当記事ではSCYROX(サイロックス)のゲーミングマウス「V6/V8」をレビューしていきます。
特徴

- コスパに優れる8000Hzポーリングレート対応ワイヤレスマウス
- Pixart 3950 – 30000dpi、750IPS、50G
- V6:全ての持ち方に対応しやすい形状|V8:つかみ持ちに特化した形状
- 超軽量デザイン – V6:40g|V8:36g±3g
性能(スペック)
V6 | V8 | ||
---|---|---|---|
接続方法 | 有線 / 無線(2.4GHz) | ||
本体 | ボタン類 | 左右クリックボタン、左サイド×2、 ホイールボタン、DPIボタン、電源スイッチ |
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長さ | 119mm | 118mm | |
幅 | 前部:61mm 中部:55mm 後部:61mm |
前部:57mm 中部:55mm 後部:63mm |
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高さ | 40mm | 38mm | |
重量 | 40g | 36g±3g | |
ケーブル | タイプ | 着脱式編込みUSB Type-A to C | |
ケーブル長 | 1.8m | ||
センサー | センサー名 | Pixart 3950 | |
DPI | 30,000 | ||
ポーリングレート | 8,000 | ||
最大認識速度(IPS) | 750 | ||
最大加速度(G) | 50 | ||
スイッチ類 | 左右クリック | Omron Optical | |
ミドルマウスボタン | – | ||
サイドボタン | – | ||
ホイールエンコーダー | – | ||
バッテリー | 寿命 | – | |
充電時間 | – | ||
ソフトウェア | ScyRox(softwere) S – Center(Web driver) |
パッケージ内容
梱包状態
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内容物
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マウス本体、USB Type-C 充電ケーブル、ワイヤレスレシーバー、マウスソール(大、小)、取扱説明書。
仕様
形状
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どちらも左右対称形状ですが、V6は上面の山が中央に近く全ての持ち方の対応しやすい形状、V8は前方が低く後方が高いつかみ持ち向けの形状になっています。
V6はサイドの膨らみや溝、上面の山の位置など全体的にバランスが取れており、Razer Viper V2以前系に近い形状になっています。
V8は先細りで両サイドと上面の山の両方の後方が膨らむ形状をしており、Endgame gear OPやPulsar X2などに近い形状をしています。
どちらもトレンドを意識した形状になっており、それらを少し小型化したような形状です。Viper miniほど小さくは無いですが、それに近しいサイズ感です。なので小さめのマウスを求める人にはピッタリのマウスになっています。
表面加工(質感)
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表面は「Gpro X SL」に似たよく見るサラサラとした質感の表面です。
グリップ性は強くありませんが、形状上特に問題にはなりません。
ソール
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V6は当初からソールが張られていますが、V8は張られておらず同梱された状態になっています。
V6には上面に小さいソールが2枚、下部に大きいソールが1枚張られており、大きいタイプのソールが同梱されています。V8はその両方のソールが同梱されており、自分でどちらか選択して使う感じです。
ソールは薄めで盛り上がりが少なく、角が立っていますが表面が角よりも高くなっているので角がマウスパッドに触れる心配はありません。
ソールの滑りやすさとしては、とても滑りやすくマウスパッドに強く押し付ける様に操作しても摩擦変化は少なく、マウス操作によってマウスの押し付け具合に差が出やすい人でも比較的一貫した操作感を維持しやすいと思います。基本的には小さいソールのほうが滑りやすい印象です。
重量(軽さ)、重量バランス
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実測重量は以下のようになっています。
V6 | 44.2g |
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V8 | 40.7g |
実測重量はV6が44.2g、V8が40.7gと最近のワイヤレスマウスと比べてもかなり軽量です。超軽量の部類に入ると思います。個人的には軽ければ軽い程良いタイプなのでこれは嬉しい。
重量バランスとしては一番窪んでいる位置を持って前後のバランスが取れるといった感じです。基本的にはどのような持ち方をしても重量バランスの偏りは感じられず、軽量と言うこともあって偏りがかなり少ないです。
ケーブル

ケーブルは「着脱式編込みUSB Type-A to C」。
太くて硬いケーブルで有線としてはやや使いにくく、基本は充電用と言った印象。
ワイヤレスレシーバー

変わった形の丸いワイヤレスレシーバーが付属。8000Hzワイヤレス接続をするのに使います。
ボタン類
▼クリック音▼
左右クリックボタン
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メインボタンには「Omron Opticalスイッチ」が搭載されています。
押下圧は軽めで、深さは標準的~浅めで割とサクッと押し込めるクリック感。FPSゲームに適したクリック感だと思います。クリック時に金属音がやや目立ちます。
形状は奥側は凹状、手前側にいくほど平らになっていく形状をしています。溝がしっかりあるので指の位置はスッと決まりやすいタイプです。
サイドボタン
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サイドボタン細長いタイプで表面は丸められています。位置的には窪みの位置にあり、どちらも十分な高さがありますがV6は少し高めです。
押下圧は軽くサクッと押し込めます。
スクロールホイール
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スクロールホイールは軽めで、ホイールボタンは標準的~重めといった感じ。
その他のボタン
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底面にはDPIボタンと電源スイッチが備わっています。
ソフトウェア(ScyRox/S – Center)
ソフトウェアはダウンロードして使う「ScyRox」とWeb上で使う「S – Center」があります。ここでは「ScyRox」で行います。
カスタマイズ

割り当て
各ボタンの割り当て設定。
Debounce Time
デバウンスタイムはクリック時の金属接触により発生するチャタリングを防ぐための待ち時間のようです。このデバウンスタイムを短くすることで応答速度を速めることが出来ますが、その分チャタリングが起きやすくなります。
デバウンスタイムは0~20msから設定できます。
デバウンスタイムの設定によるクリック反応速度の差やゲームでの使用感は下のほうで確認します。
パフォーマンス

DPI
マウス感度(DPI)を調整する項目。100~30000DPIの範囲を50刻みで設定することができます。デフォルトでは400/800/1600/3200/6400です。
感度ステージは5段階まで設定でき、DPI切替ボタンで切り替えることができます。

Report Rate(ポーリングレート)
1秒間にマウスの操作情報を送信する回数のことで、応答速度だけでなくカーソルの滑らかさや画面のブレにも影響します。
有線では1000Hzポーリングレートまでですが、ワイヤレスでは8000Hzまで対応。
数値が高いほうがカーソルと画面が滑らかに動くので、基本的には高い数値に設定しておいた方がFPSゲーム的には有利に働きます。しかしゲームによって対応している最大ポーリングレートが異なり、その最大ポーリングレートを超えるポーリングレートに設定するとカーソルが飛んだりセンサー挙動が不安定になる原因になるため注意が必要です。

Sensor Setting
【Mode Select】
ポーリングレートが1000Hz以下の時に設定できる、電力パフォーマンスの設定。
- LP:低電力
- HP:ハイパフォーマンス
【LoD】
LoDとはマウスを持ち上げたときにセンサーが感知する距離のこと。
LoDは1mm/2mmの二つから選択できます。
実測のLoDは下のほうで確認します。
【ピークパフォーマンス】
スリープするまでの時間。スリープはON/OFFの切り替えが可能です。
【リップル制御】
リップル制御はカクつきやブレを抑える機能。
【アングルスナップ】
アングルスナップとは直線補正のことを言い、カーソル移動の際に上下左右の直線的な移動をするとき僅かなブレを補正してくれるという機能。
【Motion sync】
ポーリングレートとセンサー処理を同期させ、一貫したトラッキングを実現するという機能のようです。
DPI Light Effects
DPIインジケーター部分のライティング設定。
マクロ

マクロの作成、設定。
リフトオフディスタンス(LoD)

- 検証用マウスパッド:SteelSeries QcK+
LoDは短すぎたり長すぎたりすると操作感に違和感が出てくることがあります。個人的な体感としては0.3~1.6mmの範囲であれば違和感無く操作できる印象です。
測定結果
V6 | V8 | |
---|---|---|
0.7mm | 0.6mm | 0.4mm |
1mm | 0.7mm | 0.6mm |
2mm | 1.3mm | 1.2mm |
どのLoDでも問題ない長さですが、1mmが長すぎず短すぎず丁度良い長さなのでおすすめです。
カーソル飛び

何種類かのマウスパッドでカーソル飛びを確認します。
確認結果
V6 | V8 | |
---|---|---|
ARTISAN FX 零 | 〇 | 〇 |
ARTISAN FX 飛燕 | 〇 | 〇 |
ARTISAN FX 雷電 | 〇 | 〇 |
ARTISAN FX 紫電改 | 〇 | 〇 |
SkyPAD Glass 3.0 XL | 〇 | 〇 |
マウスを激しく振ってもどのタイプのマウスパッドもカーソル飛びはありませんでした。
クリック反応速度
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次はクリック反応速度を計っていきます※純粋なマウスの応答速度を計っているわけではないので参考程度にお考え下さい。
測定には「反応速度測定-改」というゲームを使わせていただいています。
測定結果
【V6】
V6 – 1000Hz – 0ms | V6 – 1000Hz – 20ms | V6 – 8000Hz – 0ms | |
---|---|---|---|
最速 | 0.147 | 0.185 | 0.149 |
最遅 | 0.157 | 0.192 | 0.157 |
平均 | 0.15260 | 0.18900 | 0.15260 |
【V8】
V8 – 1000Hz – 0ms | V8 – 1000Hz – 20ms | V8 – 8000Hz – 0ms | |
---|---|---|---|
最速 | 0.146 | 0.182 | 0.143 |
最遅 | 0.159 | 0.197 | 0.161 |
平均 | 0.1546 | 0.1904 | 0.1546 |
クリックタイムはデバウンスタイムの差とポーリングレートの差で確認してみました。
デバウンスタイムは0msと20msで確認してみましたが、明確に差が出るため反射速度が求められるゲームでは0msに設定しておくことをおすすめします。チャタリングが起こるようであれば、少しずつ時間を伸ばして調整してください。
ポーリングレートの1000Hzと8000Hzではタイムに差はほぼ無く、反応速度的にはどちらでも良いです。ただ視認性の部分では8000Hzのほうが良いので、FPSゲームでは出来るだけ高い設定にしておくことをおすすめします。
ゲームでの使用感
マウスの持ち方との相性
持ち方としてはかぶせ持ち、つかみ持ち、つまみ持ちで確認してみました。
※私の手のサイズは中指の先端から手首までで約18cmと標準的サイズです。手のサイズによっても使用感に違いが出るので、その点はご了承いただければと思います。
V6
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かぶせ持ち、つかみ持ち、つまみ持ちの全てに対応できます。
かぶせ持ちは操作感に違和感が出ない程度のフィット感で、左右非対称形状と比べるとフィット感や安定感という部分で劣ります。なのでかぶせ持ちで使うなら他の左右非対称マウスをおすすめしますが、V8よりは使いやすく問題なく使えます。
つかみ持ちとしてはかなり使いやすいです。V8と比べると頂点が中央寄りなので手のひら後部とのフィット感は弱く、先細りのV8と比べると指での操作性も劣ります。そのため指先を主体としたマウス操作はV8に劣りますが、手のひら主体のマウス操作ではV6が勝ります。AIMで言うと細かい操作はV8が勝りますが、一定方向のトラッキングなどはV6が勝るといった印象でした。今のトレンド的にはつかみ持ちで使うならV8がおすすめですが、個人的にはV6のほうが操作が安定しており扱いやすく感じられました。
つまみ持ちはとても相性が良いです。小ぶりで指での操作がしやすく、指が窮屈に感じる部分もほとんどありません。強いて上げればクリックボタンの高さが少し高めで若干の押し込みにくさを感じるというところくらいです。V8も操作感は良いのですが指の位置が前方に寄りがちで、V6と比べるとグリップ感と操作感ともに劣ります。つまみ持ちならV6がおすすめです。
V8
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V8はとにかくつかみ持ち特化の形状で、恐らく一番現在のトレンドにあった形状だと思います。
トレンドの形状を小さくした感じなので、小型が好きなつかみ持ちユーザーにはかなり相性が良いと思います。
8000Hzポーリングレート
やはり8000Hzは凄いです。マウス操作時の画面の滑らかさが1000Hzと圧倒的に違います。マウス操作時の画面の滑らかさが違うと敵の視認性に大きく影響を与え、マウスを大きく動かしたときでも常に敵を目で追いかけることが出来ます。
単純にモニターのリフレッシュレートを上げたのと同じ恩恵を得られるので、8000Hzはかなりのメリットになります。ゲーム側が8000Hzに対応しているのであれば、絶対に8000Hzにすることをおすすめします。
まとめ
いよいよマウスも8000Hz以外を選択する意味が無くなってきたと感じます。以前までは8000Hzマウスは高級なイメージがあったためそこまで重視していませんでしたが、コスパの良い8000Hzマウスも増えてきたので、今後は8000Hzマウスの中から選択する形が一般的になってくるんだと思います。
V6/V8ともに8000Hz対応でかつ、トレンドの形状で小型、超軽量にも関わらず手を出しやすい価格設定でかなりおすすめできるマウスです。違いとしては単純に形状のみなので、形状の違いから選択を考えれば良いです。かぶせ持ちとつまみ持ちはV6がおすすめ、つかみ持ちは先細りが好きとか指先を主体に操作しがちという人はV8、バランスの取れた形状が好きとか手のひら主体に操作しがちという人はV6がおすすめです。
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