当記事ではEndgame Gear(エンドゲームギア)のゲーミングマウスパッド「EM-B/C」をレビューしていきます。
特徴

- 価格:490x410mm:6,980円、500x500mm:7,480円
- EMシリーズ:表側には精密度の高いクロス生地、裏側にはプレミアムな日本製PORON®素材を使用した高品質マウスパッドシリーズ
- EM-B:マウス操作のスピードとコントロール性の両方を重視した、バランスタイプのマウスパッド
- EM-C:マウス操作のコントロール性を重視した、コントロールタイプのマウスパッド
- 滑走面よりも低いステッチで、机にピタッと張り付き、高速で腕を動かしても擦れて邪魔になることがない
- 品質保持のためワックス紙で保護されたフラットパッケージに梱包されており巻き癖の心配が無い
パッケージ内容
梱包状態
【EM-B】
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【EM-C】
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品質保持のためワックス紙で保護されたフラットパッケージに梱包。そのため一切巻き癖は無い。
内容物
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マウスパッド本体。
仕様
サイズ

サイズは2種展開。
EM | 490 x 410 x 3mm |
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EM PLUS | 500 x 500 x 3mm |
表面
「EM-B/C」の表面は分類的には「EM-B」はハイブリッドタイプ、「EM-C」はソフトタイプになります。
【EM-B】
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ハイブリッド系なのでザラザラとした触り心地をしていますが、かなり柔らかいタイプのザラザラとした質感をしています。手のひらが擦れてもハイブリッド系の中では摩擦が少なく、負担は軽い印象を受けます。ハイブリッド系のザラザラ感が苦手な人でも比較的使いやすいものかと思います。
織り方に規則性や方向性は無く、凹凸が強く表現される織り方がされています。手触りとしては水平方向のほうが僅かに滑りやすく、垂直方向は僅かに滑りが遅く感じられます。
ロゴは表面にプリントされているタイプ。
【EM-C】
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ソフトタイプでサラサラとした触り心地の表面をしていますが、ソフトタイプの中ではザラザラ感を感じやすい表面をしており手首が擦れる感覚は比較的強めです。
水平方向が浮き上がる織り方がされており、明確に水平/垂直方向の滑りの違いを感じられる表面になっており、水平方向のほうがしっかり滑りやすいと感じられます。
ロゴは表面にプリントされているタイプ。
撥水性
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撥水性はどちらもありませんが、「EM-C」は少しの間弾きます。
底面
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EMシリーズの底面には日本製の高品質素材「PORON®」が使用されています。マウスパッド全体の厚みが均一で凹凸が無くフラットで、机などの接地面に張り付く様な強固なグリップ性を合わせ持っていることで、FPS向けマウスパッドとして人気の高い素材となっています。
しっとり滑らかな質感の表面をしており、テーブルにしっかり固定されかなり強固にグリップされていることが分かります。マウス操作でズレてしまうということはまずないかと思います。
クッション性(中間層)
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クッション性はとても強いです。指で軽く押すだけで沈み込むほど柔らかな中間層になっています。単純な柔らかさならARTISANのXSOFTと同じくらいです。厚さは3mmと薄めなため沈み込みはそこまでありませんが、手首の負担軽減には十分な柔らかさです。
とても柔らかい中間層になっているためテーブルから垂らすとしなやかに垂れるため、テーブル角の負担を減らすにも十分使えます。
エッジ(ステッチ)
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ステッチはArtisanマウスパッドと同じ小さなステッチで、マウスパッド面よりも高くならないようになっているため、テーブルから浮いたり手首に触れにくいものになっています。
柔らかく手触りの優しい質感のステッチなので、手首が擦れても痛くなるということは無さそうな印象。
滑りやすさ比較
- テスト用マウス:「Logicool G PRO X SUPERLIGHT2」、「Logicool G PRO X SUPERLIGHT2 DEX」
- テスト用マウスパッド:「EM-B/C」、「ARTISAN NINJA FX 零 XSOFT」、「ARTISAN NINJA FX 飛燕 MID」、「ARTISAN NINJA FX 疾風乙 MID」
滑りやすさ、止めやすさ(動摩擦)
滑り出してから動いている最中の軽さと止めやすさを確認します。テストは水平方向で行います。
Logicool G PRO X SUPERLIGHT2 | 飛燕 MID > 疾風乙 MID > EM-C > EM-B > 零 XSOFT |
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Logicool G PRO X SUPERLIGHT2 DEX | 飛燕 MID > 疾風乙 MID > EM-B > EM-C > 零 XSOFT |
【EM-B】
マウスパッド全体でみるとバランスタイプに近い滑りで、僅かにスピードに寄ったバランスタイプといったような滑りです。ハイブリッド系の中では結構コントロール寄りで、しっかり滑りながらもコントロールしやすい程度に抵抗を感じる滑りやすさになっています。
飛燕や疾風乙と比べるとしっかり遅く、ハイブリッド系の中では滑りにくい部類の表面だと体感できます。スピード寄りのソフトマウスパッドくらいの滑りになっているため、スピード系が苦手な人でも扱いやすいハイブリッド系マウスパッドになっている印象です。
マウスによって滑りやすさは異なりますが、基本は「EM-B > EM-C」の順で滑りやすいと感じられます。どっちにせよそれぐらい滑りやすさは似ています。
また中間層が柔らかめなため沈み込みしやすいタイプかと思いますが、沈み込みによる速度変化は比較的少なめな印象です。沈み込むことでマウスがカクつくほど制動は強くならず、程よくコントロール性が増す程度と言った感覚です。逆に言えば沈み込みで速度をしっかり抑えたい人にとっては物足りなさは感じる可能性はあります。
【EM-C】
マウスパッド全体でみるとほぼバランスタイプといったような滑りです。ソフト系の中では比較的滑りやすい部類の表面で、バランスタイプで代表的な「Logicool G640」よりも少し滑りやすいといったような滑りになっています。滑りと止めのバランスがちょうど中間ほどの滑りやすさになっているので、万人が扱いやすい表面かと思います。
沈み込みによる速度変化は「EM-B」よりも少なく、ソフト系の中では速度変化は少ない印象です。「零 XSOFT」よりも速度変化が少なく、マウス操作によって操作感の違いが出にくいです。余程マウスを押し込まない限りは急激に重くなるということは無いため、マウス操作によって速度変化が少なく一貫した操作感でマウスを操作できる印象です。

初動、左右切替し(最大静摩擦)
滑り出しの時と左右切替しの時のギュッとする感じの少なさを確認します。
Logicool G PRO X SUPERLIGHT2 | 飛燕 MID > 疾風乙 MID > EM-C > EM-B > 零 XSOFT |
---|---|
Logicool G PRO X SUPERLIGHT2 DEX | 飛燕 MID > 疾風乙 MID > EM-C > EM-B > 零 XSOFT |
初動、左右切替し(最大静摩擦)としては「EM-B」と「EM-C」が逆転する感じで、「EM-C」のほうが動摩擦と静摩擦の差が少ないように感じられます。そのため急に滑り出す感覚や左右切替し時のギュッとする感覚が少ない印象です。とは言えどちらも動摩擦と静摩擦の差は少ない部類な感覚なので、どのようなマウス操作でも一貫した操作感で操作できます。
動摩擦と静摩擦に極端な差があると急に滑り出して過剰に操作してしまう原因にもなるかと思うので、個人的にはクセの少なく良いと思います。
ゲームでの使用感、操作感
ゲームはApexLegendsとVALORANTをやってみました。
ApexLegendsは「敵を追い続けるような滑らかなAIM」をすることが多いゲームですが、VALORANTは「パッと狙ってパッと止めるAIM」が多いゲームです。同じFPSでもAIMの仕方が異なるため結構違った見方をすることができます。
ApexLegends

【EM-B】
基本バランス的な操作感で、トラッキング主体のAPEXとは相性が良く感じられます。もちろん滑り過ぎるということも無く程よく制動が効くので、AIMが行き過ぎてしまったりガクガクしてしまうということもありません。
「EM-C」と比べるとですが沈み込み時の制動が強くなるため、AIM時が重くなりがちです。私の場合つまみ持ちなのでAIM時は力が入ります。その分沈み込みが増すので、AIM時は制動が強まります。なので大きく動かす腰だめAIMはスムーズで、敵を狙うAIM時は制動を活かせるようになります。個人的にはAIM時の感覚が重すぎるように感じるので、沈み込みの制動が強く過ぎるかなと感じました。
【EM-C】
「EM-B」と比べると僅かにマウス操作が重く感じられますが沈み込みの影響が少なく、どのようなマウス操作でも一貫した操作感でマウスを操作することが出来ます。「EM-B」よりも僅かにコントロール性に優れており、AIM時もマウス操作が重くなったりすることも無いため、かなり安定したAIMが可能と言った印象です。
個人的には「EM-B」よりも操作がし易いように感じられました。初動のギュッとする感覚が少ない点と沈み込みの影響の少なさで、左右の切り替えしが追いやすく安定したトラッキングが出来る印象です。やはり初動と沈み込みによる影響は少なければ少ないほど良い印象です。
VALORANT

【EM-B】
基本はしっかり滑り、止めることもできます。滑らなすぎると感じることも無いし止められないと感じることも無いため、不満は少ない操作感です。ただギュッと止まる感覚は無いため、手でしっかり制動する必要はあります。
「EM-C」と比べると初動が重いため、滑り出しの時にギュッとする感覚が少しあります。その分ちょっとした力みでマウスが動いてしまうということを防ぐことが出来るため、マウスを止めているときにブレてしまうということが少ないです。明確にマウスを動かすと意識した時だけ動くといった感覚です。左右切替し時には切替し時にヌルヌル切り返す感じではなく、ギュッと切り返すようになるためメリハリのある切り返しがしやすい印象です。
【EM-C】
「EM-B」よりは動摩擦が強いため全体的なマウス操作はコントロールがしやすいです。しかし初動や沈み込み時は軽めなので基本的に全てのマウス操作がスルスル動く感覚が強いです。一貫した操作感で安定しますが、キビキビとしたマウス操作には不向きかもしれません。
ギュッと止まる感覚が強いのは、どちらかと言えば「EM-B」かもしれません。
手のひらや手首の負担
「EM-B/C」共にクッション性はしっかりあるので、手首を押し付けても圧迫される感覚は少ないです。
表面の質感的に「EM-B」はハイブリッド系でザラザラしているため、肌が弱い人は痛くなることはあると思います。「EM-C」は基本問題ないかと思いますが、ソフトタイプの中ではザラザラ感が強いタイプなので少し気になる感じはあります。
手のひらや手首とのペタ付き
この時期は手汗で多少べたついてしまうのはどうしようもないですが、「EM-B」と「EM-C」では「EM-B」のほうが手汗に寄るペタ付きがマシです。
「EM-C」も表面がツルツル系ではなくザラザラ系なのでペタ付き度合いはマシなはずですが、どうしてもペタ付きはあります。
完全にペタ付きを無くしたいのであれば、アームカバーを併用するのが無難です。下記の方でアームカバーとの相性を確認しています。
アームカバーとの相性

次はアームカバーを使用した場合のマウスパッドとの相性を見ていきます。
- 引っかかり具合:◎(ほとんど引っかからない)、〇(引っかかりが少ない)、△(やや引っかかる)、×(かなり引っかかる)
EM-B | EM-C | |||
---|---|---|---|---|
アームカバー | 水平方向 | 垂直方向 | 水平方向 | 垂直方向 |
SkyPAD | 〇 | 〇 | △ | △ |
BeANCA | 〇- | 〇- | △ | △ |
CW-X | 〇- | 〇- | △ | △ |
DUNLOP | 〇+ | 〇+ | △+ | △+ |
Eadali | 〇 | △ | △- | △- |
AZ-FRONT | ◎ | ◎ | 〇 | 〇 |
「EM-B」は基本どのようなアームカバーとも相性が良く、摩擦が少ないので操作感への影響は少なめです。
「EM-C」は摩擦が強いものが多く、素肌よりも摩擦が強くなりがちです。とは言え使えないレベルではないといった印象です。
マウスソールとの相性

※滑りやすさ、初動の確認で使うソールには形状の違いがあるため、あくまで参考程度にお願いします
滑りやすさ | GRAPHT(ガラス) > EsportsTiger Arc1(PTFE) > Pulsar(ガラス) > TALONGAMES(ガラス) > QSPEC(ガラス) |
---|---|
初動 | GRAPHT(ガラス) > Pulsar(ガラス) > TALONGAMES(ガラス) > QSPEC(ガラス) > EsportsTiger Arc1(PTFE) |
「EM-B/C」共に傾向としては上記のようになりました。サイズが違うのであまりあてになりませんが、何かの参考になれば。
センサー挙動

センサー挙動はリフトオフディスタンス(LoD)とカーソル飛びを確認しました。
LoD | カーソル飛び | |
---|---|---|
Logicool G PRO X SUPERLIGHT2 / DEX | 0.6~0.7 | 〇 |
LoD、カーソル飛び共に問題なさそうです。
まとめ
全体的な品質を見るに、マウスパッドの中では間違いなくハイエンドに分類されるマウスパッドだと思います。PORON素材で柔らかい中間層、張り付く様なグリップ面、マウスパッド面よりも低いステッチといったように、Artisan要素がしっかり盛り込まれています。
いわゆるArtisanクローン系マウスパッドに分類されるかと思いますが、表面の特性的にはArtisanには無い物だったと思います。
「EM-B」はハイブリッド系ですがハイブリッド系の中ではかなりコントロール寄りの操作感で、「Artisan 飛燕/疾風」が滑り過ぎると感じる人でも扱いやすいものになっています。
「EM-C」はソフトタイプですがソフトタイプの中ではかなりスピード寄りの操作感で、「Artisan 零」よりも明確に滑りやすいものになっています。
PORON素材が使用されたマウスパッドの中では標準的な価格設定かと思いますが、マウスパッドとしてはそこそこイイ価格がするので妥協したくない人向けかと思います。
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