当記事では「Razer Viper Mini」と「Finalmouse Ultralight 2 – Cape Town」の比較、違いについてまとめています。
性能(スペック)
Razer Viper Mini | Finalmouse Ultralight 2 – Cape Town | |
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ボタン | 6箇所(左右クリックボタン、左サイド×2、ホイールボタン、ホイール下) | 6箇所(左右クリックボタン、左サイド×2、ホイールボタン、ホイール下) |
ケーブルタイプ | Razer Speedflex ケーブル | ファントムコード |
ケーブル長 | 1.8m | 1.9m |
長さ | 118.3mm | 116mm |
幅 | 53.5mm | 54mm |
高さ | 38.3mm | 36mm |
重量 | 61g(ケーブルを除く) | 47g(ケーブル除く) |
DPI | 200~85000dpi(100刻み) | 400/800/1600/3200 |
ポーリングレート | 125/500/1000 | 500 |
最大認識速度(IPS) | 300 | – |
最大加速度(G) | 35 | – |
耐クリック回数 | 5000万回 | – |
センサー | True 8,500 DPI オプティカルセンサー | – |
DPIはViper Miniは200~85000dpi(100刻み)、Ultralight 2は400/800/1600/3200の中から選択できます。
ポーリングレートはViper Miniは125/500/1000の中から、Ultralight 2は500Hz固定です。
設定できる細かさ、範囲はViper Miniのほうが優秀です。
最大認識速度(IPS)、最大加速度(G)はUltralight 2の性能が明確でないので、比較できません。ですが両マウスともFPSをするにしても問題ない性能を持っています。
⇓DPIについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ⇓
⇓ポーリングレートについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ⇓
形状
大きさ
大きさは概ね同じくらいです。グリップしてみた感じ、若干Viper Miniのほうが大きく感じるといった程度です。
両マウスとも左右対称マウスで、基本的に左右非対称と左右対称では左右対称のほうが小さめな傾向にあります。両マウスとも左右対称マウスの中ではかなり小さめな部類です。
高さは僅かにViper Miniのほうが高めです。高さに関しても左右非対称と左右対称では左右対称のほうが低めな傾向にあります。
高さが高いほうが手のひらとのフィット感が強いです。逆に低いほど指でマウスを操作する際に手のひらに干渉しづらいため、操作の妨げになりにくいです。
左サイドの形状
両マウスとも左サイドには窪みがあります。この窪みは両マウスとも浅めですが、Viper Miniのほうが若干溝が深めです。
基本的にグリップ感に違いはあまりありませんが、Viper Miniは若干溝が深い分指の位置が固定されやすく、Ultralight 2はフラット寄りなので指の位置は自由に選びやすい感じです。
またUltralight 2はサイドが穴あき構造になっているため指にひっかかりやすくなっています。しかしViper Miniも垂直の形状が下部から上部に幅が広がる形状をしているのでマウスを持ち上げたときに指に引っかかりやすいです。そのためどちらもグリップ力は強めです。
右サイドの形状
左サイドと同様。
サイドの滑り止め
両マウスとも滑り止めは張られていません。
しかし両マウスとも軽めのマウスなので、滑り止めが無くとも指からズレてしまうなどの心配はほとんどありません。
表面の形状
表面の山の位置はViper Miniは左右は中央で前後はやや後部の位置、Ultralight 2は前後左右概ね中央の位置にあります。
そのため、マウス後部の高さがViper Miniのほうがやや高め、後部の曲線が深めになっています。
マウス後部の高さが高いほうが手のひら後部とのフィット感が強くなり、低いほうが手のひらに干渉しづらくなります。
またUltralight 2は表面全体に穴が空いています。
重さ
重量はViper Miniが61g(ケーブル除く)、Ultralight 2が47g(ケーブル除く)と両マウスともかなり軽め。
両マウスともゲーミングマウスの中ではかなり軽い部類のマウスです。その中でもUltralight 2は特に軽めでゲーミングマウスの中でもトップレベルの軽さです。軽さを追求するのであればUltralight 2はかなり良いマウスです。
軽ければ軽いほどマウスを持ち上げやすく、滑りも良くなります。
ケーブル
どちらのケーブルもとても柔らかく摩擦が少ない布巻きケーブルで、太さもほぼ同じです。ただどちらかと言えばUltralight 2のほうが柔らかいです。
ケーブルの付け根はUltralight 2のほうがやや高め。向きはともに水平です。
滑りやすさ
どちらのマウスもかなり滑りやすい部類のマウスです。体感ではUltralight 2のほうが滑り出しや滑り出した後が軽いように感じます。
軽さの違いの影響もあるかと思いますが、ソールの面積の違いが大きいように感じます。
ボタン
左右クリックボタン
クリック感としてViper Miniは押下圧、ストロークともに標準的です。Ultralight 2は押下圧は標準的かやや軽め、ストロークは標準的です。
Viper MiniはUltralight 2と比べると若干ですがグニっとした感触があり、クリック時に軽めな返しがあります。
Ultralight 2はあっさりとした感触でクリック時にそこそこ強めな返しがあります。
クリック音はUltralight 2のほうが大きめ。
サイドボタン
大きさとしてViper Miniは細長いタイプ。Ultralight 2は幅広タイプ。
表面からの出っ張りはUltralight 2のほうが飛び出しています。押しやすさはUltralight 2のほうが上。
スクロールホイール
スクロールホイールは両マウスとも滑り止めラバーが巻かれています。両マウスとも小さな凸があり指が引っかかりやすいようになっています。
ホイールの重さはどちらのマウスも軽めですが、Ultralight 2のほうがかなり軽めです。Viper Miniは僅かにコリコリ感がありますが、Ultralight 2はほとんどありません。
ホイールボタンの重さはどちらのマウスも標準的。
スクロール下
両マウスともボタンが1つ備わっています。
マウスの持ち方の相性
マウスの持ち方には大きくかぶせ持ち、つかみ持ち、つまみ持ちの3種類があります。
マウスの持ち方にはマウスとの相性があり、Viper MiniとUltralight 2にもそれぞれ向き不向きがあります。
それぞれのマウスの相性の良い持ち方
●Viper Mini
- かぶせ持ち:△
- つかみ持ち:△
- つまみ持ち:◎
●Ultralight 2
- かぶせ持ち:△
- つかみ持ち:△
- つまみ持ち:◎
Viper Mini、Ultralight 2ともにつまみ持ちとの相性が良いです。
左右対称の形状で小型なのでつまみやすい形状をしています。
かぶせ持ちやつかみ持ちでも扱うことはできますが、かぶせ持ちは左右非対称マウスのほうがフィット感がしっかりするし、つかみ持ちはもう少し大きめのマウスのほうが手のひら後部のフィット感がしっかりします。かぶせ持ち、つかみ持ちユーザーがわざわざこれらのマウスを使うメリットはあまりないように思います。
つまみ持ちをした場合の両マウスの違いは、「グリップ感」「重さと滑りやすさ」です。
グリップ感はUltralight 2のほうが少し小さいのでUltralight 2のほうがよりつまむような持ち方になります。どちらもつまみ持ちに適した形状をしているので大きな違いではありません。
重さはUltralight 2のほうが軽い分滑りやすいです。ある程度の安定感が欲しいという場合には、少しだけ重いViper Miniのほうが向いているかもしれません。
センサーテスト
『MouseTester』というソフトを使ってテストを行いました。
- 波線が綺麗に続いているほど、カーソルが飛んでしまうなどのおかしな挙動がない。
- ラインの動きドットの動きが一致しているほど、マウスの移動距離に対してのカーソルの移動距離が正確。
悪い例
FPSをプレイ中よくAIMが飛んでしまうマウスでのテストです。
○テスト環境
- DPI:400
- ポーリングレート:1000
- マウスパッド:SteelSeries QcK+
波線が途中で乱れているのは実際にカーソルが飛んでしまっている部分です。こういった波の乱れがあるものは良好なセンサーとは言えないです。
それぞれのセンサーテスト
○テスト環境
- DPI:400/800/1600/3200
- ポーリングレート:Viper Mini(1000)、Ultralight 2(500)
- マウスパッド:SteelSeries QcK+
Razer Viper Mini | Finalmouse Ultralight 2 – Cape Town | ||
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Ultralight 2は綺麗な波線をしていました。しかしViper Miniはあまりいい結果ではありませんでした。
センサーテストではUltralight 2のほうが良いという結果でしたが、実際にゲームをした際に差を感じるかと言われればそういうわけでもないのであくまで参考程度にお考え下さい。
リフトオフレンジ(リフトオフディスタンス)
リフトオフレンジ(リフトオフディスタンス)とはマウスを持ち上げたときにセンサーが感知する距離のことです。
このリフトオフレンジが長すぎると、マウスの持ち上げ動作時にセンサーが反応しなくていいタイミングで反応してしまいAIMがぶれてしまいます。
逆に短すぎるとマウスの持ち上げ動作からマウスパッドに置くと同時に視点移動をしようとするとセンサーの反応が遅れてしまい、マウスを動かしているのに視点が動かないタイミングがでてきます。
目安としては0.3mm以下だと短すぎ、1.6mm以上だと長すぎといった感じです。
Viper MiniとUltralight 2のリフトオフレンジは以下になります。
- Viper Mini:2.0mm以上
- Ultralight 2:1.0mm
ここまででどちらのマウスにも大きな違いはなくどちらも使いやすいマウスでしたが、ここにきて大きさ差が出てきました。
Ultralight 2は1.0mmと違和感のないリフトオフレンジでしたが、Viper Miniは2.0mm以上とかなり長いです。
これはFPSにとって結構致命的で、マウスを持ち上げ動作時にAIMがブレてしまったりすることがあります。
2.0mm以上となるとゲーミングマウスの中でもかなり長めのリフトオフレンジで、正直許容できるものではありません。
FPS目的で購入を考えているのであればUltralight 2を選んだほうが失敗はありません。
⇓その他ゲーミングマウスのリフトオフレンジ(リフトオフディスタンス)や詳細については下の記事で確認できます。⇓
応答速度(反応速度)
反応速度を計るゲームで反応速度を計測して平均タイムを出し比較します。※純粋なマウスの応答速度を計っているわけではないので参考程度にお考え下さい。
ここに関しては応答速度に差があったとしても、体感では全く分からないので特に気にする必要はありません。ただ速ければ速いほどいいのは間違いないので一応計るだけです。
このテストで分かることは”露骨な遅延が無いこと””ボタンを素早く押せるか”程度のものです。
それぞれの結果は以下になります。
●Viper Mini
- 最速:0.16秒
- 最遅:0.225秒
- 平均:0.18757秒
●Ultralight 2
- 最速:0.157秒
- 最遅:0.198秒
- 平均:0.17903秒
応答速度はUltralight 2のほうが少し速いという結果になりました。
Ultralight 2はViper Miniと比べてクリックボタンが軽めなので素早く押し込むことが出来、直感的に押しやすい印象を受けました。
両タイムで差はでましたが、実際にゲームをしているときに差を実感できることはまずないです。
⇓測定の仕方、その他ゲーミングマウスの応答速度(反応速度)以下の記事で確認できます。⇓
結局どちらを選ぶべきか
FPSを目的にどちらかを考えているのであればUltralight 2を選ぶべきだと思います。
グリップ感や操作感はどちらのマウスもとても良いのですが、Viper Miniはリフトオフレンジが長すぎて許容できるものではありませんでした。
少し長いくらいであればそこまで影響はないものの、Viper Miniのリフトオフレンジはハンデになり得るレベルのものなのでおすすめはできません。
Viper Miniは安くて良いですが、FPSをするなら断然Ultralight 2を選ぶべきです。
FPS以外ならむしろViper Miniのほうが安いし、ソフトウェアもあるので良いかもしれません。
⇓それぞれのレビュー記事は以下で確認できます⇓
⇒「Finalmouse Ultralight 2 – Cape Town」レビュー
⇓その他のゲーミングマウスのレビュー記事は以下で確認できます⇓
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