当記事ではNinjutso(ニンジュツォ)のゲーミングマウスパッド「NPC」をレビューしていきます。
提供:Ninjutso
Ninjutso NPC:ふもっふのおみせ
⇓動画でも確認できます⇓
特徴
- 程よいスピード感と安定したコントロールを求める人に向けて設計されたソフトタイプマウスパッド
- 速度基準:ARTISAN 零 > NPC > Lethal Gaming Gear Saturn
- 耐湿性を兼ね備えており湿気の影響を受けにくく、汗や汚れにも強い
- 日本製のPORON素材を使用したベースで、設置面にしっかり固定される
- 表面より低い2.2mm極薄ステッチで手首への負担を軽減
- サイズ展開:M(360 x 300 x 3.5mm) / XL(470 x 410x 3.5mm)
- カラー展開:ブラック
- 価格(ふもっふのおみせ):M(4,790円) / XL(5,590円)
パッケージ内容
梱包状態
丸めて梱包されていますが、巻き癖が一切なく開封直後でも問題なく使用できます。
内容物
マウスパッド本体。
仕様
表面
表面は今までレビューしたものの中では「ARTISAN FX 零」の表面に近いザラザラ感のあるソフトタイプといったような質感をしています。「零」よりも凹凸が少なく、僅かにザラ感が少なくなった表面と言った印象です。
ソフトタイプなので手触りとしては十分優しいですが、ソフトタイプの中では比較的手首や手のひらが擦れたときに摩擦を感じやすいタイプかと思います。
水平方向の糸が浮いて見える織り方がされており、手触りでもわかるくらいに水平/垂直方向の滑りの差を感じます。滑りの差は「零」よりもしっかりと強く感じられます。
右下にはNinjutsoのロゴマークがあります。シリコンっぽい質感なので、この部分は滑りの違いがあります。
撥水性
表面の撥水性は全くなく水滴を垂らすとすぐに染み込んでいきます。※撥水性が低いからといって耐湿性も低いとは限りません。
耐湿性の確認はできませんがあくまでソフトタイプなので、耐湿性が高いという謳い文句もソフトタイプの中ではというものかと思います。
底面
底面はPORON素材というものが使われているらしく、見た感じではARTISANマウスパッドのSOFTとほぼ同じベースといった感じでした。
接地面に吸着するタイプで、シールほど強力に張り付くのではなく軽く張り付く感じです。そのため位置調節は容易です。
なので接地面の影響は受けやすいですが、ツルツルとしたテーブルであればグリップ性は強力でマウス操作でズレてしまうことはまずないかと思います。
クッション性
中間層がとても柔らかく、ARTISANのSOFTをもう少し柔らかくした感じになっています。
厚みも3.5mmと程よくあるためクッション性としてはしっかりしており、手首の負担軽減としては十分かと思います。
テーブルから垂らして使うという場合も、垂らしている部分が浮いてしまうことが無く使いやすいです。
エッジ(ステッチ)
ステッチはARTISANと同様の小さめなステッチ。
ステッチの高さが2.2mmと表面の高さよりも低く、手首などに触れにくい仕様になっています。
ARTISANのものと比べると若干硬めな印象。
滑りやすさ比較
- テスト用マウス:「Logicool G PRO X SUPERLIGHT」、「Razer Viper V2 Pro」、「Pulsar Gaming Gears X2 Mini」、「Ninjutso Sora」
- テスト用マウスパッド:「ARTISAN FX 零(ゼロ) XSOFT」、「Pulsar Gaming Gears ES1」、「BenQ Zowie G-SR」、「Ninjutso NPC」
滑りやすさと止めやすさ(動摩擦)
滑り出してから動いている最中の軽さと止めやすさを確認します。
Logicool G PRO X SUPERLIGHT |
零 > ES1 > NPC > G-SR |
---|---|
Razer Viper V2 Pro |
ES1 > 零 > NPC > G-SR |
Pulsar Gaming Gears X2 Mini |
零 > ES1 > NPC > G-SR |
Ninjutso Sora |
零 > ES1 > NPC > G-SR |
比較してみた感じでは、マウスに寄って多少違いは感じられますが概ね「零」 > 「ES1」 > 「NPC」 > 「G-SR」の順で滑りやすいといった感じでした。
「G-SR」と比べると明確に滑りやすく、「ES1」と比べるとほとんど同じ、「零」とも大きな違いはありませんが僅かに滑りにくいといった印象でした。
なので表面の滑りやすさとしては「零」や「ES1」と同様に、極端なコントロールタイプではなく僅かにバランスによったコントロールタイプといった感じです。
沈み込みによる滑りやすさの変化としては、中間層が柔らかいタイプにしては思ったよりも違いは感じられませんでした。強く押し付けると多少滑りにくくなるため沈み込みによる止めやすさを活かすことはできますが、極端なグリップを期待している人にとっては物足りなさを感じそうではあります。
感覚としては「零」、「ES1」、「G-SR」よりも変化が少ない印象でした。もちろん「SteelSeries QcK」のような薄型でほとんど沈み込まないタイプと比べると沈み込みによる速度差があります。マウスパッド全体でみると比較的沈み込みによる速度変化が少ないというイメージで良いかと思います。
なので押し付けても極端に速度変化が無く、沈み込んだときに僅かにコントロール性が増すくらいが好きという人に向いていそうです。個人的には沈み込んでいない時といる時の滑りの差は少ないほうが操作感に違いを感じにくいと思うのでこの点は結構優秀なのではないかと感じています。
今までレビューしたゲーミングマウスパッドを含めた比較はこちら⇒ゲーミングマウスパッドの滑りやすさ比較
初動、左右切替し(最大静摩擦)
滑り出しの時と左右切替しの時のギュッとする感じの少なさを確認します。
Logicool G PRO X SUPERLIGHT |
NPC > 零 > ES1 > G-SR |
---|---|
Razer Viper V2 Pro |
NPC > 零 > ES1 > G-SR |
Pulsar Gaming Gears X2 Mini |
零 > NPC > ES1 > G-SR |
Ninjutso Sora |
NPC > 零 > ES1 > G-SR |
コントロールタイプにしては初動や左右切替し時のギュッとする感じが少なく感じられました。
「零」、「ES1」、「G-SR」と比べると比較的初動と動摩擦の差が少なく、操作感に違和感が出にくい印象です。
個人的にはですが初動が重いことにメリットは無いと思っているので、初動としても優れていると思います。
ゲームでの使用感、操作感
ゲームはApexLegendsとVALORANTをやってみました。
ApexLegendsは「敵を追い続けるような滑らかなAIM」をすることが多いゲームですが、VALORANTは「パッと狙ってパッと止めるAIM」が多いゲームです。同じFPSでもAIMの仕方が異なるため結構違った見方をすることができます。
ApexLegends
基本的な滑りやすさとしてはコントロールタイプなので、パッと動かしたときにしっかり止められるという印象が一番強いです。ウィングマンでちょっとしたズレをパッと狙う際にAIMが行き過ぎたりブレたりしにくく安定しているといった印象です。
その分ARやSMGでのトラッキングの際に重さを感じやすいといった感じです。ただ「NPC」は沈み込んでも速度変化が少なく極端に滑らなくなってしまうということが無いため、トラッキングがしにくいとまでは感じない印象でした。
沈み込みで極端な速度低下があるマウスパッドだと腰撃ちなどの手首や肘支点の大きなAIMでは滑るが、指での細かい操作では沈み込んで重くなってしまい細かい操作がしにくいということがありました。
その点「NPC」は一貫してコントロールタイプながら程よく滑りやすさもあると言った滑りなので、力の入れ具合にギャップが少なく違和感が出づらい印象でした。
個人的にはもう少し滑りやすい方が好みですが、これぐらいでも全く問題なく扱うことが出来ました。
VALORANT
VALORANTとはかなり相性が良く感じられました。
素早く動かしてもしっかり止められるほどのコントロール性で、素早く動かしてから指で微調整する際も沈み込みに寄る速度変化が少ないため、マウス操作の始まりから終わりまで操作感が一貫しており扱いやすいように感じられました。
手首支点や腕支点の大きなAIMの時はしっかり滑るが、指で小さく微調整する時は沈み込ませて制動を活かしたいという人もいるかと思います。そういう人にとっては指での微調整時に滑り過ぎるなと感じることがあるかもしれないです。
そこまで拘らないという人が大半かと思いますが、拘りたい場合はその点は注意したほうが良いかと思います。
補足
手のひらや手首とのペタ付き
マウスパッドと手のひらや手首との手汗によるペタ付きも確認しました。
湿度によって違いはありますが、特別湿度が高い状況でなければペタ付きは少ないように感じられました。
少なくとも「零」並みかそれ以上に手汗によるペタ付きが少ないように感じられました。
長時間の使用でも手のひらとマウスパッドとの間で蒸れてくる感じが少なく、ストレスなく使えていた印象でした。
アームカバーとの相性
次はアームカバーを使用した場合のマウスパッドとの相性を見ていきます。
- 引っかかり具合:◎(ほとんど引っかからない)、〇(引っかかりが少ない)、△(やや引っかかる)、×(かなり引っかかる)
アームカバー | 水平方向 | 垂直方向 |
---|---|---|
SkyPAD | △ | △ |
BeANCA | △ | △ |
CW-X | △- | △- |
DUNLOP | △ | △ |
Eadali | △+ | 〇 |
AZ-FRONT | △+ | △+ |
やはりソフトタイプなのである程度引っかかりは感じられますが、極端に引っかかるほどではないといった感じでした。
「零」よりは引っかかりが少なく「ES1」と「G-SR」よりは引っかかりが強いといった感じ。
マウスソールとの相性
中間層が柔らかいタイプですが強く押し込んでも案外引っかかりが無く、どのようなタイプのソールでも全く問題なく扱えそうでした。よっぽど角が立っている物でなければ、引っかかる感覚は少ないと思います。
ただソールの中には中央が窪んでいて周囲が盛り上がっているようなタイプがありますが、そのようなタイプは少し滑りが悪く感じられました。出来るだけ滑りやすくしたい場合は、接地面がしっかり平らになっているソールを選択する必要がありそうです。
※滑りやすさ、初動の確認で使うソールには形状の違いがあるため、あくまで参考程度にお願いします
滑りやすさ | EsportsTiger Arc1(PTFE) > GRAPHT(ガラス) > TALONGAMES(ガラス) > Pulsar(ガラス) > QSPEC(ガラス) |
---|---|
初動 | GRAPHT(ガラス) > TALONGAMES(ガラス) > Pulsar(ガラス) > QSPEC(ガラス) > EsportsTiger Arc1(PTFE) |
滑りやすさとしては「PTFE > ガラス」といった感じでしたが、初動としては「ガラス > PTFE」といった感じでした。
個人的にはですが初動が軽い(動摩擦との差が少ない)ほうが扱いやすいと思うので、ガラスソールとの相性は中々良いんじゃないかと思いました。
センサー挙動
センサー挙動はリフトオフディスタンス(LoD)とカーソル飛びを確認しました。
全てのゲーミングマウスを調べるのは大変なので、いくつか抜粋して調べました。
リフトオフレンジをソフトウェアで調整可能なものは青字、リフトオフレンジが長くてソフトウェアで調整不可なものは赤字にしています。
LoD | カーソル飛び | |
---|---|---|
Logicool G PRO X SUPERLIGHT | 0.6 | 〇 |
Razer Viper V2 Pro | 0.5/0.6/1.3 | 〇 |
Pulsar Gaming Gears X2 Mini | 0.8/1.2 | 〇 |
Ninjutso Sora | 0.6/1.2 | 〇 |
LoDは基本どの組み合わせでも問題ない長さで、FPSゲームでも違和感なく使用できるかと思います。
マウスを激しく振ってもカーソル飛びは起きませんでした。
まとめ
基本的な性能はほとんど「ARTISAN FX 零 SOFT」と同じですが僅かに違う点としては、「表面の滑りやすさ」「沈み込みによる速度変化」「初動の軽さ」「アームカバとの相性」があります。
「表面の滑りやすさ」は僅かに「零」よりもコントロール寄り。
「沈み込みによる速度変化」は「零」よりも少なく、ソフトタイプの中でも比較的速度変化が少ないです。私の場合、腰撃ちなどの手首や肘支点の大きなマウス操作よりも指で細かい操作をするマウス操作のときのほうが力を入れる傾向があるため、指での操作時のほうが沈み込みやすいです。そのような場合でもあらゆるマウス操作で感覚に差が出にくく、一定の操作感になっています。極端に滑りにくくならないため指での操作がし易いという点も個人的には好みです。
「初動の軽さ」はコントロールタイプにしては軽く、「零」よりも僅かに軽く感じられました。個人的にはですが初動が重いことにメリットは無いと感じているので、この点も優れているように感じられます。
「アームカバーとの相性」としてはやはりソフトタイプなのであまりよくありません。ただ「零」よりは多少引っかかりは少ないです。
どれも大差ではないですが、細かい違いとしてはこんな感じです。
敢えて「零」と2択で考えるとしたら、「零よりも少しコントロール寄り」、「零よりも少し沈み込みによる速度変化が少ない」、「零よりも少し初動と動摩擦との差が少ない」、「零よりも少しアームカバとの相性が良い」という点で自分に合う方を選択するといった感じが良いかと思います。どちらのほうが良いということはなくどちらも良いです。
品質はとても良いですがマウスパッド全体でみるとやはり高額なので、高くてもいいからとにかく不満点を減らしたいという人は選択肢として全然アリです。
Ninjutso NPC:ふもっふのおみせ
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