当記事ではCORSAIR(コルセア)のゲーミングチェア「T3 RUSH V2」をレビューしていきます。
提供:Corsair
特徴
- 通気性の良いファブリック素材採用のエルゴノミックチェア
- 落ち着いたモノトーンのデザインでインテリアにも合わせやすい
- 約48cm~58cmの範囲で、座面の高さを自由に調節できるクラス4グレードのガスリフトを採用
- 最大160度まで倒せるリクライニング機能
- ロッキング(揺れ)は10度まで対応しており、座面下側のレバーとノブを操作することでオン/オフの切り替えや硬さの調節が可能
- 前後、左右、上下、回転調整可能な4Dアームレスト
性能(スペック)
価格 | 39,527円 (2023/7/4時点Amazon価格) |
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素材 | ファブリック |
デザイン | グレー、ホワイト、チャコール、ブラウン |
リクライニング | 90~160度 |
ロッキング | 0~10度、オン/オフ |
座面高さ調節 | 48~58cm |
アームレスト | 前後、左右、上下、回転 |
ランバーサポート | 〇 |
ヘッドリスト | 〇 |
身長目安 | 150~180cm |
耐荷重 | 約120kg |
重量 | 約19.9kg |
パッケージ内容
梱包状態
内容物
シート背面、シート座面、シートコントロールベース、ガスリフト、ガスリフトカバー、シートベース、キャスター、ヒンジカバー、ヘッドレスト、ランバーサポート、組立工具・ネジ類。
組立作業
開封直後は組立作業が必要になります。
①土台にキャスターを装着する
②土台にガスリフトを装着し、ガスリフトカバーを被せる
③座面底面にシートコントロールベースを取り付ける
④シート背面をネジで固定する
⑤シートコントロールベース中央の穴とガスリフトを組み合わせる
⑥ヒンジカバーをネジで固定する
⑦完了
仕様
※今回ご提供いただいたカラーはブラウンなので、ブラウンの説明となります。
デザイン
「T3 RUSH V2」はゲーミングチェアなので形状としてはゲーミングチェアのそれですが、色あい的にはそこまでゲーミング感の強い色使いではありません。今回ご提供いただいたカラーはブラウンですが、他の色もそこまで派手な色使いの物はなく、落ち着いた色合いで環境に合わせやすい見た目な印象です。
ゲーミングチェアのイカツイ見た目が嫌いな人でも比較的受け入れやすいデザインだと思います。
素材
「T3 RUSH V2」はファブリック素材を使用したゲーミングチェアです。カラーによって質感に違いがあり、ブラウン以外は明確なファブリック感が感じられる質感で、ブラウンはスエードのような滑らかな質感になっているようです。
ブラウンの質感としてはファブリック素材を使用したゲーミングチェアはザラザラとしたメッシュ系が多い印象でしたが、このチェアは表面が滑らかなレザーのような質感をしています。実際に触ってみてもかなりレザー感が強く、その中に布感もある程度感じるため、レザーとファブリックが合わさったような触り心地と言った印象です。色の違う部分がありますが、質感としては同じです。
触り心地はとても優しく滑らかで、メッシュ系が擦れて痛いという人でも問題なく使えそうです。ただその分メッシュ系と比べると通気性は確実に悪いと思います。見た感じ糸同士の隙間がほとんどないため汗などの水分を吸いにくく、肌表面に掻く汗の吸収率は低いと思います。そのため汗をかきやすい状況の日とかだと、肌がペタ付いたり熱が籠りやすいんじゃないかと思います。とはいえファブリック製なので、レザーと比べればマシなのではないかとは思います。
また耐久面も少し気になります。長期利用しないと分かりませんが、質感がかなりレザーに近いためレザーのように表面が剥がれてこないか心配になります。ただもしファブリック製だから表面の耐久性も高いということであれば、高い質感と高い耐久性ということになるので良いところ尽くしですね。
耐久面は今のところ何とも言えないですが、質感としては通気性よりも肌触りを重視する人向けと言った印象です。通気性や汗の吸水性はPUレザー製と比べれば確実に良いはずですがファブリック製の中では弱いと思われるので、快適性を重視する人にとってはやや不向きかと思います。
背もたれ
背もたれの形状としては幅広ゆったり系とは違い、溝が深く体がはまりしっかり固定されるタイプです。
幅広タイプはあまり体形に影響されませんが、固定されるタイプは体形によりフィット感がかなり変わってきます。
私は身体が大きいタイプではないですが、私でちょうどいいと感じられるくらいでした。そのためかなり大きめな体系の人だと、背もたれの両端の突起に当たってしまうかもしれません。
座面
座面も両端が跳ね上がっておりお尻がしっかりフィットするタイプ。
着座する部分は溝等は無くフラットで、奥に行くほど沈み込んでいく仕様になっています。
クッション性
チェアのレビューサンプル数が少ないため明確には言えませんが、クッション性としては硬すぎず柔らかすぎずですが少しだけ高反発と言った印象でした。
沈み込む感覚はかなり少なく、姿勢の保持がしやすい硬さといった感じです。もちろん硬すぎるというほどでもないため十分リラックスできる範囲の硬さです。
ゲーミングチェアとしてはリラックスできることよりもゲーム中の姿勢が保持しやすいことのほうが大事なので、そういった意味ではちょうどいい硬さかと思います。
キャスター
キャスターは光沢の少ないプラスチック製。
キャスターの移動しやすさとしては、初めは結構硬めで回りにくかったですが使っていくうちに回りやすくなり、座っていても足の力で簡単に移動できるくらいには軽くなりました。もちろん簡単に動いてしまうということも無く、動かそうしない限りは動かず安定しているといった感じです。
アームレスト
アームレストは4D(前後、左右、上下、回転)に対応しています。
実測の幅は以下。
- 前後:26.5㎝
- 左右:10㎝
アームレストの幅としては外側は斜面になっており、フラット部分は2㎝ほど短いです。
実測の調整幅は以下。
- 前後:5㎝
- 左右:1.25㎝
- 上下:7cm
- 回転:-25°/25°
実測の高さと幅は以下。高さは「座高最低+アームレスト最低」~「座高最高+アームレスト最高」、幅は「アームレスト内」~「アームレスト外」で測定しています。
- 高さ:61.5~78.5cm
- 幅:69~71.5cm
ランバーサポート、ヘッドレスト
腰を支えるクッション(ランバーサポート)、首を支える(ヘッドレスト)の両方が備わっています。
質感はベロア生地のようなかなり滑らかな質感で、熱は逃げにくいですがかなり肌触りが優しいです。
ランバーサポートは留め具は無く溝にはめる様に乗せるだけ、ヘッドレストは留め具が付いており背もたれに固定することが出来ます。
リクライニング機能
リクライニング機能は160度まで対応しています。
右手側に備わっているレバーを引くことで角度を調節できます。
リクライニング160度にした場合の奥行きは125cm程。
高さ調節機能
座高は右手側下部にあるレバーを引くことで調節可能です。
実測の地面からの高さは以下。
- 地面~着座部:45~55cm
- 地面~両端突起部:50~60cm
私の場合ですが、一番下げた状態で膝が90度程、一番上げた状態でかかとが少し浮きそうといった感じでした。一番上げた状態で少し高く感じる程度なので、ほとんどの人にとって高すぎるということは無さそうです。
ロッキング機能(揺れ)
ロッキング機能(揺れ機能)も搭載しており、後部側へ最大10度ほど揺れるようになっています。
ロッキング機能は右手側下部にあるレバーでON/OFF、座面底面のノブを回すことで硬さを調節できます。
座り心地・姿勢の保持しやすさ
前傾姿勢
前傾姿勢は上体を前方に倒して重心を前方の維持し、脚でバランスを取る姿勢です。PCゲーマー(マウス、キーボード)に最も多い姿勢です。
前傾姿勢では背もたれを使用しないため、座面の形状や硬度が重要になってきます。「T3 RUSH V2」の座面の硬度はやや硬めなので、硬度的には姿勢を保ちやすいです。しかし座面は前後で高さがかなり違うため、後部側にお尻が滑りこんでしまう感覚がとても強いです。そのためかなり前方寄りに座る必要があり、やや姿勢を保ちにくく感じられます。
ランバーサポートを使用することで奥まで滑りこむことは防ぐことが出来ますがランバーサポートが当たる部分まで後部側に座ると、脚が上がってしまい脚に力をこめにくくなります。
そこまで極端に姿勢を保持しにくいとは感じないため慣れれば問題ないですが、理想を言えば前傾姿勢ではもう少し座面の前後の高さに差が少なければ保持しやすいかと思いました。
後傾姿勢
後傾姿勢は上体を後方に倒し背もたれにもたれ掛かってリラックスした形で姿勢を保持します。
前傾姿勢とは違い、後傾姿勢では座面の形状が適しているように感じられます。後傾姿勢では座面がフラットだとお尻が前方に滑り込んでしまうことがありますが、後部側の高さが低いことで滑りこむことを防ぐことが出来ます。背もたれは背中をしっかり固定してくれるタイプなので、安定した後傾姿勢が出来る印象です。その分体勢の自由度は低い印象。
また後傾姿勢では背もたれを使用するためランバーサポート、ヘッドリストの有り無しで座り心地が大きく変わります。ランバーサポート無しでは深く座り込むことが出来ますが、有りではお尻を中央部分に保持できます。またランバーサポートを使うことで腰が丸まるのをある程度防ぐことが出来るので、背筋を伸ばした状態を維持しやすい印象です。どちらが良いかは人それぞれかと思うので好みに合わせると良いかと思います。
ヘッドリストはゲーム中は首を完全に背もたれにくっ付けることは無いと思うのであまり影響がないかと思いますが、完全に寄りかかって保持したい場合は首を上げたいか倒したいかで都合のいい方を選択するのが良さそうです。
後傾姿勢としては座面や背もたれの形状の相性が良く、後傾姿勢を維持しやすいと感じました。
胡坐
胡坐に関しては思ったよりもかきやすい印象でした。
アームレストがデフォルトの位置だと脚が当たってしまうので、高さを上げるか後ろに下げるかしておけば問題なく胡坐をかくことが出来ます。足全体を乗せるのは無理ですが案外足全体の収まりが良く、バランスも保ちやすい印象でした。
余程足が長いとか体が大きいとかでなければ問題なく胡坐をかけるかと思います。
リクライニング
リクライニング重視で考えるともう少しクッション性が欲しい所ですが、硬すぎるほどではないので十分リラックスできるレベルです。質感も優しいため素肌が直接当たっても嫌な感覚は無く、中々いいのではないでしょうか。
座面や背もたれの形状的にはフィット感重視といった感じで、体重を預けると嵌るところに嵌り安定します。形状の好みは人それぞれかと思いますが、個人的には十分リラックスできます。
ランバーサポートは個人的には無いほうが腰の圧迫感が無くリラックスできる印象でした。ヘッドリストは寝るときは無いほうが首が楽ですが、モニターを覗きたいときは合った方が楽といった感じです。
キャスターの安定性
前方に荷重した時の安定性
前傾姿勢で前方側に体重を乗せると椅子が前に倒れてしまうゲーミングチェアもありますが、「T3 RUSH V2」は全くそのような感じは無くかなり前方に荷重しても全く問題ありません。
リクライニング時の安定性
リクライニングを最大まで下げて完全に寄りかかると後ろに倒れてしまう恐怖感はありますが、思ったよりも大丈夫でした。
後ろ側に体を揺らしてみても倒れるような素振りは無く、かなり安定しています。後ろに寄り掛かった状態で胡坐をかいても問題ありませんでした。
キャスターの安定性はかなりのものだと思います。
テーブルへの収納しやすさ
テーブルに収納する際、邪魔になるのはアームレストかと思います。
アームレストの地面からの高さは61.5~78.5cmの範囲で調整できるので、そのあたりで収まりそうか確認しておくと良いと思います。
キャスターも重くないのでアームレストを持って移動させることは容易です。ただ移動させるときにアームレストが回転してしまうのがちょっと煩わしく感じます。まぁこれくらいご愛敬。
まとめ
前傾姿勢との相性はあまり良くなく後傾姿勢との相性はとても良いので、どちらかといえば後傾姿勢をする人向けのゲーミングチェアです。ただ前傾姿勢での保持が絶望的とまではいかないので、お尻の位置を調節するなどすれば問題なく保持できます。
質感としてもPUレザーぽかったので初めは不安でしたが、肌触りはファブリック製らしい優しさがあり、通気性や吸水性としてもメッシュ系までは無いにしてもPUレザーよりはしっかり優れているように感じられました。メッシュ系よりも肌触りが優しく通気性も程よくあり、バランスよく良い所を取ってくれているように感じられます。
価格的にもゲーミングチェアの中ではミドル程といった感じで、ゲームはもちろん休憩にも使いやすく、個人的には不満点はかなり少ないチェアでした。
- 後傾姿勢との相性はとても良い
- 胡坐をかくことが出来る
- キャスターの安定性が優れており、どのような姿勢をとっても倒れることが無い
- 素材の質感が良いため素肌が直接触れても嫌な感覚が少なく、とても優しい
- ゲーミングチェアにしては見た目のゲーミング感が少ない
- 姿勢を保ちやすく、程よくリラックスしやすい高すぎず柔らかすぎないクッション性
- 前傾姿勢との相性はイマイチ
- ファブリック製なのでPUレザーよりは通気性と吸水性に優れるが、メッシュ系と比べると劣るように感じられる