当記事ではEndgame Gear(エンドゲームギア)のゲーミングマウス「XM2w 4K」と「XM2 8K」をレビューしていきます。
提供:アーキサイト


特徴

- サイド後部の大きな膨らみと上面後部の高いお尻で業界随一のグリップ力を誇る、つかみ持ちに特化したフォルムのXMシリーズ
- XM2w 4K:4000Hzポーリングレート対応ワイヤレスモデル、XM2 8K:8000Hzポーリングレート対応有線モデル
- 超低遅延のメカニカルスイッチ「Kailh GXスイッチ」を搭載しており、超低遅延の「GX スピードモード」、安定性を重視した「GX セーフモード」を選べる
- スケート用の溝を幅広く取り、使用するマウスパッドや好みの滑りに合わせて柔軟に選べるよう設計
- 手の湿り具合によらず高いグリップ力でマウス操作が可能なマットUVコーティング
- 通常のブラック・ホワイトに加え、半透明シェルを使用したダークフロスト・ホワイトフロストの4色展開
- XM2w 4K:製品パッケージの役割を含む専用キャリーケースにすることで、地球環境に配慮したEndgame Gearによる新提案コンセプト
性能(スペック)
モデル | XM2w 4K | XM2 8K | |
---|---|---|---|
価格 | 17,800円(税込) | 13,980円(税込) | |
接続方法 | 有線 / 無線(2.4GHz) | 有線 | |
本体 | ボタン類 | 左右クリックボタン、左サイド×2、 ホイールボタン、CPIボタン、電源スイッチ |
|
長さ | 122mm | ||
幅 | 66mm | ||
高さ | 38mm | ||
重量 | 約62g(ブラック、ホワイト) 約63g(ダークフロスト、ホワイトフロスト) |
約52g | |
ケーブル | タイプ | Flex Cord 4.0(着脱式編込みUSB Type-C) | Flex Cord 6.0 |
ケーブル長 | 1.8m | ||
センサー | センサー名 | Pixart PAW 3395 | |
DPI | 50 ~ 26,000 | ||
ポーリングレート | 4,000 | 8000 | |
最大認識速度(IPS) | 650 | ||
最大加速度(G) | 50 | ||
スイッチ類 | 左右クリック | Kailh GX スイッチ(8000万回耐久) | |
ミドルマウスボタン | Kailh GM 2.0スイッチ(2000万回耐久) | ||
サイドボタン | Kailh GM 2.0スイッチ(2000万回耐久) | ||
ホイールエンコーダー | TTC シルバー(ワイド) | ||
バッテリー | 寿命 | 30時間(4000Hz) | – |
充電時間 | – | – | |
ソフトウェア | Endgame Gear XM2w 4K Configuration Tool |
Endgame Gear XM2 8K Configuration Tool |
パッケージ内容
梱包状態
【XM2w 4K】
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外箱は使われておらず、製品パッケージの役割を含む専用キャリーケースに収納された状態でパッケージされています。
【XM2 8K】
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内容物
【XM2w 4K】
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マウス本体、Flex Cord 4.0 ケーブル、USBドングル、大スケート+センサー用スケート、キャリーケース、マニュアル。
【XM2 8K】

マウス本体、大スケート+センサー用スケート、マニュアル。
仕様
形状
【XM2w 4K】
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【XM2 8K】
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XM2w 4K / XM2 8Kともに形状はXMシリーズの形状をそのまま継承されており、変化は一切ありません。
両サイドは後部側が大きな膨らみがあり、そこから前方に行くほど一気に狭まっていく先細り形状。中央の窪みがかなり強調される形状で、マウスを手のひら後部側に引き付けやすい特徴を持っています。
上面は後部側に頂点がかなり寄っており、手のひら後部が強くフィットしやすい特徴を持っています。
この2つの特徴によりつかみ持ちでのグリップがかなり強固なものになり、ガッチリとしたホールドが可能になっています。つかみ持ちに特化した形状になっている分、他の持ち方に対応しにくいようになっているのも特徴です。
このマウス程つかみ持ちに特化した形状をしているものは中々無いので、唯一無二の強みと言えるかと思います。
表面加工(質感)
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表面の質感はサラサラとしたマットな質感の表面をしています。旧モデルからの違いは感じにくいですが、若干滑りにくくなっているように感じられます。
ソール
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ソールの溝は幅広く取られており、使用するマウスパッドや好みの滑りに合わせて柔軟に選べるよう設計されています。
当初では上部と下部に細長いソール1枚が張られています。付属には溝にフィットする大きめのソールが備わっています。ソールの滑りやすさとしては、とても滑りやすく沈み込みによる速度変化も感じにくい印象です。
大きいサイズの予備ソールも付属しています。
重量(軽さ)、重量バランス
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実測重量は以下のようになっています。
XM2we(旧モデル) | 62.3g |
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XM2w 4K | 61.5g |
XM2 8K | 53.4g |
ワイヤレスモデルの実測重量は前作から大きな変化はありませんが、若干軽くなっています。程よく軽量といった感じで、重すぎず軽すぎず扱いやすい重量かと思います。有線モデルの「XM2 8K」は結構軽めで、「XM2w 4K」と持ち比べても体感で感じるほど重量差を感じることが出来ます。
重量バランスとしては概ね窪みの位置で、やや前方寄り位置を持って前後のバランスが取れるといった感じです。基本的にはどの持ち方でも一番窪んでいる位置に指を置くと思うので重心バランスに違和感を感じることは無いかと思います。
ケーブル

「XM2w 4K」のケーブルは着脱式USB Type-Cの「Flex Cord 4.0 充電ケーブル」で、かなり柔らかく軽いケーブルになっています。有線としても十分使えるケーブルです。
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「XM2 8K」のケーブルは布タイプの「Flex Cord 6.0 ケーブル」で、より柔らかく軽いケーブルになっています。有線としての煩わしさはかなり少ない印象です。接続部は上向きになっておりマウスパッドにケーブルが触れにくい工夫がされています。
長さは1.8mほどと十分な長さ。
ワイヤレスレシーバー
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「XM2w 4K」のワイヤレスレシーバーは三角柱の形状で独特なデザインになっています。
ボタン類
左右クリックボタン
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XM2w 4K / XM2 8Kともにメインボタンには、Endgame GearとKailh社が共同開発した「Kailh GXメカニカルスイッチ」が搭載されています。
XM2we(旧モデル)の「Kailh GO光学式スイッチ」と比べると押下圧が軽くなりサクッと押し込める感じで、コチコチからカチカチになった感じです。クリック時のタクタイル感は減ったため心地よさ的には減ったかもしれませんが、ゲーム的には感覚は良いです。
形状は前方から手前側まで凸状。窪みが無いので指の配置を調整しやすいですが、決まりにくい傾向です。
サイドボタン
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サイドボタンは表面が丸い形状で、位置的には窪みの位置で十分高さがあります。
結構強いクリック感で、押し込むとカチッと音と感覚がフィードバックされます。
スクロールホイール
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スクロールホイールはやや重めで、しっかりとしたスクロール感があります。
ホイールボタンはやや重めで、かなりカチッと感があります。
その他のボタン
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底面には左側にCPIボタン、右側に電源スイッチが備わっています。
ソフトウェア(Endgame Gear XM2w 4K / XM2 8K Configuration Tool)
Basic Settings
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CPI(DPI)
マウス感度(DPI)を調整する項目。
CPIは50~26000の範囲から50刻みから設定できます。またX軸/Y軸のそれぞれで設定することも可能です。
CPI Levelsは1~4つから増減でき、CPIボタンを押すことでサイクルされます。
初期DPIは400/800/1600/3200です。

LoD(リフトオフディスタンス)
リフトオフディスタンス(LoD)とはマウスを持ち上げたときにセンサーが感知する距離のことです。
LoDは1mm/2mmの2つから選択できます。基本的には短いほうが安定します。
実測のLoDは下のほうで確認します。
Angle Snapping
アングルスナップとは直線補正のことを言い、カーソル移動の際に上下左右の直線的な移動をするとき僅かなブレを補正してくれるという機能。
Ripple Control
リップル制御はカクつきやブレを抑える機能。
Disable LED on Lift-Off
※XM2w 4Kのみ
マウスを持ち上げた時にLEDを無効にする機能。
Advanced Settings
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Motion Sync
ポーリングレートとセンサー処理を同期させ、一貫したトラッキングを実現するという機能のようです。
Polling Rate(ポーリングレート)
1秒間にマウスの操作情報を送信する回数のことで、カーソルの滑らかさや画面のブレに影響します。
ポーリングレートは以下から設定できます。
XM2w 4K | 1000/2000/4000 |
---|---|
XM2 8K | 1000/2000/4000/8000 |
数値が高いほうがカーソルと画面が滑らかに動くので、基本的には高い数値に設定しておいた方がFPSゲーム的には有利に働きます。ただし2000Hz以上はPCスペックやゲームの対応ポーリングレートなどによっても使用感が変わるため、状況に合わせて設定する必要はあります。

Slamclick Filter
マウスを置く時の衝撃で意図せずクリックされてしまうのを防ぐための機能。
Motion Jitter Filter
モーションジッター(マウスを静止させても、カーソルが微細に動き続ける現象)を防ぐ機能。
Multiclick Filter
スイッチのバウンスを排除する機能。デバウンスタイムとは違う。
SPDT(左右クリックボタン)
- OFF:クリックすると板バネが下がり、先端(青)が下の接点(緑)に接触します。接触が完了すると、クリックとして作動します。ほとんどのマウススイッチが機能する一般的な方法
- GX Speed Mode:先端(青)が下方に動くと、上部接点(赤)との接触が失われたことが記録される。この接触の喪失がクリックとして作動する。板バネとが下方接点(緑)に到達するのを待つ必要がないため、この方法が最も速い
- GX Safe Mode:上部接点(赤)が離れており、かつ下部接点(緑)の接触することでクリックされる。ノーマル/OFFの場合と同等レベルですが、チャタリングを防げる点でアドバンテージがある
Button Mapping
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各ボタンの機能割り当て。
Power Settings

※XM2w 4Kのみ
節電の設定。
リフトオフディスタンス(LoD)

- 検証用マウスパッド:SteelSeries QcK+
LoDは短すぎたり長すぎたりすると操作感に違和感が出てくることがあります。個人的な体感としては0.3~1.6mmの範囲であれば違和感無く操作できる印象です。
測定結果
XM2w 4K | XM2 8K | |
---|---|---|
1mm | 0.8mm | 0.8mm |
2mm | 1.2mm | 1.4mm |
1mmと2mmともに問題ない長さで、どちらでもFPSゲームで使えると思います。どちらかといえば短いほうが安定するので1mmをおすすめします。
カーソル飛び

何種類かのマウスパッドでカーソル飛びを確認します。
確認結果
XM2w 4K | XM2 8K | |
---|---|---|
ARTISAN FX 零 | 〇 | 〇 |
ARTISAN FX 飛燕 | 〇 | 〇 |
ARTISAN FX 雷電 | × | 〇 |
ARTISAN FX 紫電改 | 〇 | 〇 |
SkyPAD Glass 3.0 XL | 〇 | 〇 |
雷電のみたま~~に飛ぶことがありました。激しくマウスを振るとずっと回り続けてしまうことがありました。雷電だけたまに飛ぶセンサーがあるのはなんなんだろうか。
雷電以外はカーソル飛びはありませんでした。
クリック反応速度
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次はクリック反応速度を計っていきます※純粋なマウスの応答速度を計っているわけではないので参考程度にお考え下さい。
測定には「反応速度測定-改」というゲームを使わせていただいています。
測定結果
XM2w 4K | XM2 8K | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
SPDT:OFF | GX Speed Mode | GX Safe Mode | SPDT:OFF | GX Speed Mode | GX Safe Mode | |
最速 | 0.149 | 0.143 | 0.15 | 0.145 | 0.145 | 0.143 |
最遅 | 0.16 | 0.158 | 0.157 | 0.158 | 0.156 | 0.157 |
平均 | 0.15420 | 0.14980 | 0.15480 | 0.1516 | 0.1504 | 0.1492 |
「XM2w 4K」と「XM2 8K」にはSPDTスイッチによる処理の方式がいくつかあるため、それぞれ確認してみました。
OFFは通常、GX Speed Modeは一番速いモード、GX Safe Modeはセーフモードですが、体感では違いは感じられませんでした。なんとな~くGX Speed Modeは速くなっているようにも感じなくはない感じでしたが、大差ありません。なので願掛け程度に「GX Speed Mode」にしておいても良いかと思います。
ただ「XM2 8K」のほうはGX Speed Modeにするとチャタリングが多発していたのであまり使える感じではありませんでした。「XM2 8K」のものなのか個体差なのか分からないので、この辺は実物で試してみてチャタリングが起こらないのであればGX Speed Modeにしてみても良いかと思います。
どのモードでもかなり速いので、ぶっちゃけどれでも良いかと思います。
ゲームでの使用感
マウスの持ち方との相性
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持ち方としてはかぶせ持ち、つかみ持ち、つまみ持ちで確認してみました。
※私の手のサイズは中指の先端から手首までで約18cmと標準的サイズです。手のサイズによっても使用感に違いが出るので、その点はご了承いただければと思います。
形状はXMシリーズから変化はないので、やはり相性が良いのはつかみ持ちです。
指を伸ばしたつかみ持ち、指を立てたつかみ持ち、小指/薬指の付け根の腹部分に接地させるつかみ持ちのどれでも対応でき、どの持ち方をしても強制的に手のひらが接地させたい手のひら部分に接地します。力を入れなくても(指でマウスを手のひら側に引き付けなくても)グリップが安定するので余計な力が入りにくく、AIMに滑らかさが出ます。
先細りなので指先での操作も出来ますが、マウス上面後部が手のひらに当たりやすいので大きくは動かせない傾向にあります。なので指先で動かすことが多いユーザーよりも、手首より上の支点でAIMをする人に向いている形状だと感じます。
かぶせ持ちでも相性は悪くないですが、かぶせ持ちと言うよりは指を伸ばしたつかみ持ちといった感じのグリップ感になります。悪くないグリップ感ですが、イマイチピンとこない印象ではあります。
つまみ持ちとしては窪みの位置が前方過ぎるのと、窪みの位置の垂直方向の角度が強すぎて指の収まりが悪いという点で相性は良くないです。
ポーリングレートによる視認性の差

【XM2w 4K】
1000Hz⇒4000Hzにすると違いを感じ取れるかと思いますが、マウス操作時の滑らかさが増していることが分かると思います。マウスを素早く大きく動かしたときの画面のブレが減っており残像感が少なく、敵が視認しやすくなっています。
一定方向に動き続ける敵を追うようなトラッキング時の残像感も減っており、目でしっかり敵を追うことが出来ます。結果的にAIMも良くなります。
やはり8000Hzほどの感動はありませんが効果ははっきり実感できるので、ポーリングレートは高めに設定しておくことをおすすめします。
【XM2 8K】
8000Hzでは4000Hzよりもより画面が滑らかになり、視認性が上がります。4000Hz⇒8000Hzでも違いを感じられるので、かなりのアドバンテージかと思います。やはり感動的なのは8000Hzだなと感じます。
「XM2w 4K」ではワイヤレスという良さがありますが、8Kの有線も捨てがたい選択肢です。
XM2w 4KとXM2 8Kの差
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性能面以外で感じる点はやはり重量です。
有線の「XM2 8K」の方が8gほど軽いわけですが、体感でしっかり感じ取れるほど軽く感じます。
軽いおかげかマウスの滑りも良く、「XM2w 4K」と比べてかなり滑らかに動かすことが出来ます。結構AIMに差が出来るレベルなので、一概にワイヤレスのほうが良いとは言い切れない印象です。やはり軽さは正義か。
SPDT
体感できる違いはありません。
まとめ
どちらもシンプルに旧モデルの完全上位互換だったと思います。
形状は全く変わらないので基本的なグリップ感や操作感は変わりませんが、ポーリングレートなどの性能面が上がっているので応答速度だけでなく、視認性の部分も上がっています。シンプルに旧モデルから本モデルに乗り換えるだけでもパフォーマンスが上がることは間違いないです。
有線タイプの「XM2 8K」は重量も結構軽くなっているため、重量による操作感は多少違いが出てくると思います。軽い分マウスを滑らかなに動かすことが出来、トラッキングがかなりしやすくなっている印象を受けました。
また左右クリックボタンは旧モデルと比べて軽くなっているので、押し込みやすくなっています。この点は個人的には特に違いは感じませんが、軽いほうが好みな人が大半だと思うのでプラスだと思います。
後はワイヤレスタイプの「XM2w 4K」と有線タイプの「XM2 8K」の2択になりますが、どちらにも良さがあるのでこれはもう完全に好みです。使い勝手の良さは断然ワイヤレスですが、正直操作性は8000Hzと軽量な有線タイプのほうが圧倒的に良かったと思います。悩みどころですが、選択の参考になれば幸いです。
【XM2w 4K】
【XM2 8K】


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