当記事ではELECOM(エレコム)のゲーミングマウス「VM600PE」をレビューしていきます。
特徴
- 右利きに最適化された形状 – 日本人に究極のフィット感を提供すべく、右利きのかぶせ持ち・つかみ持ちに最適化
- 8ボタン軽量設計 – 8ボタンを搭載しながらも、筐体表面の肉抜き無しで約75gという軽さを実現
- 26Kセンサー – 26,000DPI、加速度:50G、最大速度:650IPSと最高レベルの性能を誇る
- Dセンサー – 高さ検出専用センサーを追加搭載し、LoDを約0mm~1.5mmまで調整可能
- Mag-Infinity光学式スイッチ – 電気的な設定が無い光学式のスイッチによる圧倒的な耐久性
- 2-Modeゼロエッジソール – 付属の追加ソールを貼ることで接地面積を変えられる
- フルカバーグリップシート – マウス上部全体を継ぎ目・段差無く覆えるクッション性の高い専用グリップシート
性能(スペック)
接続方法 | 有線、無線(2.4GHz) | |
---|---|---|
本体 | ボタン類 | 8ボタン(左右クリックボタン、左サイド×2、 ホイールボタン、ホイール下×2、底面×1)+電源スイッチ |
長さ | 123.5mm | |
幅 | 66.5mm | |
高さ | 42mm | |
重量 | ブラック/ピンク:75g、ホワイト:76g | |
ケーブル | タイプ | USB-A to USB Type-C充電ケーブル |
ケーブル長 | 1.5m | |
センサー | センサー名 | PixArt PAW3395DM + Dsensor |
DPI | 26,000 | |
ポーリングレート | 125/500/1000 | |
最大認識速度(IPS) | 650 | |
最大加速度(G) | 50 | |
スイッチ類 | 左右クリック | Mag-Infinity 光学式スイッチ |
ミドルマウスボタン | – | |
サイドボタン | – | |
ホイールエンコーダー | – | |
バッテリー | 寿命 | 最大95時間 |
充電時間 | – | |
ソフトウェア | EG Tool |
パッケージ内容
梱包状態
内容物
マウス本体、レシーバー、充電ケーブル(1.5m)、レシーバー延長アダプター、ソール×2種、グリップシート、クリーニングクロス、ステッカー。
形状・仕様
形状
「VM600PE」の基本的な形状は左右非対称形状。
左右非対称形状マウスは指から手のひら全体がゆったりとフィットする形状がほとんどですが、「VM600PE」は両サイドの指が当たる部分の窪みが強調されているため、フィット感は程よく保ちつつマウスを持ち上げやすい形状になっています。左右非対称形状マウスは小指と薬指部分の引っかかりが弱く持ち上げにくいものが多いので、結構理想的な形状をしている印象です。
また左右非対称形状の中でも両サイドの後部の膨らみに比べて前部の幅が細くなっていため、指でつまみ上げやすくかつ手のひら後部側に引き付けやすく指での操作もしやすいです。
上面の形状としては後部の高さが高いタイプと低いタイプがありますが、「VM600PE」はそのちょうど中間のような形状をしており程よく手のひらにフィットします。かぶせ持ちやつかみ持ちで程よい手のひらとのグリップ感を得られます。
全体的にグリップ性を重視した左右非対称形状と言った印象で、左右非対称形状の中でも操作がしやすいタイプだと思います。
サイズ感は左右非対称形状マウスの中では小さめで、「BenQ ZOWIE EC3」と「Pulsar Xlite Mini」の中間といったようなサイズ感です。
表面加工(質感)
表面の質感としてはサラサラとザラザラが合わさったような質感をしており、グリップ性はあまり高くなく滑りやすく感じます。その分表面は溶けやすそうではあります。
指紋や油汚れについては、長時間使用しても目立った汚れは無く目立ちにくい印象です。
ソール
ソールはデフォルトでは小さな丸形ソールが張られています。付属の追加ソールを貼ることで接地面積を変えられる仕様になっています。
滑りやすさ等については下のほうで説明します。
グリップシート
「VM600PE」には専用のグリップシートが付属しており、貼ることでグリップを増すことが出来ます。
貼れる場所はマウスの表面全体に対応しており、基本指や手のひらが当たる位置は全てカバーできます。ただ全面カバーしたいという人はそういないと思うので、場合によってはカットが必要になるかと思います。
センサー位置
センサー位置としてはやや左下寄りの位置にあります。
重量(軽さ)
実測重量は75.1gと最近のワイヤレスマウスの中ではやや重めといった感じです。(ソール、グリップシートを追加するとその分加重されます)
重量バランスとしてはやや前方寄りで、左サイドの一番窪んでいる位置を持って前後のバランスが取れるといった感じです。基本どのような持ち方でも偏りは感じませんが、個人的にはもう少しだけ後方だとよりバランスが良いかなと感じました。
ケーブル
ケーブルは着脱可能なUSB Type-Cの布巻きケーブルとなっています。
細めでやや芯を感じるケーブルですが、有線として使用しても問題ないレベルの柔らかさです。
ワイヤレスマウスなので基本は充電用になるかと思いますが、充電しながら有線として使うことも出来ます。
バッテリー寿命
バッテリー寿命は最大95時間と十分な長さです。
ポーリングレートを下げればバッテリー寿命が伸びるはずなので、高速な通信が必要無く長く使いたいという場合はポーリングレートを下げると良いと思います。
レシーバー、アダプタ
ワイヤレスレシーバーとアダプターはワイヤレス接続時に使用します。
レシーバーはワイヤレスマウスによく見る小さめのレシーバーです。
レシーバーはPCに直接接続しても使えますが、アダプターとケーブルを使ってマウスの近くに置いたほうが通信が安定します。
またレシーバーはマウス本体底面に格納できるようになっています。
ボタン類
⇓クリック音⇓
左右クリックボタン
クリックボタンの形状は奥側が僅かに凹状で、手前側にいくにつれフラットになっていく形状をしています。溝はかなり浅いため指の位置を自由に調整しやすいですが、その分指が遊びやすいです。
クリック感としてはコチコチとしたクリック感。押下圧はやや軽めでストロークはやや浅めです。軽めのタクタイル感があり、クリック時に程よくフィードバックが感じられます。
クリック音はさほど大きくはなく、鈍いクリック音が鳴ります。
左右差としては僅かに右クリックのほうが重く、音が高いです。この辺は個体差があるかもしれません。
サイドボタン
サイドボタンの形状は横長タイプで、指が触れる部分は平らになっています。突出もしっかりとあり、親指をずらすだけで押しこむことが出来ます。
位置的には一番窪んでいる位置のやや前方側にあり、高さも程よくあるため指が干渉してしまうことはありません。
クリック感は押下圧が標準的。軽めのタクタイル感があり、クリック時に程よいフィードバックがあります。
クリック音は標準的なカチカチといった音。
スクロールホイール
スクロールホイールには凹凸のある滑り止めラバーが巻かれており、指がグリップされやすくなっています。
スクロールの重さは結構軽めで、カリカリ感はほぼありません。ホイールボタンの押下圧はやや重めといった感じです。
その他のボタン
スクロール下にはボタンが2つ、底面にはDPIボタンと電源スイッチが備わっています。
ソフトウェア(EG Tool)
ボタン設定
各ボタンの機能割り当てが変更できます。また左クリックは必ずどこかのボタンに割り当てられている必要があります。
DPI設定
マウス感度(DPI)を調整する項目。100~26000の範囲を100刻みで設定することができます。
感度ステージは5段階まで設定でき、DPI切替ボタンで切り替えることができます。
初期のDPI設定は400(赤)/800(桃)/1600(青)/2400(緑)/3200(黄)です。
ポーリングレート
1秒間にマウスの操作情報を送信する回数のことで、カーソルの滑らかさや画面のブレに影響します。
ポーリングレートは125/250/500/1000Hzの中から選択可能。
数値が高いほうがカーソルと画面が滑らかに動くので、特にこだわりがないのであれば出来るだけ高い数値にしておくのがおすすめです。
ライティング
マウス本体ロゴ部分のライティングの設定を行う項目。ライティングのエフェクト、色を変更できます。
⇓ライティング⇓
マウスパッド最適化
マウスパッドに応じてLoDを自動的に最適化してくれる機能。
リフトオフ距離
リフトオフディスタンス(LoD)を手動で調整する機能。LoDとはマウスを持ち上げたときにセンサーが感知する距離のことです。マウスパッド最適化の無効化の✅を外すことで設定可能になります。
実測のLoDは下のほうで確認します。
リフトオフディスタンス(LoD)
- 検証用マウスパッド:SteelSeries QcK+
LoDは短すぎたり長すぎたりすると操作感に違和感が出てくることがあります。個人的な体感としては0.3~1.6mmの範囲であれば違和感無く操作できる印象です。
「VM600PE」はLoDを自動/手動(6段階)から選択できるのでそれぞれ測定します。
測定結果
自動 | 1.4mm |
---|---|
手動(1) | 0.1mm |
手動(2) | 0.2mm |
手動(3) | 0.3mm |
手動(4) | 0.4mm |
手動(5) | 0.4mm |
手動(6) | 1.4mm |
手動(1~5)だとLoDがかなり短く、ハードタイプのマウスパッドだと反応しないものがありました。
自動設定と手動(6)だと少し長めですがFPSでも問題なく扱える長さなので、自動設定か手動(6)がベストです。布タイプのマウスパッドであれば手動(5)でも使えると思います。
カーソル飛び
何種類かのマウスパッドでカーソル飛びを確認します。
確認結果
ARTISAN FX 零 | 〇 |
---|---|
ARTISAN FX 飛燕 | 〇 |
ARTISAN FX 雷電 | 〇 |
ARTISAN FX 紫電改 | 〇 |
SkyPAD Glass 3.0 XL | 〇 |
マウスを激しく振ってもどのタイプのマウスパッドもカーソル飛びはありませんでした。
クリック反応速度
次はクリック反応速度を計っていきます※純粋なマウスの応答速度を計っているわけではないので参考程度にお考え下さい。
測定には「反応速度測定-改」というゲームを使わせていただいています。
測定結果
最速 | 0.151 |
---|---|
最遅 | 0.164 |
平均 | 0.15736 |
ワイヤレスマウスですが体感できる遅延は一切なく、十分早く反応できていました。FPSゲームなど反応速度が求められるゲームでも問題なく使用できます。
スリープ復帰による遅延などもありませんでした。
ゲームでの使用感
次はゲームでの使用感を確認します。
マウスの持ち方との相性
※私の手のサイズは中指の先端から手首までで約18cmと標準的サイズです。手のサイズによっても使用感に違いが出るので、その点はご了承いただければと思います。
持ち方としてはかぶせ持ち、つかみ持ち、つまみ持ちで確認してみました。
かぶせ持ち
とても扱いやすいです。
手のひら全体がフィットする感じではないですが、指と手のひら後部がしっかりフィットするのでかなり安定したかぶせ持ちが出来ます。
局部的に強く当たってしまうという部分無く、違和感のないかぶせ持ちで出来ます。
小指を薬指の当たる部分の形状は指に引っかかりやすい形状をしているため指でマウスを持ち上げやすく、激しい操作でも安定してかぶせ持ちの形を保持出来ていたと思います。
つかみ持ち
とても扱いやすいです。
両サイドの形状は後部から前部へ細くなる形状をしているため、指でつまみやすく手のひら後部に引き付けやすいです。また小指と薬指の当たる部分が指に引っかかりやすい形状をしているのも相まって、かなり持ちあげやすい印象でした。
上面後部の高さも程よくあるため手のひら後部とのフィット感が強く、安定したつかみ持ちが出来ていました。滑りやすい表面なので滑らないか心配でしたが、全く問題ありませんでした。
基本的に不満点は少ないですが、「VM600PE」は指や手のひら全体にフィットさせやすい形状が強調されているため、つかみ持ちで持った時にマウスが斜めに保持されます。母指球がかなり強くフィットするため小指球側のフィット感が弱く、若干窮屈に感じなくもない印象でした。母指球側に強くフィットさせる持ち方をする人の場合、あまり落ち着かない持ち心地になるかもしれません。
つまみ持ち
十分使えますが、わざわざこのマウスで使うメリットは無いといった印象です。
指の当たる部分がマウスを持ち上げやすい形状をしているため、つまみ持ちでも問題なく操作できます。しかし左右対称マウスと比べると持ち上げにくく、小指と薬指の窮屈感も少し感じられます。
補足
標準で張られている丸形ソールで使ってみましたが、想像以上に滑りやすいように感じられました。普段使用しているマウスよりも明確に滑りやすく感じられたので、滑りやすいと感じる人が多いのではないかと思います。個人的にちょっと滑り過ぎと感じたため、ソールを増設したほうがスピードとコントロールのバランスが取れて操作しやすそうだと感じました。
重さに関してですがやはり少し重さを感じやすい印象でした。普段から軽いマウスを使っているということもありますが、やはり重いと素早く振ったときに引っ張られる感覚があります。十分軽い部類ですが、軽さを重視したい人は注意です。
まとめ
最近のワイヤレスマウスの中では重めで、軽さを求めるユーザーには選択肢に入りにくいかと思いますが、形状は左右非対称マウスの中だとかなり操作性とグリップ性の高い形状をしていると思います。
価格も他メーカーの同性能帯マウスと比べるとあり得ないくらい安いので、かぶせ持ち/つかみ持ちユーザーでかつ安さ重視でそれなりに操作性やグリップを求める場合におすすめできるマウスです。
⇓その他のゲーミングマウスのレビュー記事は以下で確認できます⇓
⇓おすすめのゲーミングマウスと選び方を以下で解説しています⇓