今回はSteelSeries(スティールシリーズ)のゲーミングマウス「Prime」をレビューしていきます。
Primeの特徴
- プロと共同開発されたPrimeシリーズ
- つかみ持ち、つまみ持ち向けにデザイン
- 磁力を利用して抵抗を作り出し一貫したクリック感を実現した「Prestige OMスイッチ」搭載
- 高精度な「TrueMove Proセンサー」
- 粗い質感を出したマット仕上げによりグリップを強めた表面
- 着脱可能な「スーパーメッシュケーブル」
性能(スペック)
本体 | ボタン | 6箇所(左右クリックボタン、左サイド×2、ホイールボタン、底面×1) |
---|---|---|
長さ | 125.3mm | |
幅 | 前部:59mm、後部:67.9mm | |
高さ | 前部:23mm、後部:42.4mm | |
重量 | 69g(ケーブル除く) | |
ケーブル | ケーブル名 | スーパーメッシュケーブル |
ケーブルタイプ | マイクロファイバー製 | |
ケーブル長 | 2m | |
センサー | センサー名 | TrueMove Pro |
DPI | 18000(50刻み) | |
ポーリングレート | 125/250/500/1000 | |
最大認識速度(IPS) | 450 | |
最大加速度(G) | 50 | |
スイッチ | スイッチ名 | Prestige OMスイッチ |
耐クリック回数 | 1億クリック | |
ソフトウェア | SteelSeries GG |
パッケージ内容
梱包状態
パッケージ内容
Prime本体、スーパーメッシュケーブル、取扱説明書等。
形状・外観
大きさ(サイズ)
形状は左右非対称形状で、大きさは左右非対称マウスの中では標準的。
基本的に左右対称と左右非対称では、左右非対称のほうが大きめな傾向にあります。
高さは左右対称マウスの中では少し高めです。
高さに関しても左右対称と左右非対称では、左右非対称のほうが高めな傾向にあります。
左サイドの形状
前方から中央、後方から中央を窪む形状。
後方の膨らみが前方と比べて少し大きく膨らむ形状で、親指を倒した状態でフィットしやすい形状になっています。
窪みの深さは浅すぎず深すぎずといった感じで、指を立てた状態でも倒した状態でも違和感の少ないフィット感をしています。
垂直方向の形状は下部から上部へ広がる形状をしており、指が引っかかりやすい形状をしています。
右サイドの形状
水平方向の形状は指を倒して保持したときに、自然と指全体がフィットするような形状になっています。
垂直方向の形状は上部から中部へ膨らむような形状で、さら中部から下部へは内側へ返すような形状になっています。
左右非対称マウスは下部の内側への返しがあるタイプと無いタイプがあり、返しがあるタイプは指が引っかかりやすく持ち上げやすいです。
小指と薬指は立てた状態、倒した状態でも窮屈感は少なく自然なグリップができます。
サイドの滑り止め
ラバーグリップは張られていませんが、滑りにくい粗い質感を出したマット仕上げをした表面をしています。
ラバーグリップほどのグリップはないですが、軽いマウスということもあり指だけでも十分マウスを支えることが出来ます。
表面の形状と質感
表面の山の位置は前後は少し前方寄り、左右は左寄りの位置にあります。
手のひらよりも指の腹とのフィット感が強いタイプです。
高さが高めで手のひらにフィットさせやすく、指だけではなく手のひらでもグリップが得られます。
表面の質感はザラザラとした触り心地です。
ソール
ソールは上部に2枚、下部に長めのソールが1枚、センサー周りに1枚張られています。
ソールの縁は引っかからないように削られています。
滑りやすさについては下のほうで解説しています。
重さ
重量は公称値は69g(ケーブル除く)と軽量です。(実測:69.5g)
左右非対称マウスは比較的重めのマウスが多いですが、「Prime」はかなり軽いです。
穴を空けずにこの軽さはなかなかありません。
ケーブル
ケーブルはマイクロファイバー製の「スーパーメッシュケーブル」。
布タイプの中では少し硬めな印象です。ものに当たると少し押される感覚があります。
出来ればマウスバンジー等で対策して使うのがよさそうです。
ケーブルは着脱可能で接続位置は地面に触れない高めの位置にあります。
ボタンとクリックについて
左右クリックボタン
押下圧はやや軽めでストロークはやや短めです。
あっさりとしたクリック感といった感じで、クリック時にはほどよいカチッっと感が返ってきます。
クリック音は高めで軽快な音。音の大きさは少し大きめといった感じ。
ボタンの形状は手前から奥まで凹状で、手前に行くほど凹みが浅くなっています。
サイドボタン
細長く、表面は角が立った形状をしています。
位置的にはマウス前方寄りで、窪みの一番深い位置にあります。結構高い位置にあり指が干渉することはありません。
表面からの突出はやや控えめですが、押しづらいほどではなく親指をずらすだけで簡単に押すことができます。
スクロールホイール
ホイールは滑り止めラバーが巻かれており、ラバーにはライン上に窪みが彫られており指が引っかかりやすくなっています。
ホイールの重さは標準的で、ホイールボタンの押下圧も標準的。
底面
底面にボタンが1つ備わっています。
DPI、ポーリングレートを変更する際に使用します。
早押しでDPI、長押しでポーリングレートが変更できます。
変更時はホイールのLEDが点灯し、色で判断できます。
●DPI
400DPI | 紫 |
---|---|
800DPI | 青 |
1200DPI | 緑 |
2400DPI | 黄 |
3200DPI | 赤 |
●ポーリングレート
1000Hz | 赤 |
---|---|
500Hz | 黄 |
250Hz | 緑 |
125Hz | 青 |
設定のリセットは底面のボタン+左右クリックボタンを5秒間長押し。
ソフトウェア(SteelSeries GG)
アクション
各ボタンの割り当てを行うことが出来ます。
底面ボタン以外のボタンは割り当て変更が可能です。
●割り当てられる機能
- 初期設定
- キーボードボタン
- マクロ
- メディアボタン
- マウスボタン
- 解除する
- アプリケーションを起動する
- 設定を起動する
- エンジンアプリを起動
- OSショートカット
- ライブのマクロ記録
マウス感度のレベル
マウス感度を調整する項目。
CPI(DPI)は100~18000までを50刻みで設定可能。
デフォルトのDPIは400/800/1200/2400/3200となります。
設定できる感度レベルは1~5つまでです。
⇓DPIについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ⇓
加速/減速
加速度を上げるとマウスを早く動かすとその分カーソルが通常より速く移動します。
減速度を上げるとマウスを遅く動かくとその分カーソルが通常より遅く移動します。
FPSではOFF推奨。
アングルスナップ
アングルスナップとは直線補正のことを言い、カーソル移動の際に上下左右の直線的な移動をするとき僅かなブレを補正してくれるという機能です。
かなり癖のある動きをするのでFPSにおいては不要かと思います。
ポーリングレート
ポーリングレートは125/250/500/1000の中から選択可能。
数値が高いほうがカーソルが滑らかに動くので、特にこだわりがないのであれば1000Hz推奨。
⇓ポーリングレートについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ⇓
イルミネーション
ホイールのライティング設定を行うことが出来ます。
●イルミネーション効果
- ステディー
- ColorShift
- 多色ブリーズ
- イルミネーション無効化
ゲームでの使用感
次はマウスの持ち方ごとの使用感です。実際にゲームをしてみて感じた使用感をまとめていきます。
プレイしたゲームは「Apex Legends」です。
※ちなみに私の手のサイズは中指の先端から手首までで約18.5cmです。手のサイズによって使用感に違いが出るので、その点はご了承ください。
かぶせ持ちでの使用感
かなり使いやすいです。
手のひらの一部分のフィット感が強いとかが無く、手のひら全体がバランスよくフィットするといった印象です。
手のひらのフィット感がしっかりしているので、安定感があるといった感じ。
右サイドの下部が内側への返しがあるので指の引っかかりもあり、指でもしっかり支えることが出来ます。
手のひら全体のフィット感は指:6、手のひら:4といった感じです。
つかみ持ちでの使用感
かなり使いやすいです。
右サイドの膨らみが大きすぎず小さすぎずで自然で窮屈感のないグリップができます。
小指と薬指は倒した状態、立てた状態のどちらでも違和感なく保持できました。
高さもあるので手のひら後部とのフィット感がよく、自然な形で保持ができるといった印象です。
手のひら全体のフィット感は指:5、手のひら後部:5といった感じです。
つまみ持ちでの使用感
使えるには使えるといった感じです。
「Prime」は左右非対称形状なので、左右対称形状マウスと比べると薬指と小指側が少し窮屈に感じられます。
また薬指と小指側のフィット感が弱く、指で大きくマウスを動かすと指のベストポジションからズレ易い印象を受けました。
また「Prime」は高さが高めなので、指で上下のマウス操作をすると手のひらに当たってしまい可動域を取りにくいと感じることもありました。
つまみ持ちにはあまりメリットはない印象。
補足
マウスを真横に動かしてカーソルが斜めに上がったり下がったりすることもなく、体感に合ったAIMをすることができました。
センサーテスト
『MouseTester』というソフトを使ってテストを行いました。
- 波線が綺麗に続いているほど、カーソルが飛んでしまうなどのおかしな挙動がない。
- ラインの動きドットの動きが一致しているほど、マウスの移動距離に対してのカーソルの移動距離が正確。
悪い例
FPSをプレイ中よくAIMが飛んでしまうマウスでのテストです。
○テスト環境
- DPI:400
- ポーリングレート:1000
- マウスパッド:SteelSeries QcK+
波線が途中で乱れているのは実際にカーソルが飛んでしまっている部分です。こういった波の乱れがあるものは良好なセンサーとは言えないです。
Primeのセンサーテスト
○テスト環境
- DPI:400/800/1600/3200
- ポーリングレート:1000
- マウスパッド:SteelSeries QcK+
折り返し地点で若干乱れが見られますが、実際に使ってみた感じでは全く問題なし。
リフトオフレンジ(リフトオフディスタンス)
- 検証用マウスパッド:SteelSeries QcK+
「Prime」のリフトオフレンジは1.0mmでした。
長すぎず短すぎずでFPSでも問題なく使用できます。
⇓その他ゲーミングマウスのリフトオフレンジ(リフトオフディスタンス)や詳細については下の記事で確認できます。⇓
滑りやすさ
滑りやすさ比較のやり方は、マウスパッドに角度をつけてその上の滑り方を比較するやり方を行いました。
マウスによって重さが違ったりと、マウスの滑りやすさを完全には表現出来ないので参考程度にお考え下さい。
- マウス:SteelSeries Prime、Razer DeathAdder V2 Pro、Logicool G PRO X SUPERLIGHT、Logicool G703 HERO
- マウスパッド:ARTISAN 零(ゼロ)、ARTISAN 疾風乙(ハヤテオツ)、SteelSeries QcK+
普通に滑りやすいですが、特別滑りやすい部類とまではいかないといった印象です。
新品でもマウスソールが引っかかる感じもなく、どのような表面のマウスパッドでもしっかり滑るといった感じでした。
実際に手で動かしてみた感じでも、上下で滑りの違いもなくとてもスムーズに動かすことが出来ました。
応答速度(反応速度)
次はマウスのクリック応答速度(反応速度)を計っていきます※純粋なマウスの応答速度を計っているわけではないので参考程度にお考え下さい。
このテストで分かることは”露骨な遅延が無いこと””ボタンを素早く押せるか”程度のものです。
100回やった結果はこのようになりました。
最速 | 0.144 |
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最遅 | 0.179 |
平均 | 0.16658 |
全ゲーミングマウスの平均タイムが0.18327なので、かなり速く反応することが出来ました。
遅く反応したかなと感じたときでも悪くないタイムだったりと素早い反応が出来たなと感じました。
クリック感が深すぎず重すぎずで押しやすかった印象です。
体感できる遅延は一切なく、FPSでも全く問題なく使用できると思います。
⇓測定の仕方、その他ゲーミングマウスの応答速度(反応速度)以下の記事で確認できます。⇓
まとめ
このサイズ感の左右非対称のマウスの中ではかなり軽量で、指から手のひら全体のグリップ感がしっかりしていて操作しやすい印象でした。
かぶせ持ち、つかみ持ちの方にはかなり扱いやすいマウスになっていると思います。
メリット
- かぶせ持ち、つかみ持ちと相性が良い
- 右サイドの下部が内側への返しがあるので、しっかり指がグリップされる
- このサイズ感の左右非対称のマウスの中ではかなり軽量
- ケーブルの着脱が可能
デメリット
- ケーブルが少し硬め
- つまみ持ちとの相性は微妙
⇓その他のゲーミングマウスのレビュー記事は以下で確認できます⇓
⇓おすすめのゲーミングマウスと選び方を以下で解説しています⇓