当記事ではEndgame Gear(エンドゲームギア)のゲーミングマウス「OP1w 4K」をレビューしていきます。
提供:アーキサイト
特徴

- 4000Hzポーリングレート対応ワイヤレスモデル
- 持ち方を選ばない小型フォルム
- 超低遅延のメカニカルスイッチ「Kailh GXスイッチ」を搭載しており、超低遅延の「GX スピードモード」、安定性を重視した「GX セーフモード」を選べる
- スケート用の溝を幅広く取り、使用するマウスパッドや好みの滑りに合わせて柔軟に選べるよう設計
- 手の湿り具合によらず高いグリップ力でマウス操作が可能なマットUVコーティング
- プラスネジを外しスイッチを引き抜くだけでメインスイッチを簡単に変更できる
- 通常のブラック・ホワイトに加え、半透明シェルを使用したダークフロスト・ホワイトフロストの4色展開
性能(スペック)
価格 | 19,800円(税込) | |
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接続方法 | 有線 / 無線(2.4GHz) | |
本体 | ボタン類 | 左右クリックボタン、左サイド×2、ホイールボタン、 CPIボタン、電源スイッチ |
長さ | 118.2mm | |
幅 | 60.5mm | |
高さ | 37.2mm | |
重量 | 約58.5g(ブラック、ホワイト) 約59.5g(ダークフロスト、ホワイトフロスト) |
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ケーブル | タイプ | 着脱式編込みUSB Type-C |
ケーブル長 | 1.8m | |
センサー | センサー名 | Pixart PAW 3395 |
DPI | 50 ~ 26,000 | |
ポーリングレート | 4,000 | |
最大認識速度(IPS) | 650 | |
最大加速度(G) | 50 | |
スイッチ類 | 左右クリック | Kailh GX スイッチ(8000万回耐久) |
ミドルマウスボタン | Kailh GM 2.0スイッチ(2000万回耐久) | |
サイドボタン | Kailh GM 2.0スイッチ(2000万回耐久) | |
ホイールエンコーダー | TTC シルバー(ワイド) | |
バッテリー | 寿命 | 30時間(4000Hz) |
充電時間 | – | |
ソフトウェア | Endgame Gear OP1w 4k Configuration Tool |
パッケージ内容
梱包状態
【Black】
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【DarkFrost】
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内容物
【Black】
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【DarkFrost】
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マウス本体、Flex Cord 4.0 ケーブル、USBドングル兼ドングル延長アダプタ、大スケート+センサー用スケート、マウスグリップ(左右両サイド用のみ)、プラスドライバー、マニュアル。
仕様
形状
【Black】
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【DarkFrost】
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形状としては、「主につかみ持ちでの使用を想定しつつも、側面はフラットな形状で持ち方を選ばないオリジナルフォルム」と謳われています。
実際に握ってみるとたしかにつかみ持ち向けの形状に感じますが、指のグリップ感も悪くなくつまみ持ちでも使えそうな形状になっていると感じられます。
簡単に言ってしまうとXMシリーズの形状をマイルドにして小型化した形状です。サイドの形状は先細りで後方には大きめな膨らみがあり、上面は後部側に大きな山があるのは同様です。OPはサイドの窪みを少なくし、後部の膨らみを小さくした形状。上面は膨らみ方はXMと同じ感じですが、高さが少し低めといった感じです。
これにより指の配置の自由度が上がり前後の位置調整がしやすくなり、強制的に手のひら後部がフィットする感覚も少なくなっています。そのためつかみ持ちだけでなく、つまみ持ちでもある程度扱いやすいグリップ感になっています。かぶせ持ちの形でもグリップ出来ますが、指を伸ばしたつかみ持ちに近い持ち方になる印象です。
XMがガッチリとしたつかみ持ちが出来る形状であるならば、OPは指先の自由度が高いつかみ持ちが出来る形状といった感じです。リコイル制御や上下のAIMを指で行うか腕を上下させるかで相性が結構別れそうです。
表面加工(質感)
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表面の質感は通常カラーと透明カラーのどちらもサラサラとしたマットな質感の表面をしています。以前は透明カラーはツルツルとした表面だったかと思うのですが、変わったのですね。
グリップ力はしっかりと有り、グリップテープが付属していますが必要ないレベルかと思います。
若干手汗や油汚れは目立ちやすいかなと感じます。
ソール
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ソールの溝は幅広く取られており、使用するマウスパッドや好みの滑りに合わせて柔軟に選べるよう設計されています。
当初では上部に1枚、下部に小さいソール2枚と細長いソール1枚が張られています。付属には溝にフィットする大きめのソールが備わっています。
当初から張られているソールの滑りやすさとしては、かなり滑りやすいと感じられるものになっています。マウスパッドとの引っかかりや沈み込みがほとんど感じられない操作感で、スーッと滑ります。どのようなマウス操作でも一貫した滑りやすさなので個人的にはかなり操作しやすく感じられました。
重量(軽さ)、重量バランス
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実測重量はそれぞれ以下のようになっています。
通常カラー | 58.6g |
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透明カラー | 59.4g |
重量は程よく軽量といった感じ。重すぎず軽すぎず扱いやすい重量かと思います。もちろんもっと軽く出来るなら軽くしてほしいですが。
重量バランスとしては概ね窪みの位置で、やや前方寄り位置を持って前後のバランスが取れるといった感じです。重心が前方寄りなのでやはりつかみ持ちを意識されているかなと感じます。つまみ持ちでも窪みを持つことになるので違和感は感じませんが、中央を持とうとすると重心を前方に感じます。
ケーブル

ケーブルはUSB Type-Cの「Flex Cord 4.0 ケーブル」で、かなり柔らかく軽いケーブルになっています。有線としても十分使えるケーブルです。
長さは1.8mほどと十分な長さ。
ワイヤレスレシーバー
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ワイヤレスレシーバーは三角柱の形状で独特なデザインになっています。
ボタン類
左右クリックボタン
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メインボタンには、Endgame GearとKailh社が共同開発した「Kailh GXメカニカルスイッチ」が搭載されています。
コチコチとしたクリック感で、浅すぎず深すぎず、標準~やや重めな押下圧で割とサクッと押し込めるクリック感です。クリック時には程よいタクタイル感が感じられ、不快感等はありません。
形状は手前側が凸状、奥側に行くにつれ平坦になっていく形状になっています。窪みが無いので指の配置を調整しやすいですが、決まりにくい傾向です。
サイドボタン
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サイドボタンは表面が丸い形状で、位置的には窪みの位置で十分高さがあります。
結構強いクリック感で、押し込むとカチッと音と感覚がフィードバックされます。
スクロールホイール
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スクロールホイールはやや重めで、しっかりとしたスクロール感があります。
ホイールボタンはやや重め。
その他のボタン
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底面には左側にCPIボタン、右側に電源スイッチが備わっています。
ソフトウェア(Endgame Gear OP1w 4k Configuration Tool)
Basic Settings

CPI(DPI)
マウス感度(DPI)を調整する項目。
CPIは50~26000の範囲から50刻みから設定できます。またX軸/Y軸のそれぞれで設定することも可能です。
CPI Levelsは1~4つから増減でき、CPIボタンを押すことでサイクルされます。
初期DPIは400/800/1600/3200です。

LoD(リフトオフディスタンス)
リフトオフディスタンス(LoD)とはマウスを持ち上げたときにセンサーが感知する距離のことです。
LoDは1mm/2mmの2つから選択できます。基本的には短いほうが安定します。
実測のLoDは下のほうで確認します。
Angle Snapping
アングルスナップとは直線補正のことを言い、カーソル移動の際に上下左右の直線的な移動をするとき僅かなブレを補正してくれるという機能。
Ripple Control
リップル制御はカクつきやブレを抑える機能。
Disable LED on Lift-Off
マウスを持ち上げた時にLEDを無効にする機能。
Advanced Settings

Motion Sync
ポーリングレートとセンサー処理を同期させ、一貫したトラッキングを実現するという機能のようです。
Polling Rate(ポーリングレート)
1秒間にマウスの操作情報を送信する回数のことで、カーソルの滑らかさや画面のブレに影響します。
ポーリングレートは1000/2000/4000から設定できます。
数値が高いほうがカーソルと画面が滑らかに動くので、基本的には高い数値に設定しておいた方がFPSゲーム的には有利に働きます。ただし2000Hz以上はPCスペックやゲームの対応ポーリングレートなどによっても使用感が変わるため、状況に合わせて設定する必要はあります。

Slamclick Filter
マウスを置く時の衝撃で意図せずクリックされてしまうのを防ぐための機能。
Motion Jitter Filter
モーションジッター(マウスを静止させても、カーソルが微細に動き続ける現象)を防ぐ機能。
Multiclick Filter
スイッチのバウンスを排除する機能。デバウンスタイムとは違う。
SPDT(左右クリックボタン)
OFF:クリックすると板バネが下がり、先端(青)が下の接点(緑)に接触します。接触が完了すると、クリックとして作動します。ほとんどのマウススイッチが機能する一般的な方法
GX Speed Mode:先端(青)が下方に動くと、上部接点(赤)との接触が失われたことが記録される。この接触の喪失がクリックとして作動する。板バネとが下方接点(緑)に到達するのを待つ必要がないため、この方法が最も速い
GX Safe Mode:上部接点(赤)が離れており、かつ下部接点(緑)の接触することでクリックされる。ノーマル/OFFの場合と同等レベルですが、チャタリングを防げる点でアドバンテージがある
Button Mapping

各ボタンの機能割り当て。
Power Settings

節電の設定。
リフトオフディスタンス(LoD)

- 検証用マウスパッド:SteelSeries QcK+
LoDは短すぎたり長すぎたりすると操作感に違和感が出てくることがあります。個人的な体感としては0.3~1.6mmの範囲であれば違和感無く操作できる印象です。
測定結果
1mm | 0.6mm |
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2mm | 1.2mm |
1mmと2mmともに問題ない長さで、どちらでもFPSゲームで使えると思います。どちらかといえば短いほうが安定するので1mmをおすすめします。
カーソル飛び

何種類かのマウスパッドでカーソル飛びを確認します。
確認結果
ARTISAN FX 零 | 〇 |
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ARTISAN FX 飛燕 | 〇 |
ARTISAN FX 雷電 | 〇 |
ARTISAN FX 紫電改 | 〇 |
SkyPAD Glass 3.0 XL | 〇 |
マウスを激しく振ってもどのタイプのマウスパッドもカーソル飛びはありませんでした。
クリック反応速度
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次はクリック反応速度を計っていきます※純粋なマウスの応答速度を計っているわけではないので参考程度にお考え下さい。
測定には「反応速度測定-改」というゲームを使わせていただいています。
測定結果
SPDT:OFF | GX Speed Mode | GX Safe Mode | |
---|---|---|---|
最速 | 0.158 | 0.157 | 0.158 |
最遅 | 0.163 | 0.162 | 0.163 |
平均 | 0.16060 | 0.16000 | 0.16080 |
「OP1w 4K」にはSPDTスイッチによる処理の方式がいくつかあるため、それぞれ確認してみました。
OFFは通常、GX Speed Modeは一番速いモード、GX Safe Modeはセーフモードですが、体感では違いは感じられませんでした。タイムとしてもあまり違いは出なかった印象です。
全てのモードで速い反応速度だったのでどれを使ってもFPSゲームで問題なく使うことが出来ると思いますが、願掛け程度に「GX Speed Mode」にしておけばいいのではないかと思います。
ゲームでの使用感
マウスの持ち方との相性
持ち方としてはかぶせ持ち、つかみ持ち、つまみ持ちで確認してみました。
※私の手のサイズは中指の先端から手首までで約18cmと標準的サイズです。手のサイズによっても使用感に違いが出るので、その点はご了承いただければと思います。
つかみ持ち

やはり一番相性が良いのはつかみ持ちです。
サイドは前方から後方側へ膨らんでいく形状で、上面は後部が高くなる形状になっているため、指の引き付けやすさと手のひら後部のフィット感が際立ちます。
しかしOPは極端にサイド後部の膨らみや溝が大きいということは無く、サイズも小型なので、全体のフィット感は弱いですが手のひらの中でマウスを動かしやすいです。そのため指で微調整しやすいです。グリップの安定感はそこまで強くないですが、操作性はつかみ持ちの中でも高く自由度が高い印象です。なのでリコイル制御を指で制御するというときに特に操作しやすく感じられます。
OPをつかみ持ちで使うメリットは指先での細かい操作がしやすいため、細かい操作や微調整がしやすいことです。対してデメリットはガッチリグリップ出来るマウスと比べて力みが発生しやすく、ゆっくり動かすAIMがカクつきやすいことです。あくまで個人的に感じる傾向ですが、指先で細かい操作が出来たほうが良いという場合はOP、AIMの安定性を上げたい場合はXMのようなガッチリグリップ出来るマウスと相性が良いんじゃないかと思います。
つまみ持ち

とても使いやすいです。
窪みは浅めで前方寄りなので指の収まりは良くないですが、細めなのでかなり指での操作がしやすいです。上下左右を大きく動かすことが出来、可動範囲をしっかりとることが出来ます。
何よりマウスソールが良く、かなり滑らかに動かすことが出来ます。つまみ持ちは力みがちで指で操作するときはAIMがカクつきやすいです。しかし力んだ状態でも滑りが良いので滑らかなマウス操作が出来、トラッキングがとてもしやすいように感じました。
窪みの位置がもう少し手前だったら相性は最強だったかもしれません。
かぶせ持ち

かぶせ持ちの使用感は概ねつかみ持ちを同じです。
接地面としては指と手のひら後部で、深く握ったつかみ持ちといった感じになります。
かぶせ持ちの形で保持することは出来ますが、マウスが小さめなので手のひらがマウスパッドに触れやすい印象です。
通常カラーと透明カラーの違い

使用感はほとんど同じです。
表面の質感も同じ、重さの違いもほどんど感じ取れません。
ポーリングレートによる視認性の差

1000Hz⇒4000Hzにするとマウス操作時の滑らかさが増します。特に一定方向に動かし続けるトラッキング時にその差を感じやすく、敵を追いやすくなります。
マウスを素早く大きく動かしたときに敵のブレ方も少し減っており、敵の視認性も上がります。
スペック的な問題が無ければ、基本デメリットは無いのでポーリングレートは高めに設定しておくことをおすすめします。
SPDT
体感できる違いはありません。
願掛け程度に「GX Speed Mode」にしておけばいいと思います。
ソールの滑り

特に素晴らしいと感じたのは当初から張られているソールで、とても滑りやすく前後左右一貫した滑りで、マウスパッドに軽く押し付けても摩擦の変動がとても少なく、一貫した操作感で操作できます。
ソールにもいろいろあると思いますが、このソールは強いて言えばスピード寄りで沈み込みも少ないタイプだと思います。
まとめ
細かい操作性を重視したつかみ持ち向けマウスで、特に指先を使うつかみ持ちをする人には相性が良い印象です。しっかりとしたグリップ感が好きな人や安定した操作感が欲しい人はXMシリーズのほうが向いている印象です。
全体的にクオリティーは良く、つかみ持ちユーザーにはおすすめできるマウスです。特にマウスソールは個人的にかなり優れていると感じられ、滑りやすさと沈み込みの影響を受けない一貫性を持った操作性を求める人にはピッタリの物だと思います。
つまみ持ちでも細良くて小さめの形状がしっかりマッチしており、かなり使いやすくお勧めできます。しかし窪みの位置が前方寄りで指の収まりの悪さは感じるかもしれません。
かぶせ持ちでも使えますが、わざわざこのマウスを選択するメリットは少ない印象です。
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