当記事ではEPOS(イーポス)のゲーミングヘッドセット「H3」をレビューしていきます。
H3の特徴
- マルチプラットフォームのプラグアンドプレイ方式
- EPOSのオーディオ技術による重低音の効いたサウンド
- ノイズキャンセリング機能を備えた跳ね上げ式マイクミュート機能付きのフレキシブルブームアーム
- 頭の形に合わせてフィット感を調整しやすいステンレス製スライダー
- 右耳側イヤーカップには直感的な音量調節が可能なホイール搭載
パッケージ内容
梱包状態
パッケージ内容
H3本体、PCケーブル(3.5mm3極)、コンソールケーブル(3.5mm4極)、取扱説明書等。
スペック
接続方法 | 有線接続(3極、4極) | |
---|---|---|
サラウンド | ステレオ(2ch) | |
ヘッドホン | タイプ | 密閉型 |
ドライバ | ダイナミック | |
周波数 | 20Hz~20000Hz | |
インピーダンス(抵抗値) | 25Ω | |
感度 | 114 dBSPL / 1Vrms @1kHz | |
マイク | タイプ | 跳ね上げ式 |
極性パターン | 双指向性(Bidirectional) | |
周波数 | 10Hz~18000Hz | |
感度 | 39 dBV / Pa @1kHz | |
ケーブル | PCケーブル(3.5mm3極) | 2m |
コンソールケーブル(3.5mm4極) | 1.5m | |
ヘッドバンド | レザーレット | |
イヤーパッド | 表面:スエード生地、外側:レザーレット、内側:メッシュ生地 | |
重量 | 270g |
外観・形状
デザイン
カラー展開はブラック/ホワイトの2種類あります。今回購入したのはホワイトです。
アームとイヤーカップのプラスチック部分はホワイトで、ヘッドバンドとイヤーパッドのレザーレット部分は黒色になっています。
黒と白のバランスが良くお互いの色が引き立てあっており、ゲーミング感の少ないオシャレな色合いになっています。
形状は少しイカツイ印象でゲーミング感が程よく感じられる形状になっています。
外では少し使いにくいデザインですが、ゲーミング感が苦手な人でもそこまで気になるデザインではないかと思います。
ヘッドバンド
ヘッドバンドはレザーレット製で、ヘッドバンド下部の全体がクッションになっています。
厚さは標準的ですがモチモチとして触感のクッションで、強めのクッション性になっています。
レザーレットは少し伸縮性のある質感で柔らかく、優しい表面をしています。
イヤーパッド
イヤーパッドは耳が触れる表面はスエード生地、外側はレザーレット、内側はメッシュ生地と複数の素材が使われています。それにより高い快適性と耐久性を実現されています。
クッションも厚めで柔らかく、フカフカとした触感のクッションになっています。
イヤーパッドは取り外しが可能で、洗濯などしやすくなっています。パチッとはめるタイプで取り付け取り外しもしやすいです。
アーム(長さ調節、角度調整)
長さ調節はアームを引っ張ることで調節することができます。
カチカチとロックがかかるタイプで調整がし易いです。ロックの強さは結構強めで着脱時に長さが変わってしまうということは無さそうです。
角度調節は水平/垂直方向に調整が可能です。調整幅は結構広めです。
マイク
マイクは上げ下げで使用する跳ね上げ式タイプで、上げることでミュートにすることができるようになっています。
僅かに柔軟性があり、曲げて口元に持ってくることができます。
指向性は双指向性(Bidirectional)で正面と背面の音を拾うタイプのマイクになっています。
ケーブル
ケーブルはPC用のヘッドホンとマイクの二股に分かれたPCケーブル(3.5mm3極)とコンソール用の一本にまとまっているコンソールケーブル(3.5mm4極)の2つが付属されています。
PCケーブルは2mと長めですがコンソールケーブルは1.5mと少し短めとなっています。
どちらも布巻きタイプのケーブルで柔らかいケーブルです。
ヘッドセット本体のケーブル接続口は左耳側のイヤーカップにあります。
音量調節ホイール
右耳側イヤーカップに回すことで音量調節ができるホイールが備わっています。
PCと連動していないタイプで、本体の音量調節となっています。
重量(軽さ)
重量は270gと標準的です。
300gを下回れば比較的軽めですが、とても軽いとまではいかない重量。
EPOS|Sennheiserヘッドセットの中では比較的軽めです。
ソフトウェア
H3はプラグ接続なのでソフトウェア等はありません。
装着感
サイズ感
サイズ感的には小~標準と言ったくらいといった感じでした。長さ調節ができるので一番縮めた状態で小、一番伸ばした状態で標準的といった感じでした。
ほとんどの人にはフィットするかと思いますが、頭が大きいという人にはきつく感じられるかもしれません。
側圧
側圧は標準~やや強めといった感じです。きつ過ぎず緩すぎずで個人的にはちょうどいい側圧に感じられました。
側圧により程よく固定されるのでヘッドセットの重さが頭に偏ることもありません。
ヘッドバンドとイヤーパッドの重さの掛かり方の比率はヘッドバンド:5、イヤーパッド:5といった感じです。(個人差有り)
クッション性
ヘッドバンドとイヤーパッドのクッションは柔らかく厚みもあり痛みと言った部分はほとんど感じられません。
イヤーパッドの質感は肌に触れる部分が布製なのでペタ付く感じもなくサラサラとした触感を保ち、かゆくなったり痛くなったりすることはありませんでした。
イヤーパッドの空洞が広めなので耳がすっぽり入り、耳の輪郭がイヤーパッドに圧迫されるということがないので痛くなることもありません。
通気性
イヤーパッドは布素材とレザーレット素材を合わせたものなので、程よく通気性と密閉性があります。
レザー製のイヤーパッドと比べると明らかに湿気や熱のこもり方が少ないと感じます。ある程度長い時間装着していても不快感はほとんどありませんでした。
布製のイヤーパッドと比べるとメッシュ素材と比べると通気性が劣るかなと感じますが、十分な通気性だと思います。
重さ
重さは270gと標準的です。
軽く頭を動かしたくらいではズレたり外れたりはしませんが、激しく動かすとさすがにズレます。
重くて首が疲れるということはなく、問題なく使用できました。
音質(音の傾向)
実際に音楽を聴いてみて音の明瞭感や迫力や臨場感などの音質、低音寄りや高音寄りといった音の傾向を確認しています。
音の傾向
音の傾向は高音と低音が強く中音が弱い、フラット寄りのドンシャリと言った印象でした。
「Logicool G Pro Xゲーミングヘッドセット」とよく似た音質で、「Logicool G Pro Xゲーミングヘッドセット」をもう少しドンシャリ寄りにした音と言った印象です。
程よく低音があり程よく高音が出ているので、そこそこ迫力と明瞭感のある音になっています。
中音は少し弱いので籠ったような音も少なく、違和感のない音に感じられます。
ただ全体的にフラット寄りで特徴の少ない音のようにも感じられました。
フラット寄りはイコライザーの調整がしやすいのでメリットでもありますが、イコライザーを使わない人にとっては物足りない音質に感じるデメリットでもあります。
とは言えフラット寄りでもドンシャリ傾向なので、違和感は少なく音楽/映画鑑賞でも問題なく使用できる音質にはなっています。
定位(音の方向性、音の距離)
ゲームの足音や銃声などの捉えやすさ、方向性、聞こえ始める距離などを確認しました。
Apex Legendsの場合
- 足音の強さ:〇
- 足音の聞こえ始める距離:〇
- 方向性:◎
- 距離感:◎
とても聴き取りやすかったです。
足音の強さがとても強く足音がうるさいくらいに感じるとることができました。近くの足音は聞き逃すことはほとんどなさそうです。
聞こえ始める距離も十分でいつの間にか近くに敵が居るということはほとんどありませんでした。
距離感、方向性は全く問題なく聴きとることが出来ました。
足音の聞き取りやすさ、定位性ともにとても聴き取りやすいといった感じでした。
Valorantの場合
- 足音の強さ:〇
- 足音の聞こえ始める距離:〇
- 方向性:◎
- 距離感:◎
とても聴き取りやすかったです。
程よく中~高音が出ているのでかなり明確に足音の位置を捉えやすかったです。実際に聞こえた位置と見える位置がかなり正確に捉えることが出来決め撃ちもしやすいと言った印象でした。
低音が強くないので銃声が響かずクリアで、銃声が鳴っているときでも足音を捉えることが出来ました。
少し中音が弱いため、中音がもう少し強いともっと聴き取りやすくなるかなと言った印象です。
足音の聞き取りやすさ、定位性ともにとても聴き取りやすいといった感じでした。
補足
念のためオンボードサウンドとサウンドカード(Sound BlasterX G6)の両方で確認しましたが、どちらも違いはありませんでした。
マイク音質
「EPOS H3」と同じメーカーの「GSP600」と「GSP300」、「Logicool G Pro X」とでマイク音質を比較しました。
スピーカーの音声/環境音(キーボードの打鍵音、マウスのクリック音、PCファンなど)などから音声を集音し確認しました。
※テスト環境:オンボードサウンドとサウンドカード(Sound BlasterX G6)に接続
オンボードサウンドの場合
オンボードだとかなりノイズが乗っていました。全てのヘッドセットでノイズが乗っていたので「H3」が原因ではなくオンボードが原因なので問題は無さそうです。
ノイズの大きさは全て同じでヘッドセットによるノイズの大小は無さそうです。
オンボードでの音質は「GSP600」とほぼ同じと言った印象でした。オンボードなので音質はあまりよくありませんがその中でもほかのヘッドセットと比べると一番音質が良いように感じられました。
サウンドカード(Sound BlasterX G6)の場合
オンボードサウンドで見られたノイズはかなり小さくなっていました。改めてサウンドカードの凄さを感じられました。
その中でノイズの乗り方がヘッドセットによって違いがありました。
「H3」はノイズが小さいながらも他のヘッドセットに比べてサーっという音が大きく感じられました。ノイズと言うよりもPCファンの音が入っているようで集音性がほかのヘッドセットと比べて高いようでした。
ノイズは気になるほど大きなものではないので、問題なく使用できるかと思います。
サウンドカード(Sound BlasterX G6)での音質はとても良いように感じられました。というよりもサウンドカードに繋いでいる時点でどれも大きな差はありませんでした。
その中でも「H3」と「GSP600」は声が明瞭でより聴き取りやすいように感じられました。
環境音(キーボードの打鍵音、マウスのクリック音、PCファンなど)
環境音は普通に入ります。まぁ集音性が高いということだと思います。
ゲーム中のボイスチャットで使用する場合はノイズゲートは必須です。
EPOS H3向けイコライザ設定
ゲームの音や音楽は使用しているヘッドセットによって音が変わります。
そのためイコライザ設定は使用しているヘッドセットに合わせてイコライザ設定を調節する必要があります。
「EPOS H3」はそのままでもかなり足音を聞きとりやすいですが、中音が少し弱く足音の強さが弱めなので中音を強めに調整しました。
PUBG/FORTNITE向けイコライザ設定
Hz | 31 | 62 | 125 | 250 | 500 | 1khz | 2khz | 4khz | 8khz | 16khz |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
dB | 9 | 9 | 6 | 0 | -4 | -6 | 3 | 6 | 3 | 0 |
Apex Legends向けイコライザ設定
Hz | 31 | 62 | 125 | 250 | 500 | 1khz | 2khz | 4khz | 8khz | 16khz |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
dB | -7 | -10 | 1 | 9 | 9 | 9 | 7 | 5 | 4 | 3 |
Valorant/CS:GO向けイコライザ設定
Hz | 31 | 62 | 125 | 250 | 500 | 1khz | 2khz | 4khz | 8khz | 16khz |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
dB | 0 | -6 | -9 | 9 | 9 | 9 | 7 | 5 | 4 | 3 |
補足
ここでは「Creative Sound BlasterX G6」を使ってイコライザー設定を行っていますが、ほかのサウンドカードでも同じように設定をすればOKです。
「ASTRO MixAmp Pro TR」の場合、設定できる周波数帯が少ないため125hz/200hz/500hz/1000hz/2000hzという風に重要な部分に設定し、dBも合わせると大体近い音になるかと思います。
またこの設定は、イコライザー以外の設定は全てオフにした状態での設定になります。
サウンドカードを持っていない場合は下の記事の方法で設定できるかもしれません。
まとめ
音楽/映画鑑賞よりはFPS特化のヘッドセットのように感じました。
FPSでは足音がとても聴き取りやすく、イコライザー等無しでもそのまま使用できるレベルでした。
その反面音楽/映画鑑賞用途としては少し物足りなさを感じることがありそうだなと言った印象です。とは言え問題なく使用できるレベルです。
装着感もGPS600と比べるとかなり良くなっており、全体的にクオリティの高いヘッドセットだと思います。
良かったところ
- FPSでの足音がかなり捉えやすい
- マイク音質がほかのヘッドセットと比べて良い
- GPS600と比べて装着感が良い
悪かったところ
- イコライザーを使わないと音楽/映画鑑賞用途としては少し物足りなさを感じる
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いつも参考にさせていただいています。
このヘッドセットについてではないですが音のレビューをする際にサウンド設定のラウドネス等化は有効にされているでしょうか?
無効にしています。