Amazonでゲーミングマウスを探していると、何やらよさげな形の比較的安価なものがあったため買ってみました。
当記事ではAJAZZ(エージャズ)のゲーミングマウス「AJ199」をレビューしていきます。
⇓動画でも確認できます⇓
特徴
- 2.4Gワイヤレス接続と有線接続のデュアル接続に対応
- センサーは「PixArt PAW3395センサー」を搭載し、26000DPI、650IPS、50Gと高性能
- 重量は59±3gと程よく軽い
- 上面後部のカバーは着脱が可能で、より軽量な穴あきカバーとの交換が可能
性能(スペック)
価格 | 【2023/4/14時点Amazon価格】 6,999円(税込) |
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本体 | ボタン類 | 6ボタン(左右クリックボタン、左サイド×2、ホイールボタン、ホイール下×1、)+電源スイッチ |
長さ | 118mm | |
幅 | 61.6mm | |
高さ | 38.6mm | |
重量 | 59±3g | |
ケーブル | タイプ | 着脱式USB-Cラバー |
ケーブル長 | 1.8m | |
センサー | センサー名 | PixArt PAW3395 |
DPI | 26000 | |
ポーリングレート | 125/250/500/1000 | |
最大認識速度(IPS) | 650 | |
最大加速度(G) | 50 | |
スイッチ類 | 左右クリック | Huano Blue Shell Pink(8000万クリック) |
ホイール | TTC Gold エンコーダー(100万サイクル) | |
バッテリー | 寿命 | 最大40時間 |
充電時間 | – | |
ソフトウェア | AJAZZ AJ199 |
パッケージ内容
梱包状態
内容物
マウス本体、USB-C充電ケーブル、ワイヤレスレシーバー、穴あきカバー、スタートガイド。
形状・仕様
形状
「AJ199」の形状は右手用の左右対称形状となっています。基本的な形状としては「Razer Viper Mini」とかなり酷似しているといった感じです。
「ENDGAME GEAR XM1r」 のような前方と後方の幅のギャップが強い洋梨タイプではなく、前方と後方の幅でギャップが少なく中央にはしっかりとした窪みがある形状をしています。
より細かく見ると「Razer Viper Mini」と同様にしっかり窪みを感じる形になっており、指が収まりやすい形になっています。ただ窪みの位置が若干「Razer Viper Mini」よりも前方よりで、少しだけ指が前方寄りに行きやすくなっています。
また下部から上部への広がりも強く、マウスを持ち上げた時に指が引っかかりやすくマウスが滑る感覚が少ないためかなり持ち上げやすいです。この下部から上部への広がりは「ENDGAME GEAR XM1r」ほど極端な広がりではないため、指が下部へ滑り込むような感覚も少ないです。
上面の形状も「Razer Viper Mini」とほぼほぼ同じで、全体的に僅かに高さが高いといった感じです。後部の高さが「Razer Viper 通常サイズ」ほど低くなく、かつ「ENDGAME GEAR XM1r」程極端な高さは無いといった感じで、手のひら後部に程よくフィットしやすい形状をしています。山の一番高い部分も極端に後部側に寄っておらず、僅かに後部よりといった感じです。
左右クリック部分の高さは「Razer Viper Mini」よりも僅かに高いといった感じで、低すぎず高すぎずといった印象。「Pulsar X2」や「Ninjutso Sora」など、サイズ感に比べてクリック部分がかなり低めになっている物もありますが、「AJ199」はサイズ感に比べて程よい高さがあります。
サイズ感的にもほぼほぼ「Razer Viper Mini」と同じといった感じで、僅かに大きく感じるか?といった感じです。
完全に「Razer Viper Mini」の形状と一致しているという訳ではないですがほぼほぼ同じなので、かなり「Razer Viper Mini」のグリップ感に近いというイメージで良いかと思います。
表面加工(質感)
表面の質感はマットな質感で、指紋が目立ちにくい表面をしています。
「Pulsar X2シリーズ」と同じような質感のサラサラとした表面をしており、「Razer Viper」系の表面よりも比較的滑りにくい質感といった印象です。
ソール
ソールは白いPTFE製の大きめなソール。
厚みがしっかりありエッジ処理も優れており、マウスパッドに引っかかる感覚はありませんでした。ガラスやプラスチックなどのハードタイプマウスパッドでも引っかかる感覚は少なく、擦れるような音もそこまでしません。
ソールの滑りやすさは小さめなソールと比べると少し滑りにくく感じられますが、大きめのソールと同等レベルで特に滑りにくいと感じることはありません。
重量(軽さ)
「AJ199」は上面後部のカバーを交換できる仕様になっており、穴なしカバーと穴あきカバーとで交換することができるようになっています。
カバーを変えることで少し重量が変わります。
穴なしカバー | 63.8g |
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穴あきカバー | 61.6g |
穴あきカバーに交換することで、約2グラムほど軽くすることが出来ます。出来るだけ軽くしたいのであれば、穴あきカバーに変えると良いと思います。
両カバーの形状は同じはずなのでグリップ感に大きな影響は無いかと思いますが、つかみ持ちユーザーの場合は滑りやすさなどに違いが出やすいと思うのでグリップ感も合わせて確認してみたほうが良いと思います。
前後の重心としてはサイドの一番窪んでいる位置を持った場合、やや後ろに寄っているといった感じでした。
つまみ持ちやつかみ持ちで保持した際に若干重心を後ろに感じますが、極端に偏っているわけではないのでそこまで違和感は無く問題ないレベルかと思います。
ケーブル
ケーブルはパラコードタイプのUSB Type-Cケーブルとなっています。ワイヤレスマウスなのでメインは充電用になるかと思いますが、有線としても使うことが出来ます。
かなり太めのケーブルで少し硬さを感じますが、有線として使ってもそこまで煩わしさを感じないレベルといった印象です。
ワイヤレスレシーバー
レシーバーはワイヤレスマウスによく見る小さめのレシーバーです。
アダプターは付属していないのでPCに直接接続して使用するのがオーソドックスな使い方になるかと思います。ケーブルに繋いでマウスの近くにレシーバーを置きたいという場合は、アダプターを別途用意する必要があります。
アダプターが無いと充電していない間はケーブルがただそこにあるだけになってしまうので、やはり個人的にはアダプターは有ってほしいところです。
レシーバーはマウス本体のカバー内側に収納できるようになっています。
バッテリー
バッテリー寿命は最大40時間となっており、最近のゲーミングマウスは100時間を超えるものもあるため結構短めです。
長く使う人だと2日に一度は充電しなければいけないということになるので、まぁまぁな頻度になるかもしれません。
バッテリー寿命が短いと頻繁に充電する必要があることになりますが、そのたびケーブルを抜き差ししなければいけないのはやや面倒に感じる人も多そうではあります。
ボタン類について
左右クリックボタン
クリックボタンの形状は左右どちらも前方~後方まで凹状になっています。結構しっかりとした溝になっており、指の位置が決まりやすい形状をしています。
表面の質感は他の部分と同じサラサラとした質感をしています。
クリック感としては比較的軽めでサクサク押せるといった感じです。グニグニ感が少なく、あっさりめが好きという人に好まれそうなクリック感をしています。タクタイル感は強すぎず弱すぎず程よくあり、適度に心地よさがあります。左右のクリック感の違いもそこまでありません。
クリック音はやけに高くてうるさいという感じは無く、比較的鈍いコチコチといったような音です。
サイドボタン
サイドボタンの形状は細長タイプで、指が触れる部分は丸められています。突出もしっかりあり、親指をずらすだけで押すことが出来ます。
位置的には一番窪んでいる位置にあり、高さも程よくあるため指が干渉してしまうことはありません。
クリック感としては手前側がやや軽め、奥側が普通といった感じでした。この辺は個体差がある可能性もあります。
スクロールホイール
スクロールホイールには滑り止めラバーが巻かれており、ラバーには切り込みが入っており指が引っかかりやすくなっています。
ラバーの質感としてはしっとりめの質感で埃等は付きやすそうではありますが、グリップはしっかりとしています。
スクロールホイールの重さは標準的と言った感じで、軽いコリコリ感があります。スクロール時の音は結構控えめ。
ホイールボタンの押下圧は比較的軽めで、個人的にはかなり押し込みやすい印象でした。
ホイール下
ホイール下にはボタンが1つ備わっています。デフォルトではDPI切替ボタンとなります。
デフォルトのDP I値は800(赤)/1600(緑)/2400(青)/3200(水色)/5000(黄)/26000(紫)。
底面
底面には電源スイッチが備わっています。
ソフトウェア(AJAZZ AJ199)
Key Settings
「Key Settings」ではキーの割当とデバウンスタイムの設定が出来ます。
キー設定は上下スクロール以外は変更可能です。
Debounce
デバウンスタイムとはクリック時の金属接触により発生するチャタリングを防ぐための待ち時間のようです。
このデバウンスタイムを短くすることで応答速度を速めることが出来ますが、その分チャタリングが起きやすくなります。
デバウンスタイムの設定は0~30msの間で設定できます。
デバウンスタイムによる反応速度の差やゲームでの使用感は下のほうで確認します。
DPI Settings
マウス感度(DPI)を調整する項目。100~26000DPIの範囲を50刻みで設定することができます。
DPIステージは6つまで設定でき、スクロールホイール下のボタンで切り替えることができます。ステージの数の設定も可能。
初期のDPI設定は800(赤)/1600(緑)/2400(青)/3200(水色)/5000(黄)/26000(紫)です。
Polling Rate
1秒間にマウスの操作情報を送信する回数のことで、カーソルの滑らかさに影響します。
ポーリングレートは125/250/500/1000の中から選択可能。
数値が高いほうがカーソルが滑らかに動くので、特にこだわりがないのであれば1000Hzがおすすめです。
LOD
リフトオフディスタンス(LoD)とはマウスを持ち上げたときにセンサーが感知する距離のことです。
このリフトオフディスタンスが長すぎると、マウスの持ち上げ動作時にセンサーが反応しなくていいタイミングで反応してしまいAIMがぶれてしまいます。
逆に短すぎるとマウスの持ち上げ動作からマウスパッドに置くと同時に視点移動をしようとするとセンサーの反応が遅れてしまい、マウスを動かしているのに視点が動かないタイミングがでてきます。
リフトオフディスタンスは1mm/2mmから選択できます。
実測のLoDとおすすめ設定は下のほうで解説します。
Ripple control
リップル制御はカクつきやブレを抑える機能。
FPSゲームでの使用感は下のほうで確認します。
Angle snapping
アングルスナップとは直線補正のことを言い、カーソル移動の際に上下左右の直線的な移動をするとき僅かなブレを補正してくれるという機能です。
FPSゲームでの使用感は下のほうで確認します。
DPI Effect
ホイール部分のライティングのエフェクト/明るさ/スピードの設定。
Mouse Parameters
PC側の設定。
ゲームでの使用感
次はゲームでの使用感を確認します。
※私の手のサイズは中指の先端から手首までで約18cmと標準的サイズです。手のサイズによっても使用感に違いが出るので、その点はご了承いただければと思います。
かぶせ持ちでの使用感
一応かぶせ持ちの形で保持することが出来ます。ただ手のひら部分がほとんど接地しないため、ほとんど指でマウスを保持している状態になります。
手のひらにフィットさせるためにかなり深めにグリップする必要があり、深めにグリップしても手のひら後部が当たるようになるくらいなので、指を伸ばしたつかみ持ちのような持ち方になります。
とにかくかぶせ持ちの形で保持出来れば良いという場合には問題ないですが、手のひらでしっかり固定したいという場合には「AJ199」は小さすぎるし形状的にも不向きかと思います。
なのでかぶせ持ちでわざわざこのマウスを選択するメリットは薄いと思います。
つかみ持ちでの使用感
とても扱いやすいと思います。
上面後部が程よく盛り上がっているので手のひら後部に接地させやすく、無理に指で引き付けなくてもしっかり手のひら後部に固定させることが出来ます。
指を立てた状態、伸ばした状態のどちらでも指の収まりの悪さというものも感じることは無く、どの部分に指を置いても違和感を感じないため指の位置を調整しやすいと思います。
サイズ的にも小ぶりなため、指先で細かい操作が出来たほうが良いという人にも扱いやすい印象です。
ただ「ENDGAME GEAR XM1r」よりは小ぶりで上面後部の高さも極端に高いという訳でもないため手のひら後部のフィット感はそこまで強くなく、しっかりとしたグリップ感が欲しいという場合には物足りなさを感じるかもしれません。
またここは人に寄る部分かもしれませんが、私の場合つかみ持ちでマウスを保持した際に少しマウスが斜めに保持されるということが気になりました。「ENDGAME GEAR XM1r」はつかみ持ちでもしっかり真っすぐ保持できるのですが、「AJ199」は少し斜めになるので若干収まりの悪さを感じました。ただ使っているうちにその収まりの悪さも無くなってきていたので、慣れの問題かもしれないです。
とは言え基本的にはつかみ持ちにとても適しています。
つまみ持ちでの使用感
とても扱いやすいと思います。
小ぶりかつ左右対称なので指でつまみやすく、両サイドの形状は下部から上部で広がる形状をしているため指で持ち上げやすく、かなりつまみ持ちに適した形状をしています。
指だけで保持するつまみ持ちでも表面が滑りにくい加工で、重量も軽めなので指だけでも保持しやすいです。
指で上下のAIMをしたいという際も、手のひら後部に干渉してしまうということが無く、指の可動域をしっかり確保することが出来ます。
サイズ感、形状、重さなどあらゆる点でつまみ持ちに適していると感じました。
ただいくつか気になった点があります。
1つは両サイド後部の膨らみが若干小指の窮屈感を感じるという点です。両サイド後部の膨らみは大きいという訳ではないですがそこそこあるので、少し小指に窮屈感を感じました。ただ個人的には耐えられないほどの窮屈感ではなく、少し前方寄りを保持すれば違和感はかなり少なくなるので、問題ないレベルかとは思います。
もう1つ気になった点はサイドの一番窪んでいる位置を持った際に、重心が少し後ろに感じる点です。つまみ持ちの場合指だけでマウスを保持するため重心バランスを感じやすく、他の持ち方に比べて偏りを強く感じました。ただこれも極端に後ろに重心が寄ってしまうという訳でもないため、慣れれば問題なく扱えるレベルではあります。
若干の気になる部分はありますが、つまみ持ちでは基本扱いやすいレベルかと思います。
補足
Debounce
基本的にデバウンスタイムは長ければ長いほど遅延が大きくなるので、チャタリングが起きないのであれば出来るだけ短く設定しておいたほうが良いです。
私の場合0msに設定しておいても意図しないタイミングでクリックされたりおかしな挙動をするということはありませんでした。
なので基本は0msに設定しておいてよさそうです。
Ripple control
変わってるんだか変わってないんだか分からないのでOFFで良いと思います。
Angle snapping
平行に動かしやすくなりますがリコイルコントロールをしながら左右にAIMするときに補正がかかり、リコイルが強くなってしまう場面があります。
また左右どちらかにAIMしながら僅かに上下に動かしたいというときに、真っすぐ動いてしまうという場面があるためFPSではOFFが良いと思います。
リフトオフディスタンス(LoD)
- 検証用マウスパッド:SteelSeries QcK+
LoDは短すぎたり長すぎたりすると操作感に違和感が出てくることがあります。個人的な体感としては0.3~1.6mmの範囲であれば違和感無く操作できる印象でした。
「AJ199」はLoDを1mm/2mmから選択することが出来るのでそれぞれ計測します。
1mm | 0.6mm |
---|---|
2mm | 1.0mm |
1mm、2mmともに問題ない長さで、どちらでもFPSゲームで使用することが出来ます。
どちらかといえば短めのほうが不自然な反応をしないので、1mmがおすすめです。
もし1mmでマウスパッドのたわみ程度の隙間で反応しない場面が出るようであれば、2mmにすると良いと思います。
応答速度(反応速度)
次はクリック応答速度(反応速度)を計っていきます※純粋なマウスの応答速度を計っているわけではないので参考程度にお考え下さい。
測定には「反応速度測定-改」というゲームを使わせていただいています。
またレシーバーはPCに直接接続しています。
Debounce – 0ms | Debounce – 30ms | |
---|---|---|
最速 | 0.15 | 0.182 |
最遅 | 0.176 | 0.198 |
平均 | 0.16179 | 0.19041 |
デバウンスタイムの0msと30msではちょうど30msほど差が出ました。デバウンスタイムを遅くするほどしっかり遅延が入っているようなので、FPSゲームなどの反応速度が求められるゲームでは出来るだけタイムは短く設定しておいた方がいいですね。
0ms設定だと他のゲーミングマウスと比べても十分早く反応できており、ワイヤレスマウスだからといって遅延の心配は無さそうです。
まとめ
想像以上にクオリティーが高く、いづれ出るであろう「Razer Viper Mini Wireless」に変わるマウスだったと思います。
「Razer Viper Mini」によく似た形状で程よく軽量、かつ表面加工の質感もグリップが効きやすい質感で、つかみ持ちとつまみ持ちユーザーにはかなり扱いやすいマウスです。
性能面も有名メーカーのハイエンドモデル並みで、クリック感も「Razer Viper Mini」よりも軽快で心地良いです。
ソフトウェア機能としてもFPS向けの機能が充実して基本困ることがありません。特にデバウンスタイムの設定が出来るのはデカいと思います。
しかもコレだけのクオリティーでありながら価格も安いです。
細かい点で見れば重心が少し後方に寄っていたり、バッテリー寿命が短かったり、アダプターが無いためレシーバーをマウスの近くに置けないなどと気になる部分はありますが、価格を見ればまぁ我慢できます。
正直個人的にはですが今後出るであろう「Razer Viper Mini Wireless」がよほど軽いとか充電ドックが使えるとかバッテリー寿命が長いとかにプラスして高すぎない価格とかでなければ、「AJ199」で良いんじゃないかと思えてしまいます。
もちろん完璧を求める人であれば選択肢に入らないかと思いますが、無難に使いやすければ良いという人であれば安いしかなり良いマウスだと思います。
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