当記事ではCORSAIR(コルセア)のゲーミングキーボード「 K70 PRO TKL JP」をレビューしていきます。
提供:Corsair
特徴

- アクチュエーションポイント(AP)、ラピットトリガー(RP)、FlashTap(SOCD)などのFPS向け主要機能搭載
- 8000Hzポーリングレートに対応
- ワンボタンでゲーム用最適化するゲームモード:Win Lock有効+照明スタティック+カスタムハイパーポーリングレート
- オーディオとメディアをコントロールできるマルチ機能回転式ダイヤル搭載
- 高級感の見た目とノイズが少ない柔らかなタイピング音
- マグネット式クッション付きパームレスト
性能(スペック)
接続方式 | 有線 | |
---|---|---|
キースイッチ | スイッチ | CORSAIR MGX V2 |
アクチュエーションポイントの範囲|感度 | 0.1 ~ 4.0mm | 0.1mm | |
ラピッドトリガーの範囲|感度 | 0.1 ~ 1.0mm | 0.1mm | |
キーストローク | – | |
押下圧 | – | |
耐久性 | 1億5千万回 | |
キーキャップ | ABS | |
サイズ | フォームファクター | TKL(80%) |
配列 | 日本語配列(JIS) | |
ケーブル | タイプ | ラバー製着脱式USB-C |
長さ | 1.8m | |
レポートレート(Hz) | 8000Hz | |
バッテリー | バッテリー寿命 | – |
ソフトウェア | iCUE |
パッケージ内容
梱包状態
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内容物
キーボード本体、着脱式USB-Cケーブル、マグネット式クッションパームレスト、取扱説明書等。
仕様
デザイン
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デザインはパッと見で高級感の伝わる質感をしています。
キーキャップはマットで滑らかな質感で、トッププレートは水平方向にやすり掛けされたような加工がされたアルミプレートで、全体的にスタイリッシュなデザインをしています。
キーキャップ
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キーキャップはPBTではなくABS素材のキーキャップになっています。サラサラとしたマットな質感で触り心地での良いキーキャップです。PBTと比べて耐久性が低く手汗などで滑りやすい欠点がありますが、個人的には滑るほど手汗をかくことは無く手が乾燥しているときはむしろABSのほうが滑りにくく指に馴染みやすいので好きです。触り心地もザラザラとしたPBTよりも優しいので、触り心地や高級感、手が乾燥しているときの操作感を良くするならABSもアリだと思います。
印字は上面にあり、かな印字は無いタイプ。印字部分はバックライトが透過する仕様なのでライティングが映え、暗い場所でも視認しやすいです。
キーキャップの形状はスペースキー以外は凹状、スペースキーは凸状になっています。サイズは横幅が約12mm、縦幅が約14mm。
配列(キー配置)

キーボードサイズは日本語配列のテンキーレス(TKL)サイズとなります。
※キー数は物により違いあり
- フルサイズ:アルファベットキー、ファンクションキー、DELETEキー群、テンキー、矢印キーなどキーボードにある基本的なキーは全て搭載されている
- テンキーレス(TKL、80%):フルサイズからテンキーを省略したサイズ
- 75%:フルサイズからテンキーを省略し、DELETEキー群や矢印キーを内側に寄せられて配置されているサイズ
- 65%:フルサイズからファンクションキーとテンキーを省略し、DELETEキー群や矢印キーを内側に寄せられて配置されているサイズ
- 60%:フルサイズからファンクションキー、DELETEキー群、テンキー、矢印キーを省略したサイズ
基本的には一般的なTKLのキー数と配列になりますが、ゲームモードキーやダイヤルがある関係で「PrintScreen、ScrollLock、PauseBreak」は省略されています。
スペースキーの位置は「C、V、B、N、M」が重なる位置で、幅はキー4個分ほどの長さになっています。
サイズ

実測のサイズは以下になります。
横幅 | 365mm |
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奥行 | 133mm |
サイズ感的には一般的なTKLのサイズ感と言った印象。
角度調節
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角度調節のスタンドは2段階で調節できます。角度による実測の高さは以下。
奥側 | 手前側 | |
---|---|---|
角度0 | 39~40mm | 31~33mm |
角度1 | 47~49mm | 32~33mm |
一般的なTKLサイズの高さと角度で、基本どんな人にも使いやすい程度かと思います。
グリップ性

グリップ性はスタンドを倒した状態、立てた状態のどちらでもしっかりあり、ちょっと押されただけで動いてしまうということは無さそうです。
ケーブル

ケーブルはラバータイプの着脱可能なUSB Type-Cケーブルとなっています。長さも1.8mほどと十分な長さ。
ケーブルの接続口はキーボード本体の左側。
専用キー

右上にはゲームモードボタン、メディアボタン、マルチ機能回転式ダイヤルが備わっています。
ゲームモードボタンを押すとゲームモードとなり、Win Lock有効+照明スタティック+カスタムハイパーポーリングレートになります。
マグネット式クッションパームレスト
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パームレストはマグネットで本体に装着できる合皮製クッションのパームレスト。
クッション製は強く結構フカフカしており、手首はしっかり保護されます。
底面には滑り防止のグリップが付いています。
ソフトウェア(iCUE)、設定
照明効果

ライティングのエフェクト、明るさ、色、速さなどの設定を行うことが出来ます。
設定はキー1つ1つに設定できます。
【プリセット】
- ウォーターエフェクト
- 水彩スペクトル
- カラーパルス
- カラーシフト
- カラーウェーブ
- CORSAIRオーディオビジュアライザー※
- レイン
- レインボー
- スパイラルレインボー
- 照明タイプ(リップル/キー)
- バイザー
【カスタム】
- グラディエント
- リップル
- ソリッド
- スタティックカラー
- 波
【照明リンク】
- 水彩スペクトル
- カラーパルス
- カラーシフト
- カラーウェーブ
- レイン
- レインボー
- レインボーウェーブ
- スパイラルレインボー
- スタティックカラー
- 温度
- 照明タイプ(リップル/キー)
- バイザー
キー割り当て

キー割り当てを設定する項目。
キー動作
アクチュエーションポイント

アクチュエーションポイント(AP)とはキーの押下時にスイッチの入力が”OFF→ON”、”ON→OFF”に切り替わる距離のことです。
【キーストローク:0.0~4.0mm、AP:0.1mmの場合】
押し始めてからAP(0.1mm)までの距離が短いのでスイッチがONに切り替わる速度が速くなりますが、底打ちからAPまで戻すまでの距離が長いためOFFになるまでが遅くなります。
押し始めは反応速度が速いが、戻しの反応速度は遅いということになります。
【キーストローク:0.0~4.0mm、AP:3.9mmの場合】
押し始めてからAP(3.9mm)までの距離が長いのでスイッチがONに切り替わる速度が遅くなりますが、底打ちからAPまで戻すまでの距離が短いためOFFになるまでが速くなります。
押し始めは反応速度が遅いが、戻しの反応速度は速いということになります。
【キーストローク:0.0~4.0mm、AP(Press):0.1mm、AP(Up):3.9mmの場合】
APをPress(押した時)とUp(戻した時)のそれぞれを設定できるキーボードもあります。
Press(0.1mm)+Up(3.9mm)にするとことで、押し始めも戻しも反応速度を速くすることが出来ます。
しかしここまで感度を上げてしまうと、キーを少し押し込んだり指をキーに置いただけでもONになってしまったり、少しキーを戻した時や少しキーがグラついただけでOFFになってしまったりすることがあります。
またPress~Upまでの距離が長いためしっかり押し込んでしっかり戻す必要があり、1打目から2打目を押すまでの時間が延びることになります。
APは反応速度を上げられる反面、いくつかデメリットもあるということです。
APは0.1~4.0mmの長さを0.1mm単位で設定できます。キーごとに設定出来ます。
ラピットトリガー

ラピッドトリガーもAPのようにキーのON/OFFの地点を変更する機能ですが、APのようにキーの反応地点が固定されている物ではなく、リアルタイムに押されている地点を基点にON/OFFする機能。
【キーストローク:0.0~4.0mm、AP:1.0mm、RT:0.1mmの場合】
ーーー 0.0mm
↓↓↓ OFF
ーーー 1.0mm Pressの時はON、Upの時はOFF
↓↓↓
||| 1.0~4.0mm間でPress又はUpを0.1mmするとON/OFFが切り替わる
↑↑↑
ーーー 4.0mm
0.0~1.0mmはRT OFFの時と同じですが1.0~4.0mmはPress又はUpを0.1mmするとON/OFFが切り替わるようになります。これによってAPまでキーを戻さなくてもOFFに切り替わるので、戻しきるまでの余韻を無くすことが出来ます。
スイッチがON/OFFに切り替わるまでの遅延を少なくすることが出来るので、よりキレのあるキビキビとしたキャラクターコントロールができるようになります。
RTは0.1~1.0mmの長さを0.1mm単位で設定できます。キーごとに設定出来ます。
【個別押し/リリース感度】
アップストローク/ダウンストロークを個別に設定できる。
感度:0.1~1.0mm。
【連続ラピッドトリガー】
通常RTがOFFになるのはAPより上げた時ですが、連続ラピットトリガーをONにするとキーを完全に離したときにOFFになります。
二次動作ポイント/リセットポイント

二次動作ポイント/リセットポイントを設定するとRTはOFFになります。
【二次動作ポイント(デュアルアクション)】
押し込み量に応じて2種類の機能を持たせる。
【リセットポイント】
キーがOFFになるポイント。
コントロールダイヤル

ダイヤルの機能設定を行う項目。デフォルトでは音量調整/ミュートが割り当てられています。
パフォーマンス

ゲーミングモード有効時の設定。
フラッシュタップ

いわゆるSOCD機能。
通常FPSゲームなどで、AキーとDキーといったように相反するキーを同時に押した場合はニュートラル判定になります。コレの何が問題かと言うと、Aキーを離し切る前にDキーが押された場合、一瞬ニュートラルのタイミングが出てきます。これによって一瞬ですがキャラクター操作にラグが発生する場合がありました。
しかしこの機能を有効にすることで、後に押されたキーが有効になるようになります。(製品によっては先に押されたキーを有効/後に押されたキーを有効、もしくはどちらも無効にするなどの優先度を設定が出来るものもあります。)Aキーを離し切る前にDキーを押してもすぐに入力が切り替わるので、ラグが無くなります。これによって逆キーストッピングやキャラクター操作がよりキビキビとしたものになります。
ただこの機能はゲームタイトルによっては使用を禁止しているものもあるようなので、規約面は確認しておいた方がいいかもしれません。
【優先度】
- Last Priority:後に押されたキーを有効
- First Priority:先に押されたキーを有効
- Neutral:両方を無効
ゲーミングモード

ゲーミングモードの有効/無効とゲーミングモードの設定。
打鍵感、打鍵音
⇓打鍵音⇓
打鍵感
打鍵感は滑らかで優しい打鍵感で、コトコトに近い感覚をしています。リズムよく打鍵するとぷちぷちといったような感覚にも近くなり、これはこれで心地よいです。
押下圧は程よくあり体感45gほどありそうといったくらいです。押し込むほど重くなっていく感覚が感じやすいタイプ。
ストロークは4.0mmで標準的で、深すぎず浅すぎずで違和感はありません。
スペースキーは長めですがどこを押しても真っすぐ押されるので、端を押してもしっかり反応してくれます。
キーのぐらつきも少しありますが気になるほどではなく安定感しています。
打鍵音
底打ち音は少し鳴りますが気になるほどではなく、打ち始めから打ち終わりまで静音だと思います。内部で響くような音も無く、強くたたいても金属音が鳴ることはありません。
ライティング
⇓ライティング⇓
ライティングはとても綺麗です。
色合いは優しい色合いをしたプリセットが多く、かつトッププレートに反射した光が放射的に反射するのでぼんやりと広がるライティングで、おしゃれで優しい光り方をするといった印象です。
フレームの下までビカっと光る感じではなく、あくまでキーボード上面を照らす感じなので鬱陶しさは全く無く、ちょうど良い光り方をしています。
スタイリッシュなデザインと相まって、より上品さを醸し出しているように感じます。
同時入力テスト

ゲームをする際、2~3つのキーを同時に入力することも多々あると思います。そこで同時入力をいくつまで受け付けるのかテストしました。
同時入力テストのテストに「キーテスト」を使わせていただきました。
検証結果
可能な限り全てのキーを同時押ししてみたところ、同時押し数の制限はなく基本どのキーを組み合わせて押しても全てのボタンが反応していました。
普通に使う分にはまず困ることは無いかと思います。
クリック反応速度
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クリック反応速度を計っていきます。測定には「反応速度測定-改」というゲームを使わせていただいています。※反応速度を測るゲームで簡単に測っているだけで、純粋なキーボードの応答速度を計っているわけではないので参考程度にお考え下さい。
測定結果
0.1mm – ゲーミングモード | Razer Huntsman V3 Pro – 0.1mm | |
---|---|---|
最速 | 0.182 | 0.133 |
最遅 | 0.198 | 0.165 |
平均 | 0.18720 | 0.15940 |
一番短いAP0.1mm設定で確認しました。
APは結構深めで、0.1mm設定にしても結構押し込まないと反応しない印象でした。体感としては0.1mm設定で1.0mmくらいと言った感覚です。体感としても感じられるくらいなので、押し始めの反応速度は遅れやすい印象です。
押下圧ががやや重めということもあり、反応速度と言う点のみを見れば若干不利になり得やすいかもしれません。反応速度が遅いというよりAPが深いというだけですが。
また、ここではスペースキーの反応速度を見ましたが、キーに寄っても深さは違うので、全てのキーが同じようにAPが深いとは限らない点はご留意ください。
ゲームでの使用感
ゲームは「Apex Legends」と「Valorant」で確認してみました。
高さ・角度
角度・高さはスタンドを立てないで低め、立てて普通に感じられるといった感じです。個人的には立てた状態でちょうど扱いやすいと感じる程度で、もう少し高くてもいいくらいに感じられます。角度が緩やかな分、親指側、特にスペースキーが高く感じられました。
なので角度が強めに設定する人にとっては若干物足りなさを感じる可能性はあります。
押下圧
押下圧は十分軽い部類ですが、他のRTキーボードと比べると若干重く感じられます。FPS的には軽めのほうが素早く押し込むことが出来、操作性が高いのでこの点はデメリットに当たるかもしれません。とはいえ好みに寄るところではあるので、必ず当てはまるわけではありません。
基本的な操作は問題なく出来、1本の指で2つのキーを同時に押すような操作も抵抗は少なく、問題なく操作出来ていました。
キーキャップ
キーキャップはABS製で、指が乾燥した状態のときにある程度グリップされる質感をしています。私の場合基本乾燥している状態が多いので、指がキーにしっかりグリップして操作に安定感が合った印象です。やはりPBT製よりもABS製のほうが操作感は優れているように感じます。
指先に汗を掻きやすい人は、濡れてしまうとPBTよりも滑りやすくなる可能性はあるので、相性問題はあるかもしれません。
性能面
※テスト環境:AP0.1 / RT0.1 / フラッシュタップ
普段使っている「Apex Pro」と比べてみたところ、上記の「クリック反応速度」でも記述した通り、APがやや長めなのでキャラクターの動き始めは若干遅く感じられます。しかしレレレなどの切り返す動きは「 K70 PRO」のほうがキビキビとした動きが出来ていました。これはAPは長いがRTは短いから起きる現象かと思います。APが長い分一番初めの操作は遅れるが、以降のキー操作が重なるキー操作はRTが短い分素早く反応してくれるといった感じだと思います。
結果的にどちらのほうが優れていると感じるかと言うと、状況には寄りますが「 K70 PRO」のほうが操作にキレがあったと感じました。基本的には止まっている状態から動き出すことよりも、動いている時間のほうが多いため、RTの効果のほうが恩恵を受けやすいのだと思います。
「Apex Legends」ではレレレの切り返しが速くエアストレイフのキレが良い、「Valorant」ではストッピングが速いといった感じです。
もちろん「Apex Pro」もラピトリキーボードとしては十分使えるレベルで、大きな差があるわけではなく、強いて言えば「 K70 PRO」程度のものです。
操作感の総評
RTキーボードの中では、APが長い分反応速度が遅いですが、RTは短いので総合的に操作のキレはある方だと感じました。
物理的な操作感としては、キーキャップが指に馴染みやすい質感をしているため手が乾燥していても位置がズレにくく安定した操作がしやすいと感じました。押下圧は少し重めなので、他のキーボードと比べて重く感じることはあるかもしれません。
まとめ
操作面のみならず、デザインはスタイリッシュで高級感があり、打鍵感も拘りを感じるもので、あらゆる面で優れているキーボードでした。
性能はこれからガチでFPSゲームに取り組みたいという人にも申し分ないレベルの性能で、物理的操作感に関しても押下圧が若干重めですがキーキャップが指に馴染みやすい質感で安定した操作が出来、FPSゲームでも使いやすいものになっています。
ゲーム利用だけでなく、見た目や打鍵感にも拘りたいという人にも満足度の高いクオリティーなので、分かりやすく良いキーボードが欲しい人にはおすすめです。
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