の音響性能を得られるかテストする機能。
自動耳検出
AirPodsを耳に付けたとき、自動的に電源がONにされる機能。逆に外したとき自動的に電源がOFFになり音楽も止まります。
自動耳検出OFFのときは外しても音楽が鳴り続けます。
空間オーディオ
オーディオを左右(ステレオ)だけでなく複数の方向を表現し、その場にいるような聴こえ方を表現してくれる機能。
対応しているアプリのみで使用可能。
音質(音の傾向)
実際に音楽を聴いてみて音の明瞭感や迫力や臨場感などの音質、低音寄りや高音寄りといった音の傾向を確認しています。
音の傾向
音の傾向はやや低音寄りといった印象。低音が特に強調されていますが、高音をそこそこ出ており低音に隠れてしまわないといった感じです。
迫力があり重低音が心地よく高音もしっかり出ているので、音が潰れることなくクリアで高音質感がある音でした。
大音量にしても高音が割れることがなく、つんざくような音も少なく大音量でも聴きやすい音だと思います。
もう少し高音が強いほうが明瞭になると感じましたが、そのままでも十分良い音で自然で違和感のない音だったと思います。
マイク音質
※マイク音質の確認は「LINEテスト通話」とPCで確認しています。
音質はあんまり良くない印象です。
聴き取ることはできますが、少し籠ったような聴こえ方がします。
またたま~にですがブツブツと途切れることもあり、安定性もイマイチなのかなぁと感じる部分ありました。
まぁイヤホンのマイクなのでこんなもんかなとも思います。ましてやワイヤレスは音質が悪いと言われているので聞き取れるだけ良いかなと思います。
なので話すくらいならできる程度と考えておいた方がいいかもしれません。
定位(音の方向性、音の距離)
ゲームの足音や銃声などの捉えやすさ、方向性、聞こえ始める距離などを確認しました。
Apex Legendsの場合
- 足音の捉えやすさ:△
- 音の方向性:△
- 足音の聞こえ始める距離:〇
少し低音が強く足音がぼやけるかなと言った印象です。
近くの足音が特に拡散しやすく、足音はするが広範囲から聴こえてきて特定しづらいかなと感じました。
もう少し中音以下を弱めて高音を強くすると聴き取りやすいといった印象。
Apexは遅延による足音と敵の位置のズレはそこまで気にならなかったかなと思います。
CS:GOの場合
- 足音の捉えやすさ:〇
- 音の方向性:〇
- 足音の聞こえ始める距離:△
普通に聴きとれるといった感じです。
低音寄りですが低音に特化しているわけでもなく中音~高音もそれなりにでているので、足音のコンコンやトントンがそこそこ捉えやすい印象。
個人的にはもう少し中音以上の音を強くしたほうがより聴き取りやすいかなと言った印象です。
ただ遅延があるのでこの辺に居るなと思った場所より少し進んだ場所に敵がいるということが多いので、そちらのほうが気になりました。
Valorantの場合
- 足音の捉えやすさ:〇
- 音の方向性:△
- 足音の聞こえ始める距離:△
少し聞き取りにくいかなと感じました。
遅延のせいもあるかもしれませんが、音の方向が結構とらえにくい印象でした。
単純に足音が聴こえないことも多く、銃声と被ると気づけないことが結構ありました。
もう少し中音以下を弱めて高音を強くすると聴き取りやすいといった印象。
遅延について
iPhoneの場合
FPSなどのゲーム、音楽や動画などではほとんど遅延を感じることが無く、全く問題なく使用することが出来ました。
ゲーミングワイヤレスイヤホンではないので遅延は普通にあるのかと思っていましたが、ほとんど感じられませんでした。
しかし音楽ゲームの場合だと僅かに映像と音楽のズレを感じました。
音ズレを確認する動画でも確認してみましたが、体感ではほとんど遅延はありませんでした。
PCの場合
PCの場合は結構分かりやすいくらいの遅延がありました。
音楽や動画ではほとんど気にならないレベルですが、FPSなどのゲームの場合は足音が聴こえた位置と実際に居る位置にズレがでたりすることがありました。
音ズレを確認する動画でも確認してみましたが、体感できるほどの遅延がありました。
プラットフォームによって結構違いがあるようですね。
まとめ
正直音楽が聴ければそれだけでいいという場合にはオーバースペックですが、一日中イヤホンを付けたまま行動するという人にはかなり万能なワイヤレスイヤホンだと思います。
ただゲームには不向きなので、普段使い用と言った印象です。
メリット
- ノイズキャンセリングによりどのようなうるさい場所でも、快適に音楽を聴ける
- 外部音取り込み中は自分の声が頭で響くこともなくとても自然な聴こえ方で、イヤホンを付けたままでも会話ができる
- 感圧センサーにより再生/停止、ノイズキャンセリング、外部音取り込みの切替ができるのでイヤホンを付けたまま行動できる
- イヤーピースの種類が豊富で自分に合ったものを選びやすく、着脱も容易
- 一般的になカナル型(密閉型)イヤホンと比べ、圧迫感が少なく快適
- 感圧センサーはしっかり押さないと反応しないので、イヤホン装着時に誤操作が発生しない
デメリット
- 多少なりとも遅延があるので、音楽と映像のタイミングのズレが影響するゲームには不向き
- マイク音質はイマイチ
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