今回はRazer(レーザー)のゲーミングマウス「Viper 8KHz」をレビューしていきます。
Viper 8KHzの特徴
- Viperシリーズの形状でポーリングレートが8Kまで向上
- タクタイル感が強化された第2世代RAZERオプティカルマウススイッチ
- 71gの軽量デザイン
- 柔らかく低摩擦なRazerSpeedflexケーブル
- Razer Focus+オプティカルセンサー
- 100%PTFEマウスソール
Viper 8KHzの性能(スペック)
ボタン | 8箇所(左右クリックボタン、左サイド×2、右サイド×2、ホイールボタン、底面×1) |
---|---|
ケーブルタイプ | 布巻きタイプ(RazerSpeedflexケーブル) |
ケーブル長 | 2m |
長さ | 126.73mm |
幅 | 57.6mm |
高さ | 37.81mm |
重量 | 71g(ケーブル除く) |
DPI | 100~20000(50刻み) |
ポーリングレート | 125/500/1000/2000/4000/8000 |
最大認識速度(IPS) | 650 |
最大加速度(G) | 50 |
耐クリック回数 | 7000万クリック |
センサー | Razer Focus+オプティカルセンサー |
Viper 8KHzのパッケージ内容
梱包状態
パッケージ内容
Viper 8KHz本体、ポーチ、ステッカー、取扱説明書等。
Viper 8KHzの形状・外観
大きさ(サイズ)
形状、サイズはViperシリーズと全く同じで、左右対称マウスとなっています。
大きさは左右対称マウスの中では標準的です。基本的に左右非対称と左右対称では左右対称のほうが小さめな傾向にあります。
高さは左右対称マウスの中では低めです。高さに関しても左右非対称と左右対称では左右対称のほうが低めな傾向にあります。
左サイドの形状
前方から中央、後方から中央に向かって凹んでいく形状をしています。一般的な左右対称マウスの形状です。
この凹みの深さは標準的。凹みの位置はやや前方側に位置します。
垂直方向の形状は下部から上部へ広がる形状をしており、その分指に引っかかりやすくマウスを持ち上げやすい印象。
窪みが深すぎず浅すぎずで、親指を立てた状態、倒した状態でも違和感なく保持できます。
右サイドの形状
左右対称マウスなので左サイドと同じ形状です。
前後の膨らみ方に大きな差もなく、膨らみは大きすぎず窮屈感を感じ辛い形状です。小指と薬指を立てた状態、倒した状態でも違和感なく保持できます。
サイドの滑り止め
サイドには指全体をカバーできる広めの滑り止めが張られています。
指が引っかかりやすい形状+滑り止めで、グリップはかなり強めで保持しやすい。
表面の形状と質感
表面の山の位置が前後左右概ね中央の位置にあります。
表面の山の位置が後部側にあると手のひら後部とのフィット感が強くなります。中央側にあると手のひら後部に当たりにくくなる分、指でのマウス操作時に手のひら後部に当たらないため可動域を広くとることが出来ます。
「Viper 8KHz」の場合表面の山の位置が中央にあり、高さも低めなので手のひらに当たりにくいです。その分指での操作がしやすい印象。その代わり手のひらとのフィット感は少なめ。
表面の質感はザラザラとした感触で、指紋は目立たない感じです。
ソール
ソールは上下に100%PTFEマウスソールが張られています。
滑りやすさについては下のほうで解説しています。
重さ
重量は71g(ケーブル除く)とかなり軽いです。(実測は71g)
Viperは69g(ケーブル除く)だったので、少しだけ重くなっていますね。
ケーブル
ケーブルは布巻きの「RazerSpeedflexケーブル」。とても柔らかく低摩擦なケーブルです。
ケーブルの接合部は水平で低めの位置にあります。
Viper 8KHzのボタンとクリックについて
左右クリックボタン
クリック感は押下圧はやや軽め、ストロークはやや浅めです。少しグニっとした感じのあるクリック感でしっかりとしたカチカチ感があります。
クリック音は高めで軽快な音。音の大きさは控えめです。
タクタイル感が強化された「第2世代RAZERオプティカルマウススイッチ」が搭載されているようですが、少しだけ増してるかな?といった感じで大きな違いは感じられませんでした。
形状は手前は凸状で奥に行くほど段々凹状になっています。
サイドボタン
細長く小さめで平らな形状をしています。
位置的にはマウスのやや前方寄りで親指の真上に来る位置です。結構高い位置にあり指が干渉することはありません。
表面からの突出が少なく、しっかり押し込むように押さないといけない印象。
スクロールホイール
ホイールは滑り止めラバーが巻かれており、ラバーは横ライン状に小さな凸があり指が引っかかりやすくなっています。
ホイールの重さはやや軽めで、わずかにコリコリ感があります。
ホイールボタンの重さはやや軽め。
底面
底面には1つボタンが備わっています。
Viper 8KHzのソフトウェア(Razer Synapse)
カスタマイズ
全てのボタンがカスタマイズ可能です。上下ホイールも可能。ただしどこかに左クリックがかならず割り当てられている必要があります。
●割り当てられる機能
- デフォルト
- キーボードの機能
- マウスの機能
- 感度
- マクロ
- デバイスの相互操作
- プロファイル切り替え
- ライティングを切り替え
- RAZER HYPERSHIFT
- プログラムを起動
- マルチメディア
- Windows ショートカット
- テキスト機能
- 無効化
パフォーマンス
感度(DPI)
DPIは100~20000までを50刻みで設定可能。
感度ステージは5段階まで設定でき、DPI切替ボタンで切り替えることができます。感度ステージはON/OFFが可能です。
またDPIは水平、垂直方向を別々に設定することもできます。
⇓DPIについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ⇓
ポーリングレート
ポーリングレートは125/500/1000/2000/4000/8000の中から選択可能。
このマウス最大の売り。通常のゲーミングマウスのポーリングレートは1000Hzまでですが、「Viper 8KHz」はRazer HyperPolling 技術により最大8000Hzまで設定可能になりました。
これにより下記のようなメリットがあります。
- 1000Hzマウスよりも、遅延を1ミリ秒~8分の1ミリ秒減らすことができる
- スムーズで滑らかなカーソル移動
- マウス移動やクリックのタイミングのズレの減少
⇓ポーリングレートについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ⇓
ライティング
明るさ
明るさのON/OFF、0~100の設定。
ライティングをオフにする
- ディスプレイがオフになったとき
- (分間)アイドル状態のとき
効果
ライティングパターンの設定。
- オーディオメーター
- スタティック
- スペクトラムサイクリング
- ブリージング
- リアクティブ
較正
スマートトラッキング
配置する表面に関わらず単一のカットオフポイントをミリメートル(mm)単位で希望の距離に設定できる機能。
トラッキングディスタンスは1mm/2mm/3mmから設定できます。
非対称カットオフの有効化にチェックを入れるとリフトオフディスタンスとは別にランディングディスタンスを調整することができます。
リフトオフディスタンスとはマウスを持ち上げたときにセンサーが反応する距離のこと、ランディングディスタンスとはマウスがトラッキングを再開する距離のことです。
手動較正
Razer製のマウスパッドのプリセットを選択、Razer製以外のマウスパッドの手動較正を行うことができます。
表面を追加するとサーフェスディスタンスを1~10段階で設定可能です。
Viper 8KHzの使用感
次はマウスの持ち方ごとの使用感です。実際にゲームをしてみて感じた使用感をまとめていきます。
プレイしたゲームは「Apex Legends」です。
ちなみに私の手のサイズは中指の先端から手首までで約18.5cmです。
かぶせ持ちでの使用感
使えるには使えるという感じでした。
かぶせ持ちの形で保持することは出来ますが、手のひらに当たらないためほぼ指でマウスを支える形になります。
「Viper 8KHz」の場合、高さが低めなのでより手のひらに当たりづらくかぶせ持ちがしにくい印象です。
サイドの形状が指に引っかかりやすく滑り止めもあるので指だけでも十分保持できますが、かぶせ持ちでこのマウスを使うメリットはあまりないように感じます。
指と手のひらのフィット感はそれぞれ指:9、手のひら後部:1といった感じで指をメインにマウスを支える形になりました。
つかみ持ちでの使用感
使えるには使えるという感じでした。
左右対称マウスなので指のグリップ感もよく、マウス後部側に引き付けやすい印象でした。
指を立てる様に保持しても窮屈感は無く、違和感なく保持することができました。
ただマウス後部の高さが低いため手のひら後部とのフィット感が弱く、固定しにくい感じがありました。
つかみ持ちは指と手のひら後部でマウスを保持しますが、それぞれのフィット感は指:7、手のひら後部:3といった感じで指をメインにマウスを支える形でした。
つまみ持ちでの使用感
とても使いやすいです。
サイドの形状が指に引っかかりやすく滑り止めもあるので指だけでもしっかり保持できます。
高さが低いので指での操作時に手のひらにマウスが干渉せず、可動域をしっかりとることが出来快適に操作することができました。
つまみ持ちは指のみでマウスを保持しますが、重量が軽いので疲れたりずり落ちてくることも一切なく長時間プレイも問題なくできました。
補足
マウスを真横に動かしてカーソルが斜めに上がったり下がったりすることもなく、体感に合ったAIMをすることができました。
ポーリングレート4000/8000Hzだとマウスを動かすとカクついてしまい、まともにプレイ出来る感じではありませんでした。
というのもゲーム側にも対応しているポーリングレートがあるようで、ApexLegendsでは2000Hzまでしか対応していないようです。
なので現状ではゲームタイトルの対応しているポーリングレート以下に設定する必要があります。後々ゲーム側が対応してくれることに期待ですね。
2000Hzでは問題なく使用できたので、1000Hzと2000Hzでの使用感の違いについて解説します。
正直なところ劇的な変化は感じられませんでした。
マウスを左右に振ってみた感じでは違いは感じられませんでした。
しかしマウスをゆっくり移動させながら銃を撃ったときの反動によるブレが起きたときに、敵の見えやすさに結構違いがあったように感じられました。
1000Hzの時は敵が少しブレて見えるの対し、2000Hzの時は比較的ハッキリ捉えられているような印象でした。
正直気のせいと言われればそうかもとなってしまいそうなレベルではありますが、心なしかマウス操作やクリック時の反映の速さが2000Hzのほうが速いような感じがしました。
狙いやすいなと感じたのは間違いなく2000Hzでした。
センサーテスト
『MouseTester』というソフトを使ってテストを行いました。
- 波線が綺麗に続いているほど、カーソルが飛んでしまうなどのおかしな挙動がない。
- ラインの動きドットの動きが一致しているほど、マウスの移動距離に対してのカーソルの移動距離が正確。
悪い例
FPSをプレイ中よくAIMが飛んでしまうマウスでのテストです。
○テスト環境
- DPI:400
- ポーリングレート:1000
- マウスパッド:SteelSeries QcK+
波線が途中で乱れているのは実際にカーソルが飛んでしまっている部分です。こういった波の乱れがあるものは良好なセンサーとは言えないです。
Viper 8KHzのセンサーテスト
○テスト環境
- DPI:400/800/1600/3200
- ポーリングレート:1000/8000
- マウスパッド:SteelSeries QcK+
1000Hz | 8000Hz | ||
---|---|---|---|
ポーリングレート1000Hzではめちゃくちゃ綺麗な波線をしていました。他社のゲーミングマウスでは見られないレベルの結果だったと思います。
ただ8000Hzだとめちゃくちゃになっていました。おそらくこれはマウスというよりはセンサーテスト自体の問題かと思います。
Viper 8KHzのリフトオフレンジ(リフトオフディスタンス)
- 検証用マウスパッド:SteelSeries QcK+
リフトオフレンジは設定によって変わります。
- トラッキングディスタンス1mm:0.5mm
- トラッキングディスタンス2mm:0.5mm
- トラッキングディスタンス3mm:0.5mm
どれも変化なし!ポーリングレート8000Hzでも同様。
Razerのゲーミングマウス全般に言えますが、スマートトラッキングがちゃんと機能していない。
長さ的には0.5mmとちょうどいい長さなので、違和感なくゲームをすることが出来ると思います。
手動較正のほうはちゃんと機能してそう。
⇓その他ゲーミングマウスのリフトオフレンジ(リフトオフディスタンス)や詳細については下の記事で確認できます。⇓
Viper 8KHzの滑りやすさ
滑りやすさ比較のやり方は、マウスパッドに角度をつけてその上の滑り方を比較するやり方を行いました。
- マウス:Razer Viper 8KHz、Razer Viper
- マウスパッド:Logicool G640、SteelSeries QcK+
Razer Viper 8KHzとRazer Viperで比べてみました。
滑りやすいと感じたのはViper 8KHzでした。
Viperも滑りやすい方ですが、Viper 8KHzのほうが少し滑りやすいといった印象。
Viper 8KHzの応答速度(反応速度)
次はマウスのクリック応答速度(反応速度)を計っていきます※純粋なマウスの応答速度を計っているわけではないので参考程度にお考え下さい。
このテストで分かることは”露骨な遅延が無いこと””ボタンを素早く押せるか”程度のものです。
100回やった結果はこのようになりました。
1000Hz | 8000Hz | |
---|---|---|
最速 | 0.132 | 0.125 |
最遅 | 0.189 | 0.182 |
平均 | 0.16446 | 0.16399 |
押下圧が軽めで素早く押し込みやすく、速く反応できた印象でした。
1000Hzと8000Hzでの体感の違いはなく、タイム的にもほとんど変わりませんでした。
遅くなることはないので、とりあえず高めのポーリングレートにしておいても良いかもしれないですね。
⇓測定の仕方、その他ゲーミングマウスの応答速度(反応速度)以下の記事で確認できます。⇓
まとめ
現状だと4000Hz/8000Hzに対応しているゲームが少なく、あまり恩恵を得られない印象でした。
そのため現状では「Viper」と使い心地はほとんど変わりませんが、ゲーム側が対応してくれば使いやすくなるんじゃないかと思います。
メリット
- 71gと軽量
- 1000Hzと2000Hzでは2000Hzのほうが狙いやすかった印象
- Viperよりも滑りやすくなっている
- つまみ持ちとの相性が良い
デメリット
- 現状では4000Hz/8000Hzに対応しているゲームが少ない
⇓その他のゲーミングマウスのレビュー記事は以下で確認できます⇓
⇓おすすめのゲーミングマウスと選び方を以下で解説しています⇓