当記事ではLogicool(ロジクール)のゲーミングマウス「G Pro X Superlight 2」をレビューしていきます。
旧モデルとの違い

- HERO 25K ⇒ HERO 2
- ポーリングレート1000Hz ⇒ 8000Hz
- DPI25,600DPI ⇒ 44,000DPI
- スイッチがメカニカル ⇒ 光学式
- バッテリー寿命が最大70時間 ⇒ 最大95時間
- ケーブルがMicro USB Type-B ⇒ USB Type-C
- 重量が63g ⇒ 60g
- ソールの形状が変化
- クリック感がかなり変化
性能(スペック)
価格 | 公式:26,950円(税込) Amazon:24,500円(税込) |
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接続方法 | 有線、無線(2.4GHz) | |
本体 | ボタン類 | 左右クリックボタン、左サイド×2、 ホイールボタン、電源スイッチ |
長さ | 125.0mm | |
幅 | 63.5mm | |
高さ | 40.0mm | |
重量 | 60g | |
ケーブル | タイプ | 着脱式ラバーUSB Type-C |
ケーブル長 | 2m | |
センサー | センサー名 | HERO 2 |
DPI | 400/800/1000/1200/1600/3200 | |
ポーリングレート | 44,000 | |
最大認識速度(IPS) | 888 | |
最大加速度(G) | 88 | |
スイッチ類 | 左右クリック | LIGHTFORCEハイブリッドスイッチ(光学式) |
ミドルマウスボタン | – | |
サイドボタン | – | |
ホイールエンコーダー | – | |
バッテリー | 寿命 | 95時間 |
充電時間 | – | |
ソフトウェア | G HUB |
パッケージ内容
梱包状態
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内容物
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マウス本体、USB LIGHTSPEEDアダプター、充電ケーブル(USB-A to USB Type-C)、アダプターエクステンション、グリップテープ、PTFEフィート付きレシーバーカバー、保証書等。
仕様
形状
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形状やサイズは前モデルから変化は無く全く同じです。
左右対称形状でくびれが少なく、全体的に角が少なく丸い形状で尖った部分が無いため、癖の少ない握り心地になっています。
そのためあらゆる持ち方に対応しやすい反面、特定の持ち方にガッチリはまるものではないマウスとしてよく言われます。
表面加工(質感)
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前モデルとの違いは見た目ではわかりませんが、触り心地としては僅かに違いが感じられます。
前モデルがツルツルとしたウェットな質感としたならば、新モデルはサラサラとしたドライな質感になっています。
そのため前モデルよりも手汗や脂が目立ちにくいですが、やや滑りやすくなっていると感じます。
そのため付属品にグリップテープが付属されており、グリップテープを使うことが必須になるかもしれません。
ソール
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ソールの形状も変更されており、上部のソールは変わらず、下部のソールは丸形からU字型になっています。そのため前モデルのソールを使いまわすことは出来ません。
厚さや縁の形状の変化も見られず、大きな違いとしてはソール自体の形状くらいです。
前モデル同様に大きめのソールなので、沈み込みによる摩擦変化も感じにくいです。
ガラスパッドでもザラザラ感は少なくスムーズです。
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また底面のカバー部分は前モデル同様に、PTFEフィート付きレシーバーカバーに変更できる仕様になっています。これに変更することによって滑りやすくなるというよりは、沈み込みをより抑えて摩擦変化を減らし一貫した滑りやすさになるといった感じです。個人的にはこちらの方が操作感が良さそうに感じます。
重量(軽さ)、重量バランス
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実測重量はそれぞれ以下のようになっています。
Superlight 1 | 60.4g |
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Superlight 2 | 58.9g |
重量に関しては大きな変化は無く、僅かに軽くなっています。持ってみると意外と違いが感じられるもので、軽くなっていることが実感できます。ただ感動できるレベルではありません。
最近のワイヤレスマウスの中では特段軽いとは言えない重量感ですが重いことは無く、程よく慣れやすい重量感といった感じです。

重量バランスとしては概ね窪みの位置で、やや前方寄り位置を持って前後のバランスが取れるといった感じです。基本的にはどの持ち方をしてもバランスは良いですが、若干前方寄りに感じなくもないといった感じです。
ケーブル
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ケーブルは前モデルでは「Micro USB Type-B」でしたが「USB Type-C」に変わりました。接続部分の溝は狭めなので、細いタイプでないと入らないと思います。
長さは2mほどと十分な長さ。
ワイヤレスレシーバー・アダプター
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レシーバーはポーリングレート8Kに対応している関係か、やや大きくなっています。
アダプターも若干質感に高級感が増しています。またケーブルが「USB Type-C」になった関係でアダプターも「USB Type-C」になっています。
また前モデルではレシーバーをマウス本体に格納できるようになっていましたが、新モデルでは格納というより入れるだけになっています。
ボタン類
⇓クリック音⇓
左右クリックボタン

旧モデルのクリック感から大きく変わり、重めでしっかりとしたタクタイル感のあるクリック感になっています。前モデルは明確に軽めでサクッと押し込めるクリック感でしたが、新モデルは重めなのでしっかり押し込むイメージです。クリック感は重めのほうが好きという人は恐らく稀だと思うので、これは良い変更点とは言えない印象です。
もちろん重くなったからといってFPSゲームに不向きというほどのものではなく、個人的にはクリック感は全く気にならないタイプなので問題なく使えていました。
クリック音は旧モデルでは高く比較的小さめの音でしたが、新モデルは鈍めのやや大きめの音が鳴るようになっています。またバネの跳ねるカチッという音もしっかりなるのでクリッキーで心地が良いと言えば良いですが、うるさく感じる要因でもあるかなと思います。
なのでもしクリック感を重視していてクリック感は出来るだけ軽いほうが良い、クリック音は出来るだけ小さいほうが良いという場合は旧モデルを使った方が良いかと思います。
サイドボタン

サイドボタンは旧モデルから大きな変化は無く、形状や位置なども概ね同じです。若干重く感じかもしません。
スクロールホイール

スクロールホイールも旧モデルから大きな変化は感じられませんが、若干重く感じかもしません。
その他のボタン

底面左側には電源スイッチが備わっています。
ソフトウェア(G HUB)
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DPI
マウス感度(DPI)を調整する項目。
新モデルからは少し細かく設定できるようになっています。
まずDPIはX軸/Y軸のそれぞれで設定できるようになっています。
感度スロットは5つまで設定でき、それぞれにLoDを設定することもできるようになっています。感度スロットはどこかにボタンにDPIサイクルを設定しておくことでサイクルできます。・・・ボタンが少なくてどこのボタンに設定すればいいのかは不明ですが。
初期DPIは800/1200/1600/2400/3200です。

ポーリングレート(レポートレート)
1秒間にマウスの操作情報を送信する回数のことで、カーソルの滑らかさや画面のブレに影響します。
ポーリングレートはワイヤレスと有線のそれぞれで設定することが出来ます。
ワイヤレスは125/250/500/1000/2000/4000/8000から設定でき、有線では125/250/500/1000で設定できます。
数値が高いほうがカーソルと画面が滑らかに動くので、基本的には高い数値に設定しておいた方がFPSゲーム的には有利に働きます。ただし2000Hz以上はPCスペックやゲームの対応ポーリングレートなどによっても使用感が変わるため、状況に合わせて設定する必要はあります。

Heroセンサーキャリブレーション
他のマウスと移動距離が同じになるようにDPIを調整してくれる機能です。
今まで他のマウスと使っていた場合、わざわざ感度調節をしなくてもキャリブレーションをするだけで合わせることができるようになります。
他のマウスと同じDPIにしていても実際の移動距離は異なるということはよくある話です。その時は感度調整を行えば良いだけではありますが、この機能を使えば簡単にDPIを合わせてくれます。なので別のマウスからの移行という際に便利な機能です。
実際はマウスの形状やセンサーの位置によっても感覚は変わるためキャリブレーションを行っただけでは感度が合うということは中々無いと思いますが、ざっくりとした調整には使えると思います。
リフトオフディスタンス(LoD)
リフトオフディスタンス(LoD)とはマウスを持ち上げたときにセンサーが感知する距離のことです。
LoDは右上の詳細に✅を付けると各感度スロットごとに設定できるようになります。
LoDは低/中/高から選択できます。
実測のLoDは下のほうで確認します。
割り当て
各ボタンの機能割り当てが出来る。
リフトオフディスタンス(LoD)

- 検証用マウスパッド:SteelSeries QcK+
LoDは短すぎたり長すぎたりすると操作感に違和感が出てくることがあります。個人的な体感としては0.3~1.6mmの範囲であれば違和感無く操作できる印象です。
測定結果
Superlight 1 | Superlight 2 | |
---|---|---|
低 | 0.6mm | 0.4mm |
中 | 0.6mm | |
高 | 1.0mm |
中がいつも通りの設定で、低が低め、高が高めといった感じかと思います。
中がちょうど良い長さでおすすめ。
カーソル飛び

何種類かのマウスパッドでカーソル飛びを確認します。
確認結果
Superlight 2 | |
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ARTISAN FX 零 | 〇 |
ARTISAN FX 飛燕 | 〇 |
ARTISAN FX 雷電 | 〇 |
ARTISAN FX 紫電改 | 〇 |
SkyPAD Glass 3.0 XL | 〇 |
マウスを激しく振ってもどのタイプのマウスパッドもカーソル飛びはありませんでした。
クリック反応速度
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次はクリック反応速度を計っていきます※純粋なマウスの応答速度を計っているわけではないので参考程度にお考え下さい。
測定には「反応速度測定-改」というゲームを使わせていただいています。
測定結果
1000Hz | 8000Hz | Superlight 1 | |
---|---|---|---|
最速 | 0.144 | 0.143 | 0.148 |
最遅 | 0.154 | 0.156 | 0.156 |
平均 | 0.1494 | 0.14975 | 0.1512 |
測定してみた感じでは体感できる遅延は一切なく、タイム的にも十分早く反応できていました。
前モデルと比べても体感できる差は無く、タイム的にも大差ありません。Superlight 1から2に乗り換えても明確に速く反応できると感じることはまずないと思います。(高ポーリングレートになって画面が滑らかになることで速く反応できるとかはあるかもしれません)
スリープ復帰等による遅延もありませんでした。
ゲームで感じられる前モデルとの使用感の違い
特に違いを感じる部分から順に説明していきます。
ポーリングレートによる視認性の差

最も違いを感じた点としては「ポーリングレートによる視認性の差」です。
旧モデルではポーリングレートが1000Hzでしたが、新モデルでは8000Hzに対応しています。1000Hz⇒8000Hzともなると明確に違いを感じることが出来ました。
マウスを振ったとき(視点を大きく動かしたとき)の画面のブレが新モデルのほうが明らかに少なく、特に大きくマウスを振ったときのブレがかなり少なくなっていました。
旧モデルでは敵をトラッキングしている時やマウスを大きく振った時に画面がブレて敵を視認しにくかったですが、新モデルではどのようにマウスを動かしても常に敵がハッキリ見えるのでかなりトラッキングがしやすくなりました。目が良くなったように錯覚するほどで、高ポーリングレートでここまで違いを感じたのは初めてです。
マウスを変えることで視認性が上がるとかいう謎の現象が起きます。
表面が滑る

表面は旧モデルではツルツルとしたウェットな表面、新モデルではサラサラとしたドライな表面をしています。
それによって新モデルのほうが滑りやすく、グリップの安定性は旧モデルより劣ります。
グリップテープが無くても使えるには使えますが、乾燥肌には厳しいかもしれないので張ったほうが良いかもしれません。
ソールが滑りにくい(PTFEフィート付きレシーバーカバーなし)

ソールは旧モデルより若干滑りにくく感じました。新品なので若干滑りにくくなっているという可能性もあるため、使っていくうちに馴染んでくるかもしません。
とは言え新品でも抵抗が強すぎるとは感じないので問題ないレベルではあると思います。
クリック感

クリック感はかなり違いがあるため、普段より押し込む強さがもう少し必要になるかもしません。
ただ個人的には使用感に影響は無く、問題なく使えていました。クリック感を重視している人には影響する程度かなと思います。
形状が若干小さく感じる

気のせいかもしませんが、旧モデルよりも新モデルのほうが若干小さく感じました。
指のつかむ幅が狭いというか、手のひらの接地する強さが弱いという感覚が少しだけ感じられました。まぁ同じ形状と言っても完全に同じということは100%無いので、個体差による感覚の違いと言った方が近いかもしれません。
もしかしたらグリップテープを貼ることを想定して若干小さくしているという可能性も無くは無いかと。
使用感の違いまとめ
- 旧モデルより敵の視認性が高い
- 旧モデルより表面が滑りやすい
- 旧モデルよりソールが滑りにくい
- 旧モデルよりクリック感が重い
- 旧モデルより形状が若干小さく感じるかも
筐体は旧のほうが使いやすいですが、性能は間違いなく新のほうが優れているといった感じでした。
まとめ
全てにおいて旧モデルよりも優れているかと言われればそんなことはありませんが、どちらのほうがおすすめかと言われれば明確に新モデルのほうがおすすめと言えるものになっていました。
特にポーリングレート8000Hzの恩恵が大きく、FPSゲームに大きく影響を与えています。旧モデルでは1000Hzだったのが8000Hz対応になり、マウスを大きく動かしても常に敵を明確に捉え続けることが出来るようなっています。目が良くなったように錯覚するレベルで、新モデルに乗り換えることで敵の視認性が上がることが期待できます。
性能面では新モデルのほうが優れていると明確に言うことが出来ますが、筐体自体は旧モデルのほうが優れている面が多いと思います。表面は旧モデルのほうがグリップ性が強くグリップが安定しやすく、クリック感は旧モデルのほうが軽く感覚的に押し込みやすいです。
なので筐体は旧のほうが使いやすいですが、ポーリングレート8000Hzによる恩恵がかなり大きいので新モデルに乗り換える意味はあると私は感じました。
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