当記事ではRazer(レーザー・レイザー)のゲーミングマウス「DeathAdder V3 Pro」をレビューしていきます。
特徴

- DeathAdderシリーズの伝統的な形状を引き継ぎながら改良されたDeathAdder V3シリーズの最上位モデル
- 別売りのHyperPolling Wireless Dongleに接続することで8000Hzポーリングレートに対応可能※当初では1000Hz
- 表面の質感はザラザラとしたクラシックベースとサラサラとしたスムースタッチの選択可能
- Razer Focus Pro 30Kオプティカルセンサー
- 第3世代Razerオプティカルスイッチ
性能(スペック)
接続方法 | 有線 / 無線(2.4GHz) | |
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本体 | ボタン類 | 左右クリックボタン、左サイド×2、 ホイールボタン、DPIボタン |
長さ | 128mm | |
幅 | 68mm | |
高さ | 4mm | |
重量 | 63g | |
ケーブル | タイプ | 着脱式編込みUSB Type-A to C |
ケーブル長 | 1.8m | |
センサー | センサー名 | Razer Focus Pro 30Kオプティカルセンサー |
DPI | 50 ~ 30,000 | |
ポーリングレート | 8,000 | |
最大認識速度(IPS) | 750 | |
最大加速度(G) | 70 | |
スイッチ類 | 左右クリック | 第3世代Razerオプティカルスイッチ(9000万回耐久) |
ミドルマウスボタン | – | |
サイドボタン | – | |
ホイールエンコーダー | – | |
バッテリー | 寿命 | 90時間(1000Hz) 17時間(8000Hz) |
充電時間 | – | |
ソフトウェア | Razer Synapse |
パッケージ内容
梱包状態
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内容物
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マウス本体、USB Type-C 充電ケーブル、ワイヤレスレシーバー、ワイヤレスアダプター、グリップテープ、取扱説明書。
仕様
形状
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形状は以前レビューした「Razer DeathAdder V3 HyperSpeed」をそのまま大きくしたような形状。V2までの形状とは違い、左サイドの溝の深さが浅くなり、両サイド先端の広がりが抑えられ、上面後部の高さが高くなり、右サイドの薬指が接地する部分が下に行くほど広がる形状だったのが抑えられて指の収まりが良くなりました。
V2から極端な変化ではないためV2からの乗り換えも受け入れやすく、V2よりも確実にグリップ感と操作感ともに優れた形状になっています。

ProとHyperSpeedとではサイズがかなり異なり、Proは大~中、HyperSpeedは中~小ほどのサイズ感になっています。このサイズ感の違いは選択肢の大きな分かれ目になる要素の1つだと思います。

表面加工(質感)
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「DeathAdder V3 Pro」の表面の質感は2種類あり、ザラザラとしたクラシックベースとサラサラとしたマットな質感のスムースタッチの2種類があります。スムースタッチは評判の良かったために後から追加されたタイプのもので、グリップ性と触り心地がクラシックベースよりも優れています。クラシックベースを選ぶメリットは一切ないので「DeathAdder V3 Pro」を購入する際はスムースタッチのものかしっかり確認してから購入するよう注意したい方が良いです。
ソール
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ソールは小さいものが上面、下部は細長いものが貼られています。角は丸みがあり、高さが出やすいタイプになっています。
ソールの滑りやすさとしては、とても滑りやすくマウスパッドに強く押し付ける様に操作しても摩擦変化は少なく、マウス操作によってマウスの押し付け具合に差が出やすい人でも比較的一貫した操作感を維持しやすいと思います。
重量(軽さ)、重量バランス
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実測重量は以下のようになっています。
V3 Pro | 64.1g |
---|---|
V3 HyperSpeed | 53.4g |
V2 Pro | 87.9g |
実測重量は64.1gとこのサイズ感のワイヤレスマウスとしては十分軽量と言えるレベルです。前モデルのV2と比べると20g以上軽くなっています。HyperSpeedはサイズが小さいためその分軽めです。
重量バランスとしては一番窪んでいる位置を持って前後のバランスが取れるといった感じです。基本的にはどのような持ち方をしても重量バランスの偏りは感じられません。
ケーブル

ケーブルは太めの柔らかいケーブルでかなりサラサラとした糸が使われています。有線としても問題なく使えると思います。
ワイヤレスレシーバー、アダプター

ワイヤレス接続用のレシーバーと延長用のアダプターが付属。
付属しているレシーバーだと1000Hzポーリングレートが最大となります。Proなので8Kドングルが付属しているもんだと思っていましたがそうでもないようですね。
このマウスを使うなら8Kにしないとかなり勿体ないので、8Kドングルをセットで購入すると思っていた方が良いと思います。
ボタン類
左右クリックボタン

メインボタンには「第3世代Razerオプティカルスイッチ」が搭載されています。
「V2 Pro」と比べるとグニグニ感が少なくなり、サクッと押し込めるクリック感になっています。押下圧としても軽めで深さも標準的なので、FPSゲームに適したクリック感だと思います。
形状は前方は凹状、手前側にいくほど凸状になっていく形状をしています。溝がしっかりあるので指の位置はスッと決まりやすいタイプです。
サイドボタン

サイドボタンはいつもと変わらず平たく大きめの形状で、位置的には窪みの位置のやや後方側にあり十分な高さがあります。
押下圧も軽くサクッと押し込めます。
スクロールホイール

スクロールホイールは軽めで、ホイールボタンは標準的~軽めといった感じ。
その他のボタン

底面には右側にDPI/電源ボタンが備わっています。
ソフトウェア(Razer Synapse)
カスタマイズ

各ボタンは割り当て変更が可能です。また左クリックは必ずどこかのボタンに割り当てられている必要があります。
パフォーマンス

感度
マウス感度(DPI)を調整する項目。100~30000DPIの範囲を50刻みで設定することができます。デフォルトでは400/800/1600/3200/6400です。
またDPIは水平、垂直方向を別々に設定することもできます。
感度ステージは5段階まで設定でき、DPI切替ボタンで切り替えることができます。

ポーリングレート
1秒間にマウスの操作情報を送信する回数のことで、カーソルの滑らかさや画面のブレに影響します。
付属しているレシーバーでは1000Hzポーリングレートまで対応。8000Hzにするには別売りの「HyperPolling Wireless Dongle」が必要です。
数値が高いほうがカーソルと画面が滑らかに動くので、基本的には高い数値に設定しておいた方がFPSゲーム的には有利に働きます。しかしゲームによって対応している最大ポーリングレートが異なり、その最大ポーリングレートを超えるポーリングレートに設定するとカーソルが飛んだりセンサー挙動が不安定になる原因になるため注意が必要です。

較正

較正ではマウスパッドやLoD関連の設定が出来ます。
スマートトラッキング
表面に合わせて自動的にLoDを調整してくれる機能。
トラッキングディスタンスは低い/ミディアム/高の3つから選択できます。
実測LoDやおすすめの設定は下のほうで解説します。
パワー

ワイヤレスパワーセーブ
スリープモードにするまでのアイドル時間(分)。1~15分。
低電力モード
ワイヤレス時に低電力モードに切り替えるバッテリーレベル(%)。0~100%。
リフトオフディスタンス(LoD)

- 検証用マウスパッド:SteelSeries QcK+
LoDは短すぎたり長すぎたりすると操作感に違和感が出てくることがあります。個人的な体感としては0.3~1.6mmの範囲であれば違和感無く操作できる印象です。
測定結果
Low | 0.2mm |
---|---|
Midium | 0.4mm |
High | 1.2mm |
Lowは短すぎ。MidiumとHighはどちらも問題ない長さですが、どちらかといえばLoDは短いほうが使いやすいのでMidiumがおすすめです。
カーソル飛び

何種類かのマウスパッドでカーソル飛びを確認します。
確認結果
ARTISAN FX 零 | 〇 |
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ARTISAN FX 飛燕 | 〇 |
ARTISAN FX 雷電 | 〇 |
ARTISAN FX 紫電改 | 〇 |
SkyPAD Glass 3.0 XL | 〇 |
マウスを激しく振ってもどのタイプのマウスパッドもカーソル飛びはありませんでした。
クリック反応速度
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次はクリック反応速度を計っていきます※純粋なマウスの応答速度を計っているわけではないので参考程度にお考え下さい。
測定には「反応速度測定-改」というゲームを使わせていただいています。
測定結果
最速 | 0.139 |
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最遅 | 0.158 |
平均 | 0.14817 |
とても速く反応することが出来ていました。反応速度はもちろん、純粋にクリックボタンが軽めで素早く押し込めていた印象です。FPS的な観点から見てもクリックボタンは軽めのほうが相性は良いです。
ゲームでの使用感
マウスの持ち方との相性
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持ち方としてはかぶせ持ち、つかみ持ち、つまみ持ちで確認してみました。
※私の手のサイズは中指の先端から手首までで約18cmと標準的サイズです。手のサイズによっても使用感に違いが出るので、その点はご了承いただければと思います。
このマウスに限らずDAシリーズと相性が良い持ち方はかぶせ持ちとつかみ持ちです。かぶせ持ちでは指から手のひらまでバランスよくフィットし、違和感のないグリップが出来ます。深く持っても浅く持っても違和感は無く、ポジションは選びやすい印象です。つかみ持ちも違和感は少なく、どのような持ち方にも対応しやすいです。指を立てても伸ばしても扱えますが、小指側の窪みが前方寄りなので基本は伸ばし気味になりやすい印象です。
V2以前と比べて指のフィット感と持ち上げやすさが向上し、手のひら後部のフィット感が増したことで、かなり操作がしやすくなっています。以前までは持ち上げるたびに指の位置がズレたり落としそうになっていましたが、V3からはそれが無く安定したグリップが出来るようになっています。指での操作の可動域も広くなっており操作の自由度も増しており、非対称形状でも微調整が利くようになっています。
表面の質感
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今回はクラシックベースでしたが、これがスムースタッチならより優れたグリップ感だったのは間違いないと感じました。
クラシックベースだと若干滑る感覚があり、やはりしっかり握りこむ意識は多少必要になります。スムースタッチなら握りこむ意識をせずともグリップするだけで安定するので、AIM集中できるだろうなと思いました。
8000Hzポーリングレート
Proなのでさすがに8Kに対応していると思っていたのですが、まさかの8Kドングルは別売りだったので残念ですが確認は出来ていません。8KじゃないのならPro要素はどこ?と思えてしまいますが・・。さすがに8K無しで使うのはもったいないので、別売りのHyperPolling Wireless Dongleはセット買うことは想定したほうが良いと思います。
8Kはどのマウスでもしっかり違いを感じることが出来、明確に視点が滑らかになるので恐らくこのマウスも明確に恩恵を得られると思います。
まとめ
「V2 Pro」と比べると格段に使いやすくなっています。形状はもちろん重量もかなり軽くなっており、別売りの8Kドングルを用意すれば性能面的にもかなりのアドバンテージになります。DAユーザーが乗り換えればパフォーマンスは間違いなく向上することでしょう。
問題となるのは「V3 Pro」か「V3 HyperSpeed」かという点ですが、これはもう好きなサイズ感を選べば問題ないです。性能面はどちらも8Kに対応しているので、ぶっちゃけ性能の違いは一切ないと言っても過言ではありません。表面もどちらもスムースタッチなのでグリップ性は優れています。「V3 Pro」、「V3 HyperSpeed」とありますが、実際には「V3 Pro」と「V3 Pro Mini」みたいなもんです。どちらを選べば良いか分からない場合には「V3 HyperSpeed」を選ぶのが無難です。万人受け入れやすい中~小サイズで、重量もProよりも軽量なので扱いやすいだろうと思います。
※「V3 Pro」の表面加工にはクラシックベースとスムースタッチの2種類があるため、スムースタッチであることは忘れずに確認しておいたほうが良いです。
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